国試レベルでクームス試験(直接/間接 抗グロブリン試験)をわかりやすく解説!【臨床検査技師・輸血検査】

免疫

今回は臨床検査技師の国家試験で

絶対に出てくる、クームス試験直接/間接 抗グロブリン試験)について

できるだけわかりやすく解説していきます

(※絶対に、とは選択肢で必ず見かけるという意味です)

 

 

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クームス試験とは

抗ヒト免疫グロブリン抗体(クームス試薬)を用いて、抗体を検出する方法です

(クームス試薬というのはヒトの抗体に対する抗体です)

具体的には、輸血における不規則抗体、赤血球に対する自己抗体などの検出に用います

以後は、抗グロブリン試験といいます

 

ご存知の通り、

  • 直接抗グロブリン試験
  • 間接抗グロブリン試験

の2つが存在しますが、ここの違いが国試で狙われやすく

かつ、苦手だなぁと感じる一つのポイントだと思います

 

直接抗グロブリン試験と間接抗グロブリン試験の違い

まずは簡単に、明確な違いを覚えましょう

直接抗グロブリン試験は溶血

患者赤血球に既に結合している抗体を直接検出する

 主に、溶血に関わる検査に用いる

直接抗グロブリン試験のキーワードは溶血です

とにかくまずはこれを覚えてください

溶血の原因は色々ありますが、赤血球に抗体が結合することもその原因の一つです

 

具体的には

  1. 自己免疫性溶血性貧血
  2. 新生児溶血疾患
  3. 血液型不適合輸血による輸血副作用

などが挙げられます

1.自己免疫性の溶血の原因になるもの

よく聞かれるのは寒冷凝集素です

寒冷凝集素とは低温で赤血球に結合する(冷)自己抗体です

原因はマイコプラズマやウイルスの感染によるものが多いと言われています

 

他には、発作性寒冷血色素尿症(PCH)(寒冷ヘモグロビン尿症)による

ドナート・ランドスタイナー抗体も冷式の自己抗体です

 

他に、温式の自己抗体としては(体温で赤血球に結合する)

・SLE(全身性エリテマトーデス)によるもの

・薬剤性の溶血性貧血

なども挙げられます

 

2.新生児溶血疾患

原因として最も多いのは血液型不適合妊娠によるもので、具体的なパターンとして

Rh-(抗D抗体をもっていない)のお母さんが、

1回目にRh+の赤ちゃんを妊娠して、抗D抗体を獲得

2回目にRh+赤ちゃんを妊娠すると影響が出ます

 

母胎間では臍帯を通して、血液のやり取りがありますが

IgGは胎盤通過性があります

このため、Rh-のお母さんが

1回目の妊娠で赤ちゃんのRh+抗原(D抗原)をもらう

→お母さんに抗D抗体ができる(時間がかかるため1人目への影響は軽微)

→2人目を妊娠した時に、お母さんの抗D抗体が胎盤を通じて、赤ちゃん(Rh+)に移行

すると、新生児溶血性疾患が引き起こされます

(予防や治療する方法はちゃんとあります)

少し話がずれてしまいましたが、赤血球に抗D抗体が結合しているため

直接抗グロブリン試験での判定が有効になります

 

3.不適合輸血などによる副作用

患者血清中に、輸血された赤血球に対する抗体あった場合

直接抗グロブリン試験によって、その抗体を判定することができます

 

長々と説明しましたが、

直接抗グロブリン試験のキーワードは溶血(の原因になっている赤血球上の抗体を直接検出する)です

これを覚えておくだけでもだいぶ理解しやすくなるかなと思います!

 

間接抗グロブリン試験は不規則抗体と交差適合試験

患者血清中に存在する抗体を、パネル血球などを用いて間接的に検出する。もしくは、輸血の際には輸血用の赤血球抗原に対して患者血清中に抗体が無いかを確認する。

間接抗グロブリン試験は難解に見えますが、用いられる場合のほとんどは

  1. 不規則抗体スクリーニング
  2. 交差適合試験

です

ちなみにですが、血液型検査のウラ試験もこれにあたります

患者血清中の抗体(抗A or 抗B)を、A型赤血球、B型赤血球と反応させ凝集を確認できれば、患者血清中に抗体があると確認できますよね(AB型の場合は抗体はないですが)

  

1.不規則抗体スクリーニング

規則抗体というのは生まれながらにして持っている抗体

つまり抗A、抗B抗体です

 

不規則抗体とは

抗A、抗B以外の抗体全てです。最もメジャーなものはRh抗原(D, c, C, e, E)に対する抗体です。

他にもたくさんありますが、説明が非常に長くなるため

各自の教科書での確認をおすすめします

不規則抗体とパネル血球を反応させてからクームス試薬で凝集が起こるかどうかを判定する

 

2.交差適合試験

輸血用血球と患者血清を反応させた後、クームス試薬で凝集が見られれば輸血不適合である(主試験)

実際に輸血用の血液(供血者)と、輸血される患者血液(受血者)で副作用が起こらないかどうかを確認することが目的です

受血者の血清中に、供血者の赤血球に対する抗体が本当にないか調べるのが主試験

供血者の血清中に受血者の赤血球に対する抗体が本当にないかを調べるのが副試験です

※ 主試験は必ず行う必要がある 

交差適合試験には主に3つの方法があります

  • 生食法
  • 酵素法
  • 間接抗グロブリン試験

生理食塩液法(生食法)の意義

ABOやRhの不適合不規則抗体の検出、寒冷凝集素の検出、冷式抗体の検出など簡便なスクリーニングができる。検出する抗体はほぼIgMである。(IgGでは抗体価が低く凝集が起こりにくいため)具体的には、抗Lea、抗Leb、抗M、抗N、抗P1、など。これら抗体の臨床的意義は低め(あまり問題にはなりにくいということ)

※ 一部例外あり、抗Leaは溶血性副作用など

※ 簡便な覚え方、アルファベット順にL, M, N, Oは飛ばしてP1 (ざっくり覚える用)

 

酵素法とは

ブロメリンやフィシンといった、酵素を用いて赤血球表面のシアル酸を分解することで、抗体の反応を検出しやすくする。(シアル酸は負電荷をもっており、赤血球の膜表面上にゼータ電位というマイナス電気をまとっている、これがIgGによる赤血球同士の凝集を邪魔している)ただし、非特異反応も少なくない。

※ MNS, Duffy, Xgなどの抗原は酵素で破壊されてしまう(これを逆に利用することもできる)

 

間接抗グロブリン試験

こちらが本命です

間接抗グロブリン試験の主目的は臨床的意義のあるIgG型の不規則抗体の検出です

初めに言ったように、血清中の抗体の存在を確認します

 

反応増強剤としてアルブミン・PEG・LISS

この3つがあることを覚えておきましょう

 

細かい手順などは今回は省略しますが

最後に、クームスコントロール血球について補足します

 

クームスコントロール血球とは

IgG感作血球のこと、すなわち予めIgGを結合させた赤血球である。クームス血清と反応させれば必ず凝集する、ポジティブコントロールとなる。間接抗グロブリン試験の洗浄不十分であったり、試薬の劣化、入れ忘れなどがあると凝集が起こらない。

 

ここまで読んでもらって、直接と間接の2つのクームス試験についてのざっくりとした違いはわかってもらえたかと思います!

 

では実際に過去の国試で出ているものも見てみましょう

 

過去の国試問題(関連性の高いもの)

関連性のある過去の国試問題と、解説リンクを貼っておきます

MT68-PM84 直接抗グロブリン試験について正しいのはどれか。

1.患者の血清を使用する。
2.反応増強剤に PEG が使用される。
3.交差適合試験の主試験に必要である。
4.不規則抗体スクリーニングに必要である。
5.溶血性輸血副反応が生じた際に必要である。

MT66-AM84 交差適合試験において間接抗グロブリン試験の主試験が陽性になる原因はどれか。2つ選べ。

1.連銭形成
2.洗浄回数の不足
3.低頻度抗原に対する抗体
4.患者の直接抗グロブリン試験陽性
5.提供者の直接抗グロブリン試験陽性

MT66-PM87 発作性寒冷ヘモグロビン尿症でみられる所見はどれか。

1.Ham 試験陽性
2.補体価CH50高値
3.直接 Coombs 試験陰性
4.P 血液型の P 抗原陽性
5.Donath-Landsteiner 反応陰性

MT65-PM89 不規則抗体同定検査の間接抗グロブリン試験(試験管法)と直接抗グロブリン試験(試験管法)の両方に使用されるのはどれか。2つ選べ。

1.ブロメリン
2.パネル赤血球
3.被検者の血清
4.IgG 感作赤血球
5.被検者の赤血球

 

MT63-AM89 直接抗グロブリン試験の目的はどれか。2つ選べ。

1.不規則抗体の検査
2.赤血球感作タンパクの検査
3.自己免疫性溶血性貧血の検査
4.抗体解離試験の抗体特異性の検査
5.新生児溶血性疾患の母親血清の検査

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簡易版まとめ

・クームス試薬とは、抗ヒト免疫グロブリン抗体である

直接抗グロブリン試験は、主に溶血性疾患の原因となっている赤血球に結合している自己抗体を直接検出する

間接抗グロブリン試験は、不規則抗体スクリーニングと交差適合試験など血清中の抗体を調べる

・パネル赤血球や輸血用赤血球に、患者血清を感作させ、その後クームス試薬を添加して凝集を確認する

今回の知識だけで実際に問題が解けるわけではないですが、選択肢を判断する際の基本的な知識として覚えてもらえると幸いです。

実際に問題を解く際にイメージできるようにしておきましょう!

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