血液が苦手な人向け
もしくは
血液系は好きなんだけど中々問題解くのが難しい!
という人向けの基礎的な記事です
それぐらいのこと知ってるよ!
という人はどんどん専門的な問題を解いていきましょう!
赤血球関連で覚えるべきこと
英語では Red Blood Cell(RBC)
もしくは Erythrocyte
と言います
基準値:RBC と Hb
赤血球数の基準値です
※あくまで目安です
男:400万~500万 個/ μL
女:350万~450万 個/ μL
1マイクロリットルあたり
ということは覚えておきましょう

それよりも大事なのはヘモグロビン(Hb)の濃度です
なぜならヘモグロビン濃度が貧血の基準となるからです
ヘモグロビン・貧血の基準
男:13 g/dL 未満
女:12 g/dL 未満
この値を下回っていると
貧血 の可能性が出てきます
ヘモグロビンは赤血球に含まれるタンパク質で
鉄 Fe 原子を含みます
鉄を含むタンパク質をヘムタンパク質と言います
主なヘムタンパク質には他に
- トランスフェリン(鉄の輸送タンパク)
- フェリチン(鉄の貯蔵タンパク)
この2種類があります
赤血球の再利用とHbA1cについて
赤血球の寿命は120日です
半減期は60日となります
2ヶ月でおよそ身体の半分の赤血球は
新しいものと入れ替わっているということですね!
ちなみに古い赤血球を壊すのは脾臓という臓器です
そして壊された赤血球やヘモグロビンは再利用されますが
そこで出てくるのがビリルビンです
半減期を利用して、
1~2ヶ月前の血糖状態を把握するのが
ヘモグロビンA1c(HbA1c)です
これは糖尿病診断の指標となりますので
こちらの記事で詳しく勉強しましょう!
造血する場所とホルモン
血液を作っているのは骨髄です

骨髄には
・造血の盛んな赤色髄
・造血機能がほぼ無い黄色髄(脂肪髄)
の2種があり、特に赤色髄が豊富なのは
腸骨と胸骨です
いわゆる骨髄穿刺は、腸骨から行うことが多いです
赤血球を増やすホルモンが
- エリスロポエチン
です
赤血球の別名:エリスロサイト(Erythrocyte)
から名付けられていることがわかります
このエリスロポエチンを産生するのが
腎臓なんです

腎臓がなぜ血液を作るホルモンを出すのか?
腎臓は血液を濾過する臓器です
そのため体内の水分量に非常に敏感なのです
循環血液量が少なければそれを感知して
エリスロポエチンを産生します
腎不全などで腎機能が低下すると
エリスロポエチンによる貧血が起こり
これを腎性貧血といいます
細胞としての特徴

赤血球の細胞としての特徴は
- 核がないこと
赤血球は幼若な頃は赤芽球と呼ばれ
赤芽球が脱核し、成熟した赤血球になるのです
このエピソードは「はたらく細胞」でも有名なところかと思います
まとめ
- 貧血の基準はヘモグロビン(男:13g/dL,女12g/dL)
- 古い赤血球を脾臓で壊し、ヘモグロビンはビリルビンになる
- 赤血球の半減期は60日で、HbA1cはこの1,2ヶ月の血糖値の目安となる検査値
- 造血の盛んな赤色髄は腸骨と胸骨に豊富
- 造血ホルモン:エリスロポエチンの分泌は腎臓
- 赤血球には核がない
- 幼若な赤芽球が脱核し、成熟赤血球になる
赤血球だけを考えてみても色々な知識に派生していきます
血液の知識の整理が苦手な人のために
少しでも力になれれば幸いです
ではでは!
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