ウイルス・細菌・真菌の違い 国家試験で狙われるポイントを解説!【臨床検査技師国試対応】

微生物学

最近では色々なところで、

細菌とウイルスの違いについて 

説明を見かける機会が多くなりました

 

細菌・ウイルスの知識は

医療系国家試験でも出題頻度が高い問題ですが

 

さらに、臨床検査技師国家試験では

・いわゆるカビなどの真菌

・細菌の中でも細胞内寄生の菌など

・出題頻度の高いマイコプラズマ

など一口に菌と言っても

押さえておかなければいけない知識が多くあります!

 

 

この記事では以下のことを学べます!

  • 細菌と真菌の違い
  • 偏性細胞内寄生菌について
  • マイコプラズマについて
  • ウイルスで押さえるべき特徴

 

それでは、要点を絞ってわかりやすく解説していきたいと思います!

※ 重要なキーワードについては赤文字で示します

※初心者向けの大枠をつかむための記事になっています

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細菌は原核生物・真菌は真核生物

まずは、細菌と真菌の違いについてです

 

真菌というのはいわゆるカビのことです

(ちなみに真菌は、大きく分けると糸状菌酵母様真菌に分けられますが詳細はまた別の機会に!)

 

真菌は真核生物である

これは絶対に覚えておいてください

細菌と一緒の原核生物であると勘違いすることが多く

国家試験で非常に狙われやすい部分です

 

まずは原核生物と真核生物の違いについてまとめていきます

原核生物とはいわゆる細菌

一方で、真核生物はヒト・動物の細胞、真菌、原虫(寄生虫)、など細菌以外の生物と思ってください

 

核(核膜)の有無

原核生物と真核生物の一番の違いは

・原核生物には核(核膜)がない

・真核生物は核(核膜)がある

細胞核のイラスト

まずはこれですね

 

共通点として、原核生物も真核生物もDNAとRNAを持っています

一方で、ウイルスはDNAかRNAのどちらか片方を持ちます

 

遺伝子(DNAとRNA)が核膜に包まれているのが真核生物

核膜がなく、細胞質内に遺伝子が存在しているのが原核生物

 

こんなイメージでOKです!

 

rRNA(リボソームRNA)の違い

原核生物と真核生物の違いで聞かれることに

rRNA(リボソームRNA)があります

rRNAを構成するパーツに違いがあります

原核生物(細菌・古細菌など)

70Sリボソーム:50S、30Sサブユニット:5S、23S、16S rRNA

・真核生物(細胞・真菌・原虫など)

80Sリボソーム:60S40Sサブユニット:28S18S5.8S5S rRNA

覚えるのはSの前にある数字です

ざっくりした覚え方として真核生物のリボソームは偶数が多い(特に8)

↓詳しくはこちらの記事で解説しています

 

 

細胞内偏性寄生菌について

細胞内偏性寄生菌とは

細胞内に寄生することでしか生きられない菌で、具体的には

  • リケッチア
  • クラミジア

の2種類を指します

また、菌ではありませんが、細胞内でしか生きられない

という意味では、ウイルスも偏性細胞内寄生性と言えます

 

以下にリケッチアとクラミジアの押さえておくべき特徴をまとめます

リケッチアの特徴

  • 人畜共通感染症でありダニやシラミなどを介して感染する
  • ツツガムシ病を引き起こすOrientia tsutsugamushi もリケッチア属
  • 種によって、紅斑熱や発疹熱を引き起こす
  • リケッチア患者に出現する異好抗体を検出するのがワイルフェリックス反応

 

・クラミジアの特徴

  • STD(性感染症)を引き起こすのはChlamydia trachomatis
  • オウム病はChlamydophila (Chlamydia) psittaci 
  • クラミジア肺炎はChlamydophila (Chlamydia) pneumoniae
  • クラミジアはエネルギー産生を完全に宿主に依存する(=エネルギー産生系を持たない)

 

選択肢で出てきやすい特徴を簡単にまとめました!

 

マイコプラズマについて

ここで、細菌の中で最も小さいという特徴をもつマイコプラズマについてです

どのくらい小さいかというと

ろ過滅菌のフィルタ (0.22 μm=約220 nm) を通過します

通常の細菌は1~5 μm程度です

 

マイコプラズマについても押さえるべき特徴をまとめます

  • ろ過滅菌フィルタを通過する
  • 主症状は肺炎
  • 細胞壁がない
  • 感染すると寒冷凝集素の出現頻度が高い(ただし、特異的ではない)

細胞壁がない、というのは狙われやすいです

(細胞壁がないということは、βラクタム系抗菌薬が効かないということです)

※勘違いされやすいですが、偏性細胞内寄生性ではありません。PPLO培地という培地で時間はかかりますが培養が可能です。

 

ウイルスの特徴

コロナウイルスのイラスト

・ウイルスの基本構造について

  • 核酸をもつ(DNAかRNAのどちらか
  • カプシド(核酸を包んでいる殻、タンパク質でできている)

この2つを合わせてヌクレオカプシドといいます

そして、ヌクレオカプシドの外側にエンベロープという脂質の膜を持ちます

エンベロープは脂質のため、アルコールが有効です

 

ただし、エンベロープを持たないウイルスもおりアルコールが効きません

最も有名なのはノロウイルスですね

インフルエンザウイルスやコロナウイルスはアルコールが有効ですから、エンベロープをもっているというわけです

(B型肝炎ウイルス:HBVだけはエンベロープを持ちますが、アルコールが効きにくいです)

 

ウイルスは細菌と異なり、細胞壁、エネルギー産生系、リボソームなどはありません

 

まとめ表

今までまとめたものを、簡易的な表にしました!

あくまで初心者用の表ですが、参考になれば幸いです。

kokushikakekomi.com (転載禁止)

※真菌は一般細菌と同じ枠に入りますが、真核生物であることに注意しましょう

 

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