さて今回は、白血球の中でも
リンパ球 に絞って解説していきます!
リンパ球は獲得免疫に大きく関与しています
(※NK細胞は自然免疫の役割に近い)
↓自然免疫と獲得免疫の違いはこちらで解説しています!
大きく分けるとT cell, B cell, NK の3種類
リンパ球は以下の3種に分類されます
- T = T cell
- B細胞 = B cell
- NK細胞
さらにT細胞は
・ヘルパーT細胞(Th)
・キラーT細胞(Tc)
などの役割によってさらに分類されます
※ヘルパーとキラーの他にもいますが複雑になるため省略しています
ヘルパーT細胞はキラーTとB細胞に命令を下す
ヘルパーT細胞の最も重要な役割は
抗原提示を受けること
その上で、キラーT細胞やB細胞に指令をくだします
敵が何者かをヘルパーT細胞に報告することが
抗原提示です
まだ抗原提示されたことのない
新米ヘルパーTをナイーブT細胞
提示を受けて活性化したベテランのヘルパーTを
エフェクターT細胞と呼びます
白血球は細胞膜の表面に目印をもっています
それをCD抗原といいます
・ヘルパーT細胞はCD4+ これは覚えておきましょう
キラーT細胞は標的を直接攻撃する殺し屋
まずはキラーT細胞からです
正式名を細胞傷害性T細胞といいます
キラーT細胞の目印、CD抗原は
・キラーT細胞はCD8+ これは覚えておきましょう
キラーT細胞は異物を認識すると
標的に穴を開け
細胞死を誘発させます(この細胞死をアポトーシスという)
T細胞の中でも、細胞に直接攻撃をしかける
それがキラーT細胞です
B細胞は抗体(=免疫グロブリン)を産生
B細胞の役割は
- T細胞への抗原提示
- 抗体の産生
この2つがB細胞の非常に大きな役割です
形質細胞について
形質細胞というものがありますが
これはB細胞の上級職
すなわち
抗体産生能力に特化した、B細胞の進化系
だと思ってください!
↓免疫グロブリンについては以下の記事で詳しく解説しています
NK細胞は指令のいらない、生まれつきの殺し屋
キラーT細胞やB細胞は
ヘルパーTの司令を受けてから
異物を攻撃しますが
NK細胞は異物に出会うと即攻撃ができます
これがナチュラルキラー(生まれつきの殺し屋)
の名前の由来です
主に、がん細胞や細胞内寄生菌など
発見するとすぐさまに攻撃を開始してくれます
ヒトの免疫機構で正しいのはどれか【PT】
- B細胞は抗体を産生する
- 好中球はサイトカインを産生する
- ヘルパーT細胞は他の免疫反応の抑制に働く
- NK細胞は免疫反応の抑制に働く
- 副腎皮質ホルモンは免疫機能を亢進させる
これは即答したい問題ですね!
しかし、国試勉強で大事なのは
正解以外の選択肢もしっかり見ること!!
2.好中球はサイトカインを産生する
サイトカインについては詳しい記事でまた解説します
好中球の最も大きな役割は貪食ですので
サイトカインの産生は、リンパ球や単球、マクロファージなどが行います
3.ヘルパーT細胞は他の免疫反応の抑制に働く
ヘルパーT細胞はむしろ免疫反応を活性化しています
実は今回紹介していませんが
起こりすぎた免疫を抑制する
サプレッサーT細胞というのも存在しているのです
4.NK細胞は免疫反応の抑制に働く
NK細胞も抑制とは程遠いですね
直接、異物を攻撃する殺し屋です
5.副腎皮質ホルモンは免疫機能を亢進させる
副腎皮質ホルモンが出てきました
ここでいう副腎皮質ホルモンはいわゆる
ステロイドのことですね!
ステロイドと言えば、炎症を抑える薬
すなわち、免疫機能の抑制が正しいですね
生体の防御作用としてB細胞リンパ球が産生するのはどれか【PT】
- アセチルコリン
- 免疫グロブリン
- インターフェロン-γ
- インターロイキン-2
- 興奮性アミノ酸
免疫グロブリン=抗体のことです
この問題もB細胞の役割を知っていれば即答ですね!
チェックしておきたい言葉としては
1.アセチルコリン
これは副交感神経の伝達物質です
3.インターフェロン-γ
4.インターロイキン-2
これらはいわゆるサイトカインと呼ばれるものです
まとめ:これだけ覚えるリンパ球の役割
- B細胞は抗原提示を行う
- B細胞は抗体を産生する
- B細胞の上級職が形質細胞である
- ヘルパーTは抗原提示を受け、キラーT、B細胞に指令を出す
- キラーTは指令を受けて標的を直接攻撃
- NK細胞はヘルパーTの指令を受けずに攻撃できる
大まかな役割としてはこんな感じになります!
その反応に関わる細かい分子の名前は
詳細な解説記事を作成予定です
ではまた!
↓過剰な免疫がアレルギーに繋がります
アレルギーの解説はこちらをどうぞ
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