B型肝炎のワクチンはHBs抗体を作る
今回はB型肝炎にピックアップして解説をしていきます
B型肝炎ウイルスは医療従事者であれば
予防のワクチンが必須です
このワクチンというのが
HBs抗体を作るためのワクチンです
B型肝炎ウイルスは3つのパーツを持つ
B型肝炎ウイルスというのは3つのパーツを持っています
s;surface =表面抗原
e;envelope =エンベロープ
c;core = 核(正確にはカプシド)

エンベロープやカプシドといった言葉は
↓以下の記事で解説しています
s;surface =表面
e;envelope =エンベロープ
c;core = 核(正確にはカプシドという)
これらのB型肝炎ウイルスが持つパーツをそれぞれ
- HBs抗原
- HBe抗原
- HBc抗原
とよんでいます
抗原を検査する意味について
以下の2つを理解していれば十分です
- HBs抗原(+)ー現在、感染している
- HBe抗原(+)ー現在、感染かつ活発に増殖中である
HBcはウイルスの内部にある構造ですので
抗原の検査をすることは難しいと言われており、覚える必要はありません
B型肝炎ウイルスの3つのパーツに対する抗体
さっき出てきた3つのパーツに対する抗体が
- HBs抗体
- HBe抗体
- HBc抗体
になります
話としてはいたってシンプルですね
感染すれば、抗原に対する抗体ができます
問題は、この3つの抗体の意味です
とにかく覚えてほしいことは2つ
1.HBs抗体は中和抗体である
HBs抗体(+)は
- 感染したことがある(現在は治癒)
- ワクチンで抗体を獲得し予防状態である
この2つの状態を意味します
同じ抗体でも、HBc抗体や、HBe抗体は
感染の防御をする力はありません
2.抗体が陽性になるのが早い順に C>E>S
抗体は中から外の順でできる
この順番で覚えておきましょう
特にIgM型のHBc 抗体は
感染初期の診断に有効です
※IgMはIgGよりも早期に作られる
感染が少し落ち着いてきたらHBe抗体が(+)になり
HBs抗体(+)になれば
ウイルスに対する抗体ができた、と言えます
これらを踏まえて実際の過去問を見ていきましょう
B型肝炎ウイルスワクチンの効果を判定する検査はどれか【MT国試】
- HBc 抗体
- HBe 抗原
- HBe 抗体
- HBs抗原
- HBs抗体
ワクチンで作る抗体は
HBs抗体です
ということで5番が正解
これはしっかり覚えてしまいましょう!
病院に臨床実習に行く人ならワクチンを打ちますからね
自分がどんな抗体を持っているか
知っていないとだめですよ~
B型肝炎で感染症の最も強い時期はどれか【MT練習問題】
1 HBs抗原陽性
2 HBs抗体陽性
3 HBc抗体陽性
4 HBe抗原陽性
5 HBe抗体陽性
感染の強い時期
このワードが出てきたらHBe抗原(+)を意味します
問題の答えは4になります
他に考えられるパターンとして
感染初期であればHBs抗原(+)、IgM-HBc(+)
治癒はHBs抗体(+)
以上の3パターンがわかれば十分でしょう
まとめ
- HBs抗原(+)-現在、感染中(感染初期)
- HBe抗原(+) -感染の強い時期
- HBs抗体(+) -感染の治癒、ワクチンで抗体獲得
- HBe抗体(+) -感染の落ち着いた回復期
以上の理解ができてればOK!!
臨床検査技師や薬剤師には必要な知識ですので
しっかり整理していきましょう!
ではでは!
↓他のウイルス性肝炎についてはこちら!
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