クッシング病とクッシング症候群の違いとは?国試レベルでわかりやすく解説!

ホルモン

クッシング病とクッシング症候群

名前は知っていても、違いをしっかり説明できるでしょうか?

それともこの2つは同じことなのでしょうか?

 

ホルモン系疾患の中でも非常に重要なクッシング病/症候群

今回の記事で詳しく解説していきたいと思います! 

 

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はじめに

本記事は医療系国家試験で問われる、クッシング病およびクッシング症候群の知識を解説する記事であり実際の検査・治療において責任を負うものではありませんのでご了承ください

 国家試験の内容としては、「臨床検査技師国家試験」向けの記事となります

 

コルチゾールについて

クッシング病とクッシング症候群は

副腎皮質ホルモンであるコルチゾールが過剰になる病気です

コルチゾールは別名:糖質コルチコイドとも呼ばれ

名前の通り、血糖を上げ、血圧を上げる作用があり

ストレス応答によって分泌促進されることも特徴です

 

副腎皮質ホルモンには他に、アルドステロンがあります

これは別名:鉱質コルチコイドとも呼ばれ

ナトリウムの再吸収を促進し、血圧を上げるのが主な作用です

 

一方で、これら2つの副腎皮質ホルモンが減少する疾患

アジソン病です(副腎皮質機能低下症

↓この3つの病気の簡単な理解については以下の記事がおすすめです!

 

コルチゾールの分泌の仕組みとフィードバック

コルチゾールの分泌系は以下の通りです

視床下部:副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン

下垂体前葉:副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)

副腎皮質:コルチゾール

 

コルチゾールが過剰になると

ネガティブフィードバックによって

ACTHの分泌が減少し、コルチゾール分泌を抑制します

 

コルチゾールが低下すると

ポジティブフィードバックによって

ACTH分泌が増加し、コルチゾール分泌を促進します

 

これが副腎皮質刺激ホルモン ー コルチゾールの

基本的な分泌の流れになり、

クッシング症候群とクッシング病の理解に超重要です

 

ちなみにもう一つの副腎皮質ホルモンである

アルドステロンは、レニンーアンジオテンシン系という

別の経路によって管理されています

↓こちらの記事で勉強できます!

 

 

クッシング病とクッシング症候群

この2つはいずれもコルチゾールが過剰になりますが

結果は同じでも、原因やその過程が異なります

簡単にまとめると

クッシング病:下垂体のACTH過剰が原因(下垂体腺腫が多い)

クッシング症候群:クッシング病を含む、コルチゾール過剰になる症状全体を指す

 

まずはクッシング病の理解からです

 

クッシング病は下垂体前葉から分泌される

副腎皮質刺激ホルモン:ACTH が過剰になる病気です

その結果、ACTH過剰分泌がコルチゾールの過剰分泌に繋がります

コルチゾールが過剰なので、ネガティブフィードバックをかけて

ACTHを減らしたいのですが、下垂体腫瘍などが原因のため抑制が効きません

 

次にクッシング症候群ですが、

コルチゾール過剰になる大きなくくりを指す言葉なので

クッシング病もこれに含まれます

では、他にはどのようなパターンが有るのか

 

・下垂体以外の腫瘍からのACTH分泌(異所性ACTH症候群)

肺小細胞癌やカルチノイド腫瘍など、下垂体とは別の場所からACTHが分泌されます。

・副腎腫瘍によるコルチゾール過剰分泌(ACTH非依存性)

副腎の腫瘍から直接コルチゾールが過剰に分泌されるような状態です。ACTHの有無に関わらず分泌されるため、ACTH非依存性クッシング症とも言われます。

 

選択肢に出てくるクッシング症候群は、主にクッシング病を指すことが多いですが

このように、パターンがあることは覚えておきましょう

 

クッシング症候群の徴候と症状

コルチゾールが過剰になることで起きる症状には

  • 血糖値の増加
  • Na再吸収、K排泄
  • 上記によって、高血圧

などの症状があります

 

クッシング症候群に特徴的なものとして

  • 満月様顔貌(ムーンフェイス)
  • 肥満(体の中心から脂肪がつく、中心性肥満)
  • 野牛肩(肩への脂肪沈着)

などがあります

 

以上を踏まえて過去に出ている問題をピックアップします

「数十メートルは歩いて行ける遠浅の西の浜」の写真

MT61-AM14 疾患と血中濃度が上昇するホルモンの組合せで正しいのはどれか。

1.Addison 病  ー 副腎皮質刺激ホルモン
2.Basedow 病  ー 甲状腺刺激ホルモン
3.尿崩症  ー バソプレッシン
4.橋本病  ー 副甲状腺ホルモン
5.副腎性 Cushing 症候群 ー アルドステロン

 

この問題の選択肢は全て非常に重要な

ホルモン関連の疾患です

各選択肢をきちんと説明できればホルモンの理解はだいぶ進んでいるといえます

 

1.Addison 病 ー   副腎皮質刺激ホルモン =ACTH増加

アジソン病は副腎皮質機能低下症ともいいます

副腎皮質ホルモンが低下しているため、ポジティブフィードバックによって

副腎皮質刺激ホルモンが上昇します

フィードバックの仕組みはどのホルモンも基本的な考え方は同じです

この問題の正解は1になります

 
2.Basedow 病  ー 甲状腺刺激ホルモン=TSH低下

バセドウ病は甲状腺機能亢進症、T3,T4が高値になる

ネガティブフィードバックによって、甲状腺刺激ホルモンは低下

3.尿崩症  ー バソプレッシン =ADH低下

尿崩症はバゾプレシン(=抗利尿ホルモン=ADH)分泌が低下するため多尿を引き起こす

4.橋本病  ー 副甲状腺ホルモン 無関係

橋本病は副甲状腺には直接の影響を及ぼしません


5.副腎性 Cushing 症候群 ー アルドステロン 無関係

Cushing症候群は、コルチゾールの過剰増加です

副腎性というのは

副腎腫瘍によるコルチゾール過剰分泌(ACTH非依存性)

を表しています

コルチゾール過剰であることから、ネガティブフィードバック

によってACTHは低下していると考えられます

アルドステロンの過剰分泌は原発性アルドステロン症などがあります

 

MT62-AM42 病態と血中濃度が低下するホルモンの組合せで正しいのはどれか。

1.尿崩症 ー レニン
2.橋本病 ー カルシトニン
3.Addison 病 ー ACTH
4.Basedow病 ー TSH
5.Cushing 症候群 ー コルチゾール

この問題も超重要問題ですね

低下する組み合わせであることに注意しましょう

 

1.尿崩症 ー レニン 軽度上昇

尿崩症は抗利尿ホルモン(=バゾプレシン=ADH)の分泌が低下する病気です

尿崩症は水分ばかりが外に出ていってしまう病気で尿浸透圧が低下します

そのため、血圧を上げるアルドステロンの上流にあるレニンは軽度の上昇を示すと考えられます


2.橋本病 ー カルシトニン

橋本病は慢性甲状腺炎ともいいます

カルシトニンは甲状腺から分泌されるホルモンですが

甲状腺ホルモンであるT3, T4とは分泌場所も異なります

橋本病では甲状腺機能が低下し、T3, T4は減少しますが

カルシトニンは直接の影響は受けにくいと言えます 

ちなみにカルシトニンが増加する疾患

カルシトニンが腫瘍マーカーとされる癌に、甲状腺髄様癌というのがあります

 

3.Addison 病 ー ACTH 増加

アジソン病は先程の問題と同じですね

丸暗記するのではなく、

アジソン病は副腎皮質機能低下症である

→副腎皮質ホルモンは低下する

→上流の、副腎皮質刺激ホルモンACTHが増加する

このように順を追って考えることで病態を理解すれば

無理な暗記が必要なく、知識を習得できます


4.Basedow病 ー TSH 低下

バセドウ病は甲状腺機能亢進症である

→抗TSHレセプター抗体によって、甲状腺ホルモンが過剰

それを抑えようと、上流の甲状腺刺激ホルモン:TSHは低下する

正解は4ですね

 
5.Cushing 症候群 ー コルチゾール 増加

クッシング症候群ではコルチゾールが増加する

これはそのままでOKですね

 

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まとめ

・コルチゾールが増加する症状、全体を指してクッシング症候群という

・クッシング症候群の中でも、下垂体腫瘍による副腎皮質刺激ホルモン:ACTHの過剰によるものをクッシング病という

クッシング症候群には他に

下垂体以外のACTH産生腫瘍による異所性ACTH症候群

副腎腫瘍によるコルチゾールの過剰分泌(=副腎性クッシング症候群)などがある

クッシング症候群に特徴的な所見として

  • 満月様顔貌(ムーンフェイス)
  • 肥満(体の中心から脂肪がつく、中心性肥満)
  • 野牛肩(肩への脂肪沈着)

などが挙げられる

 

↓ 他、わかりやすいホルモンのおすすめ記事です♪

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