↓こちらの記事の続きです
副腎皮質ホルモンとその病気についてはこちらの記事をご覧ください!
コルチゾールとアルドステロンでフィードバックの仕組みは異なる
コルチゾールのフィードバックは下垂体前葉
コルチゾールが多くなってきた場合
もう出さなくていいですよ~という信号を上に送ります
これがネガティブフィードバックでしたね!
そして、コルチゾールを出している副腎皮質が
ネガティブフィードバックをするのは
下垂体前葉です!
下垂体前葉の副腎皮質刺激ホルモン(略語:ACTH)
更にその上の視床下部の副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン
ここに働きかけて副腎皮質ホルモンを出さないようにするわけです
↑視床下部のフィードバック機構についてはこちらの記事でも解説しています!
例えば、クッシング症の人では
副腎皮質ホルモンが腫瘍などの影響で
常に過剰になっています
そのため、ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)が
低下していたとしても
コルチゾールの分泌がなかなか止まらないというわけです
アルドステロンのフィードバック
一方、同じ副腎皮質ホルモンである
アルドステロンは
フィードバックの仕組みがコルチゾールと異なります
そのフィードバックの仕組みが
内分泌・ホルモン系の話で必ず出てくる
レニン – アンジオテンシン – アルドステロン系
です
まずはアルドステロンについておさらいです
アルドステロンの主な作用は
Naの再吸収促進、Kの排泄促進
その結果、血圧を上昇させることです
では血圧の変化を感知して
アルドステロンを増やしたり、減らしたりするのは
どの臓器でしょうか?
それは腎臓です

その腎臓が血液量の低下を感知すると
レニンというホルモンを分泌します
レニンは
肝臓のアンジオテンシノーゲン
というホルモンに作用し

アンジオテンシノーゲンをアンジオテンシンⅠという
ホルモンに変化させます
さらに、アンジオテンシンⅠはアンジオテンシンⅡとなり
副腎皮質に働きかけてアルドステロンを出すように刺激するんですね
まとめると
腎臓:血圧低下を感知
↓
肝臓:アンジオテンシノーゲン
↓腎臓:レニン分泌
肝臓:アンジオテンシンⅠ
↓
肝臓:アンジオテンシンⅡ
↓
副腎皮質:アルドステロン分泌
↓
血圧上昇!
アルドステロン分泌までのポジティブフィードバックの流れです
まとめ:イラストでわかりやすく理解しましょう

ネガティブフィードバックの場合はこの逆で
レニンの分泌は低下するわけですね
一度自分のノートにもまとめることをおすすめします!
レニンが分泌される臓器はどれか【Ns】
- 下垂体
- 視床下部
- 副腎
- 腎臓
- 肝臓
正解は4ですね
- レニンは腎臓
- アンジオテンシノーゲン(アンジオテンシン)は肝臓
- アルドステロンは副腎皮質
アルドステロンについて正しい文章はどれか【Ns】
- 近位尿細管に作用する
- 副腎髄質から分泌される
- ナトリウムの再吸収を促進する
- アンジオテンシンⅠによって分泌が促進される
- レニンが直接作用する
この問題はアルドステロンの役割を知っていれば
正しい答えはすぐにわかります
アルドステロンの役割は
Na再吸収を促進し、血圧を上げる
よって答えは3になります
重要なのは他の選択肢の
間違い訂正と解説
でしたね
1.近位尿細管に作用する
これは少しマニアックな話になるため無理に覚えることはありません
アルドステロンが作用するのは遠位尿細管でNa再吸収を促進します
そうなんだ~程度で理解できていれば大丈夫です
2.副腎髄質から分泌される
これはすぐに否定すべき選択肢ですね
アルドステロンは副腎皮質ホルモン!
4.アンジオテンシンⅠによって分泌が促進される
このような選択肢もでるため
レニン – アンジオテンシン系のしくみは理解しておく必要があります
アルドステロンの分泌に、直接作用するのは
アンジオテンシンⅡです
先程のイラストの図表で確認してみてください!
5.レニンが直接作用する
これもしつこいようですが
アルドステロンの分泌に、直接作用するのは
アンジオテンシンⅡです
レニンの役割は
アンジオテンシノーゲンをアンジオテンシンⅠに変えること
以上、副腎皮質ホルモンについて
国試で要チェックな部分を解説しました!
国試合格にむけて
コツコツ確実に力をつけていきましょう!
ではでは!
国家試験は地道に
かつ
効率よく行っていきたいですね
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