医療系国家試験の解説サイト
国試かけこみ寺です!
今回は、聞かれると、
地味に思い出せない
rRNA(リボソームRNA)のサブユニットの種類について
ゴロを使わずに覚える方法を解説します!
※ 本記事は臨床検査技師国家試験を想定した解説記事です
結論を先に言ってしまうと
真核生物は偶数、原核生物は奇数
これがrRNAの違いをざっくり覚えるコツです
rRNAとは(リボソームRNA)
まず根本的な話として、RNAには3つの種類があります
- mRNA ー転写・翻訳の主役
- tRNA ー翻訳時にアミノ酸を運ぶ
- rRNA ーリボソームを構成するパーツ
このように役割によって別れています
mRNAやtRNAの知識は遺伝子の分野で問われますが
rRNAが問われるのは微生物分野です
リボソームはmRNAの情報から実際にタンパク質を作り出す役割があります
通常、タンパク質合成は小胞体上で行われています
リボソームが乗っている小胞体を粗面小胞体
リボソームがないツルツルの小胞体を滑面小胞体といいます
(ちなみに滑面小胞体はタンパク質ではなく脂質合成の場です)
リボソームはいくつかのパーツに別れており
そのパーツをrRNAのサブユニットといいます
サブユニットは雪だるまの上下のように
大ユニット、小ユニットに分かれているイメージです
原核生物と真核生物について
今回の本題です!!
原核生物とはいわゆる細菌のことで
核(核膜)がない、細胞壁をもつなどの特徴を持ちます
一方で、真核生物とは動物やヒトなどの細胞などを指します
核があり、細胞壁はありません
一つ、注意点です!
菌といっても、真菌(いわゆる、カビ)は真核生物です!
(でも菌なので細胞壁はあります)
そして、原核生物と真核生物では
もっているrRNA(リボソームRNA)の種類(サブユニット)が異なります
原核生物と真核生物の rRNAの覚え方!
まずはそれぞれのサブユニットの種類を羅列します
・原核生物(細菌・古細菌など)
70Sリボソーム:50S、30Sサブユニット:5S、23S、16S rRNA
・真核生物(細胞・真菌・原虫など)
80Sリボソーム:60S、40Sサブユニット:28S、18S、5.8S、5S rRNA
実は数字を眺めると気づくことがあります
それは、真核生物のリボソームは偶数が多い(特に8)、ということ
80, 60, 40, 28, 18, 5.8
一方で原核生物は奇数です
70, 50, 30, 23, 16(16のみ例外で、偶数で原核生物です)
※ 0がついているものは0を無視して法則に当てはめる
ちなみに、5S rRNAは、どちらにも共通していることもわかります
近年ではこういったかなり細かい部分の話も問われますが
このように、法則性を見つけて、ざっくりでもいいので
覚えるようにしましょう!
↓その過去問がこちらです
65回 臨床検査技師国試 午後問4 真核生物の rRNA でないのはどれか。
1. 5s rRNA
2.5.8s rRNA
3. 16s rRNA
4. 18s rRNA
5. 28s rRNA
正解は3.16sだけ原核生物です
5sは共通、8がつくものは真核生物
この法則で解くことができますね!
この問題は新傾向の問題です
今後、rRNAの種類について答えられるよう
ざっくり偶数の法則で覚えておくと良いでしょう
まとめ
原核生物(細菌・古細菌など)のもつリボソームのパーツ
70S、50S、30S、23S、16S、5S
真核生物(細胞・真菌・原虫など)のもつリボソームパーツ
80S、60S、40S、28S、18S、5.8S、5S
ざっくりでOK!真核生物のリボソームは偶数の法則で覚えよう!
・偶数、8がつくのは真核生物
・16sだけ原核生物
・5sは共通
細かい知識になりますが、今後の出題の可能性も考えて
簡単にでいいので、覚えておきましょう!
ここまで読んで頂きありがとうございます!
コメント