免疫グロブリン=Immuno globlin (Ig) =抗体
IgGやIgAなど免疫で非常に出題頻度の高い
免疫グロブリン(=抗体)の特徴について解説していきます
軽いまとめ
基本的な情報のまとめです
- B細胞が産生するタンパク質である
- 毒素やウイルスなどの抗原と結合し、中和する作用がある
- 菌などの抗原に結合し、白血球の貪食作用を促進する(オプソニン作用という)
- IgG, IgA, IgM, (IgD), IgE の5つの種類がある
実際にどういった問題として出るのかを見ていきましょう
抗体を産生するのはどれか【PT】
- 好中球
- 好酸球
- 好塩基球
- 形質細胞
- マクロファージ
免疫系の細胞の解説については
また別記事で行いたいと思っていますので
とりあえずはこの問題の
選択肢を解説していきます
必ず覚えておくべき特徴を一言で
- 好中球 →白血球の中で最も多く貪食作用をもつ
- 好酸球 →赤い顆粒が特徴で寄生虫に強い
- 好塩基球 → 花粉症やアナフィラキシーなどのアレルギーに関与
- 形質細胞 →B細胞の分化したもの、抗体産生に特化
- マクロファージ →単球が身体中の組織で役割を持ち分化したもの、貪食が強い
※ 分化:身体の中でより専門的な役割をもつように進化する、というような意味。ポケモンが進化して強くなるイメージに近い。
※ 貪食:白血球が菌を食べる、ということ。正確には取り込んで分解している。
主に抗体を産生しているのは、
B細胞と、その分化系の形質細胞(プラズマセルともいう)です
慢性炎症時に出現し、抗体を産生するのはどれか【DH】
- マクロファージ
- 形質細胞
- 好中球
- T細胞(Tリンパ球)
これは歯科衛生士さんの同様の問題ですね
T細胞は抗体を直接作っていないことには注意です
マクロファージは貪食です
次からは免疫グロブリンの種類と特徴についての問題です
IgMの特徴はどれか【DH】
- 胎盤通過性がある
- 抗原感作後に最も早く出現する
- 免疫グロブリンの中で血清中に最も多い
- アナフィラキシー型アレルギーの原因となる
免疫グロブリンには5種類ありますが
覚えるべきことはほぼ決まっています
まずは選択肢を見ていきましょう
- 胎盤通過性がある→IgGだけの特徴
- 抗原感作後に最も早く出現する→IgMだけの特徴
- 免疫グロブリンの中で血清中に最も多い→IgGが一番多い
- アナフィラキシー型アレルギーの原因となる→IgEだけの特徴
※ 抗原感作後:抗原が提示された後の意味、IgMは速攻で作られる抗体ということ
※ 胎盤通過性:名前の通り、胎盤を通過して赤ちゃんに移行する。生まれたばかりの免疫はお母さんのIgGが担っている
知らない人は最低限これは絶対覚えましょう
IgAで正しいのはどれか【DH】
- 5量体である
- 胎盤通過性がある
- 分泌型が存在する
- Ⅰ型アレルギーに関与する
続いてはIgAについて
- 5量体である→IgAは2量体である、5量体はIgM
- 胎盤通過性がある→IgGの特徴
- 分泌型が存在する→IgAの特徴!分泌型とは唾液や粘液などにも存在するということ
- Ⅰ型アレルギーに関与する→I型アレルギーは、アナフィラキシー型と同じ!→IgEの特徴
※ ○量体:2量体であれば抗体2本セット、5量体は5本セットということ。
IgA:2量体、IgM:5量体 だけ覚えればOK。
※ 分泌型:IgAの最も大きな特徴は分泌型の存在、消化器や気道を守る。
免疫グロブリンについて正しいのはどれか【PT】
- T細胞が抗原の刺激を受けて産生する
- 唾液には含まれない
- IgEはアレルギー反応に関与する
- IgMには胎盤通過性がある
- IgGは血漿中に占める割合が最も少ない
誤った選択肢は正しい答えに訂正していきましょう!
T細胞が抗原の刺激を受けて産生する B細胞- 唾液には
含まれないIgAは唾液に含まれる! - IgEはアレルギー反応に関与する ○
IgMには胎盤通過性がある 胎盤通過はIgG- IgGは血漿中に占める割合が最も
少ない
大体重要なポイントはわかってきましたね!
最後に管理栄養士さんの例題
免疫グロブリンについて正しいのはどれか
- IgMは胎盤を通過する
- IgAは唾液中に含まれる
- IgGは即時型アレルギー反応に関わる
- IgEは肥満細胞から分泌される
- IgEは免疫グロブリンの中で最も血液中濃度が高い
考えながら見ていきましょう
IgMは胎盤を通過する 胎盤通過はIgG- IgAは唾液中に含まれる ○
IgGは即時型アレルギー反応に関わる 即時型=アナフィラキシー型=I型アレルギーはIgE- IgEは
肥満細胞から分泌される→肥満細胞はI型アレルギーに関わるが、IgEの分泌はあくまでB細胞です - IgEは免疫グロブリンの中で最も血液中濃度が高い→最も多いのはIgG
【免疫グロブリン】これだけ絶対覚えよう
IgG
- 胎盤通過性がある
- 免疫グロブリンの中では最も多い
IgM
- 5量体である(5本の抗体が1セット)
- 5量体なので分子量は最も大きい
- 感染後に最も早く産生される
IgA
- 分泌型も存在する(唾液や粘液にもある)
- 分泌時は2量体である
IgE
- I型(=即時型、アナフィラキシー型)アレルギーに関与
↓アレルギーの分類についてはこちらで詳しく解説!
ちなみにIgDというのもありますが覚えなくてよいです
存在はしているけど役割はほとんどわかっていません(教科書にすらよくわからないと書いてある)
免疫グロブリンの問題は
様々な職種で頻出問題です!
覚えるべき特徴は、1つのグロブリンで1~2個程度です
必ずまとめて覚えてしまいましょう!
ではでは!
↓自律神経についてまとめ問題もあります
↓自然免疫と獲得免疫の違いとは?免疫細胞についての復習にどうぞ!
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