最も重要な血清電解質はNaとK
血清電解質とは
血液中に含まれるイオンのことです
血液中には様々なイオンが存在していますがその中でも
超超最重要なのが
ナトリウムとカリウムです!!
Naは細胞外、Kは細胞内に多い
ナトリウムとカリウムについて絶対に理解すべきことが
- 細胞外に多いのがNaナトリウム
- 細胞内に多いのがKカリウム
これは絶対に覚えなくてはいけません
どっちがどっちだかわからなくなりそうですよね
そんな時にはこのゴロを使ってください
ナトはそと~
カリはうち~
これでもう間違えることはないですね!
血清中のナトリウム、カリウムの基準値
血液データの基準値をしっかり覚えていきましょう
※基準値は覚えやすいように区切った値にしています
- Na:135~145 mEq/L
- K:3.5~5.0 mEq/L
※mEqはmmol濃度にイオンの価数をかけたものです
Na,Kは1価(+)のイオンなので、mmol/Lと同じです
ナトリウムとカリウムというのは
基準範囲が非常に狭い
これを覚えておきましょう
例えば中性脂肪などは基準値をオーバーしても
ちょっと脂っこいもの食べすぎたね~
くらいですみますが
ナトリウム・カリウムの電解質に関してはそうはいきません
さて、ナトリウム、カリウムの基準値を比べた時に気づくことがあります
- Na:135~145 mEq/L
- K:3.5~5.0 mEq/L
ナトリウムは100の位であるのに対して
カリウムは1の位ですね
これは血清中の濃度
すなわち、細胞外の濃度を表しているのです
血清は細胞の外です
ナトリウムのほうが実際に大きな値であることがわかりますね
追記:細胞内・細胞外に多いイオンの覚え方
細胞外に多いイオンとしては、ナトリウムの他にクロール(Cl–)
細胞内に多いイオンとしては、他にリン酸(HPO42-)
があります!
覚え方はこちらの画像をご参照ください❗
溶血の影響で上昇するのは?
赤血球が溶血してしまった場合
どのような影響が出てくるのか
これは赤血球内=細胞内の成分が
細胞外に出てくる
こう考えればよいわけです
つまり、赤血球(細胞)が破壊されると
カリウムが外に出てくる
これが溶血でカリウムが上昇する原因です
ナトリウムとカリウムは拮抗しあう
拮抗というのはシーソーのような状態ということです
基本的にはナトリウムが上がってくればカリウムは下がり
カリウムが上がってくればナトリウムは下がります
これには腎臓の尿細管による再吸収が関わっていて
再吸収はレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系によって
コントロールされています
これらのホルモンについて詳しくわからない人は
ぜひこちらの記事をご一読ください
健常者血清の測定値で溶血が考えられるのはどれか【練習問題】
Na – K (mmol/L)
- 158-6.5
- 138-6.5
- 138-4.5
- 118-4.5
- 118-2.5
答えは
- 158-6.5
- 138-6.5
- 138-4.5
- 118-4.5
- 118-2.5
ナトリウムは正常、カリウム上昇の2番です
ちなみにカリウム 6.5というのはパニック値
かなりの異常値です
5番のデータに注目してみましょう
Na 118- K 2.5
どちらもかなりの低値です
実はこのデータ一つ考えられることがあるんです
それは
- 生食などで採血した血液が薄まった可能性があること
NaとKの両方がここまで下がるということは
生理的な状態では、ほとんど死にかけていると考えるべきでしょう
もしこのデータの人が普通の状態であるならば
採血後に水が混ざって薄まった、という可能性が最も考えられます
このようにナトリウムとカリウムは
最も重要で基本的な電解質なので
ぜひ基準値と細胞内外の関係は覚えておきましょう!!
ではでは!
コメント
追記:細胞内・細胞外に多いイオンの覚え方
細胞内に多いイオンとしては、ナトリウムの他にクロール(Cl–)
細胞外に多いイオンとしては、他にリン酸(HPO42-)
内と外が逆になっています。
いつも楽しく読んでいます。
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