視床下部は下垂体よりも上位にある
先に下垂体前葉と後葉の話を書いています
↓下垂体 前葉
↓下垂体 後葉
下垂体ホルモンを覚えたら
各組織のホルモンの解説に移りたいのですが
その前に、下垂体に命令を下している
視床下部についてやっていく必要があります
下垂体ホルモンのおさらい
前葉(キーワードは刺激と性と成長)
・副腎皮質刺激ホルモン
・甲状腺刺激ホルモン
・卵胞刺激ホルモン
・黄体形成ホルモン
・成長ホルモン(Growth hormone)
・プロラクチン
後葉
・バゾプレッシン(抗利尿ホルモン)
・オキシトシン
特に視床下部がコントロールしているのは
前葉のホルモンです
視床下部ホルモンの役割は司令塔
視床下部の役割は
「下垂体前葉ホルモンを分泌してくれ~」
もしくは
「下垂体前葉ホルモンを分泌しなくていいよ~」
下垂体前葉ホルモンが足りない場合、出し過ぎの場合に
命令を出す必要があります
その命令を伝えるためのホルモン
それが視床下部から分泌されるホルモンです
覚え方はシンプルです
- 〇〇ホルモン放出ホルモン
- 〇〇ホルモン抑制ホルモン
放出ホルモン – 出してくれ~という命令
抑制ホルモン – 出さなくていいよ~という命令
シンプルにこの2つです
視床下部 → 下垂体前葉への命令 → 組織で分泌
視床下部ホルモン→下垂体ホルモン分泌の
一連の流れをまとめます
・副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン→副腎皮質刺激ホルモン
・甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン→甲状腺刺激ホルモン
・性腺刺激ホルモン放出ホルモン→卵胞刺激ホルモン
・性腺刺激ホルモン放出ホルモン→黄体形成ホルモン
・成長ホルモン放出ホルモン・抑制ホルモン→成長ホルモン
・プロラクチン放出因子・抑制因子→プロラクチン
(プロラクチンの放出と抑制は因子という名前になってます)
※成長ホルモン抑制ホルモンはソマトスタチンという別名もあります
ソマトスタチンは膵臓などでも分泌されています
とにかく名前が長いです(笑)
しかし、役割はシンプル
基本的な流れは
視床下部 – 下垂体ホルモンを分泌するための司令塔
下垂体前葉 – 視床下部の指令により、各臓器に刺激を与える
各組織 – その組織で分泌しているホルモンを実際に出す
例えば、身体が甲状腺ホルモンを必要としている場合
視床下部:甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンが分泌され
↓
脳下垂体前葉:甲状腺刺激ホルモンを分泌
↓
甲状腺:甲状腺ホルモンを分泌
※副腎皮質刺激ホルモンや性腺刺激ホルモンでも同様です
イメージ図で整理するならば
こんな感じ!
もしも最低限覚えるなら…
もう国試まで時間がない、そんな人におすすめの
最低限、応急処置として覚えるべきことです
視床下部 – ○○ホルモン放出ホルモン
下垂体前葉 – ○○ホルモン刺激ホルモン+成長ホルモン+プロラクチン
下垂体後葉 – バゾプレシン+オキシトシン
本当に時間がない人はこれを覚えるだけでも
問題を解ける可能性は十分あります
勉強時間に余裕がある人も
まずこの法則を覚えてしまう
国試の鉄則は覚えやすく・わかりやすいことから覚える
そこにあとから、覚えきれなかった知識を肉付けしていく
点数を伸ばすのはそこからです
【重要事項】フィードバックについて
フィードバックについて簡単に説明します
(フィードバックはホルモン全体のまとめ記事を、今後更新予定です)
甲状腺や、副腎皮質、性腺のように
実際にホルモンを出している臓器
いつまでホルモンを出せばよいでしょうか?
組織がもう十分だと感知した場合
今度は上に報告をするんですね
甲状腺「ホルモン十分出ました!」
下垂体「わかりました、刺激ホルモンはもういりませんね
放出ホルモン止めるようにお願いします」
視床下部「わかりました、放出ホルモン止めましょうか」
これで結果的に
甲状腺ホルモンの分泌が止まる
組織で出すホルモンを減らしてほしい場合を
負のフィードバック
または
ネガティブフィードバック
といいます
逆に
足りなくなってきたので分泌させてください~!
という報告をする場合は、
正のフィードバック
または
ポジティブフィードバックというわけです
下垂体後葉バゾプレシンの場合
バゾプレシンは
バゾプレシンの影響を受けている組織
=腎臓の尿細管
が、もう出さなくていいです!
と下垂体後葉に直接ネガティブフィードバックをします
ホルモンと産生部位の組合せで誤っているのはどれか【国試例題MT】
- 副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン ― 視床下部
- 甲状腺刺激ホルモン ― 視床下部
- 卵胞刺激ホルモン ― 下垂体前葉
視床下部では〇〇放出ホルモン
下垂体前葉は〇〇刺激ホルモン
この法則を知っていれば
2が誤りだとわかりますね
視床下部のホルモンについての解説をしました
視床下部
下垂体
ときて、いよいよ
各種組織、臓器のホルモンの各論(例題つき)
の記事に入っていきたいと思います
本日もおつかれさまです
ではでは!
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