【5分で覚える】アレルギーの分類【Ⅰ型~Ⅳ型】練習問題あり

免疫

国家試験に狙われるアレルギーの問題のひとつに

 

分類 があります

アレルギーの原因によって4種類に分けられていますが

 

この記事の解説を読めば

 

たった5分で

 

分類を見分けることが可能になります!

 

 

 

 

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Ⅰ~Ⅳ型アレルギーの見分け方

Ⅰ型:即時型(=アナフィラキシー型)

  • 花粉症・ハウスダストによる鼻炎
  • 気管支喘息
  • 蕁麻疹

 

Ⅰ型は最も馴染みのあるアレルギーですので、覚えやすいと思います

 

Ⅰ型アレルギーの原因は

肥満細胞の分泌する、ヒスタミンという物質

これに加えて、免疫グロブリンのIgE が関与しています

免疫グロブリンのまとめはこちら↓

 

  

Ⅱ型:細胞障害型

Ⅱ型アレルギーはこのキーワードで覚えましょう

  • 溶血
  • 血液細胞が壊れる(減少)

 

 代表疾患は

  • 不適合輸血による溶血性貧血
  • 自己免疫性溶血性貧血
  • 特発性血小板減少性紫斑病
  • 薬剤性溶血性貧血
  • 顆粒球減少

 

 これらは全て免疫反応によって

血液の細胞が障害されることによって起こります

  

血液細胞が傷害され

溶血や血球系の減少が起こる

このキーワードさえ覚えておけば

Ⅱ型の判別はかんたんです!

自己免疫疾患の中で

  • バセドウ病
  • 重症筋無力症

この2つはⅡ型に分類されているので、余裕がある人はこちらも覚えてください

ちなみに

  • バセドウ病抗TSH受容体抗体
  • 重要筋無力症抗アセチルコリン受容体抗体

が出現します、どちらも自己抗体によって細胞の受容体が障害されるというわけです

 

Ⅲ型:免疫複合体型

Ⅲ型アレルギーはこの3つだけ覚えておきましょう

  • SLE(全身性エリテマトーデス
  • ループス腎炎、糸球体腎炎
  • 関節リウマチ

 

Ⅲ型は自己抗体が組織に結合し、複合体を作ってしまう

この複合体の沈着が悪さをしているパターンになります

 

仕組みを理解するよりも先に、3つはしっかり覚えてしまいましょう

キーワードとして太字を覚えればOKです

  • 全身性エリテマトーデス
  • 腎炎
  • リウマチ

 

エリテマトーデスとリウマチは自己免疫疾患として非常に有名ですね!

 

Ⅳ型:遅延型、ツベルクリン型

Ⅰ~Ⅲ型は主に抗体がアレルギーの原因となってきましたが

Ⅳ型はT細胞が原因で起きるアレルギーです

 

抗体が原因の場合は、基本的に抗原と結合して

すぐに反応が起きます

※Ⅲ型は複合体が沈着するまではやや時間がかかる

 

それらと比較して、T細胞が原因の場合はアレルギーが起きるまでに時間差があります

 

T細胞が抗原に感作され、炎症反応を起こすまでには時間がかかるからです

そのため、遅延型と呼ばれます

 

代表疾患はこちらです

  • 接触性皮膚炎(ウルシかぶれなど)
  • 金属アレルギー(ピアスなど)
  • GVHD(移植片対宿主病)
  • ツベルクリン反応
  • 橋本病

 

Ⅳ型はやや複雑ですが

皮膚炎や金属アレルギーは身近な人にいたりするかもしれませんね

 

GVHD とは、移植した臓器や細胞が、宿主(移植された人)を攻撃してしまうという状態です。移植後、数ヶ月で遅れて現れます。

 

 

さて、ざっくりとアレルギーの分類について

解説してきましたが、問題を解いていきましょう

 

国試練習問題

Ⅰ型アレルギーはどれか【PT・MT】

  1. 自己免疫性溶血性貧血
  2. ツベルクリン反応
  3. ループス腎炎
  4. アナフィラキシー
  5. 重症筋無力症

 

 

先程覚えた分類のコツを使って解きましょう

Ⅰ型:アナフィラキシー

Ⅱ型:溶血

Ⅲ型:腎炎・リウマチ

Ⅳ型:ツベルクリン、金属アレルギーなど

 

  1. 自己免疫性溶血性貧血Ⅱ型
  2. ツベルクリン反応Ⅳ型
  3. ループス腎炎Ⅲ型
  4. アナフィラキシーⅠ型
  5. 重症筋無力症Ⅱ型

 

 

 

 

Ⅳ型(遅延型)アレルギー反応について正しいのはどれか。2つ選べ【Ns】

  1. IgE抗体が関与する。
  2. 肥満細胞が関与する。
  3. Tリンパ球が関与する。
  4. ヒスタミンが放出される。
  5. ツベルクリン反応でみられる。

 

 

  

  1. IgE抗体が関与する。
  2. 肥満細胞が関与する。
  3. Tリンパ球が関与する。
  4. ヒスタミンが放出される。
  5. ツベルクリン反応でみられる。

正解は3,5

1,2,4は全てⅠ型アレルギーについてです

 

 

 

 

移植後の拒絶反応について正しいのはどれか【PT・MT・Ns】

  1. 自家移植で生じる
  2. Ⅰ型アレルギー反応である
  3. T細胞が活性化される
  4. 抗体が移植片の細胞を損傷する
  5. 宿主と移植片のHLAが一致すると起こりやすい

 

 

 

 ヒント:移植後の拒絶反応はGVHDも含みます

すなわち移植拒絶はⅣ型アレルギーを意味します

 

 

 

1.自家移植で生じる

自家移植とは、自分の組織や細胞を増やして移植すること

もともと自分なので拒絶は起こりません

 

2.Ⅰ型アレルギー反応である

Ⅰ型アレルギー反応は、肥満細胞・ヒスタミン・IgEが関与

移植とは関係ありません

 

3.T細胞が活性化される

移植拒絶反応はⅣ型アレルギー

すなわち、T細胞活性化を原因とする遅延型です

 

4.抗体が移植片の細胞を損傷する

こちらは抗体が原因の細胞障害型

つまりⅡ型を意味する説明です

 

5.宿主と移植片のHLAが一致すると起こりやすい

HLAとは自己と非自己を認識する目印のようなもの

これが一致すれば拒絶は起こりません

 

よくある骨髄移植というのはHLAが一致しなければ

拒絶反応が起こるため、できないということになります

 

 

 

遅延型アレルギーはどれか【DH・Ns】

  1. 金属アレルギー
  2. アトピー性皮膚炎
  3. アレルギー性鼻炎
  4. ペニシリンショック

 

 

 

 

 

 

  1. 金属アレルギー Ⅳ型
  2. アトピー性皮膚炎 Ⅰ型
  3. アレルギー性鼻炎  Ⅰ型
  4. ペニシリンショック  Ⅰ型

アトピー性皮膚炎はⅠ型に該当します

 

 

 

 

 

 

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まとめ

Ⅰ型:即時=アナフィラキシー型

  • 花粉症・喘息・蕁麻疹・アトピーなど身近なものが多い
  • 原因は肥満細胞の分泌するヒスタミンとIgE

  

 

Ⅱ型:細胞障害型

  • 溶血
  • 血液細胞の減少
  • 自己免疫疾患ではバセドウ病と重症筋無力症

 

 

Ⅲ型:免疫複合体型

  • 全身性エリテマトーデス
  • 腎炎
  • リウマチ

 

 

Ⅳ型:遅延型=ツベルクリン型

  • 発症までが遅い
  • T細胞が原因(炎症まで時間がかかる)
  • 金属アレルギーやうるしかぶれ
  • GVHD(移植片が宿主を攻撃する)

 

 

アレルギーⅠ型Ⅱ型Ⅲ型Ⅳ型
原因アナフィラキシー細胞障害免疫複合体遅延(T細胞)
キーワード肥満細胞・ヒスタミン・IgE溶血・細胞減少複合体の沈着T細胞が原因
代表例花粉症・蕁麻疹・アトピー溶血性疾患・バセドウ病・重症筋無力症SLE・腎炎・リウマチ接触性(金属・うるし),GVHD
表:アレルギー分類の簡単なまとめ(横にスクロールできます)

 

 

以上になります!

 

免疫についてはこのような記事も書いています

 

 

 

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