リポ蛋白(リポタンパク)について、国試レベルの知識をわかりやすく解説!【臨床検査技師】

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国試かけこみ寺です!

 

今回は、「臨床化学」の脂質の分野

特に、リポ蛋白について

国家試験に必要な最低限の知識

わかりやすく解説していきたいと思います!

 

※ 臨床検査技師国家試験を想定しています

 

「小豆あんの回転饅頭」の写真
リポ蛋白は例えるならば、中に餡の入ったまんじゅうのようなもの

この記事を読むと、

  • リポ蛋白の分類
  • アポ蛋白の特徴
  • 脂質異常症の種類(ゴロ合わせあり)

主にこの3点について学ぶことができます!

 

それでは早速いってみましょう!

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リポ蛋白とは

リポ蛋白(Lipoprotein:リポプロテイン)とは、

  • Lipid(脂質
  • Proteinタンパク質

からきている言葉です

 

そもそも、脂は水(血液)に溶けることができません

そのために、

  • タンパク質
  • 水にも脂にも馴染むリン脂質

この2つの力を借りて、

本来水に溶けにくい脂を血液中で運ぶ仕組みリポ蛋白だと思ってください!

 

リポ蛋白を構成するものには以下のものがあります

  • 中性脂肪(トリグリセリド、トリアシルグリセロールともいう)
  • エステル型コレステロール
  • 遊離型コレステロール
  • リン脂質
  • アポ蛋白

※ 上にあるほど脂っぽく、下にあるほど水に溶けやすい

※ アポ蛋白はあとで説明しますが、リポ蛋白を外側から守る蛋白で、これは脂質ではありません

リポ蛋白は脂っぽいものを中心に、

水に溶けやすいものを外側にして血液中に存在しています

 

リポ蛋白のイメージ

つまり、脂っぽい中性脂肪やエステルコレステロールを中心

水に溶けやすいリン脂質やアポ蛋白を外側にして

血液中で脂質を運んでいるということになります

 

リポ蛋白の種類を覚えよう

リポ蛋白には大きく分けて5種類があります

  • CM (カイロミクロン)
  • VLDL (超低比重)
  • IDL (中間比重)
  • LDL (低比重)
  • HDL (高比重)

この5種類の違いは

含有する脂と蛋白の割合です

簡単にいうと、上にあるものほど中性脂肪が多く

下にあるものほど、アポ蛋白・リン脂質が多い

というイメージを持ってもらえればOKです

ここまでの簡単なまとめ

脂というのは水より軽いため、

脂が多いということは比重は軽くなります

一方で、脂の粒子は大きいため、粒子の大きさは大きくなります

これは例えるならば、

  • カイロミクロンはビーチボール
  • HDLは野球ボール

を想像するとわかりやすいかなと思います

ビーチボール:LDLは大きいけど密度が低い、野球ボール:HDLは小さいけど密度が高い

ちなみにリポ蛋白を電気泳動した時の

バンドの分画を聞かれることがあります

電気泳動ではプラス側から

HDL・VLDL・LDL・CM

となり、カイロミクロンを原点とし、

HDLをα分画、VLDLをpreβ分画、LDLをβ分画、と呼びます

 

 

リポ蛋白はどのように作られるのか(流し読みでOK!)

ここに書く話は、脂が吸収されて、どのようにリポ蛋白になっていくのかという話です

少し細かい部分になってきますので、流し読みでもOKです! 

 

リポ蛋白は、脂を血液中に運ぶための仕組みです

その脂のおおもとは、食事からです

食事で摂る脂の大部分は、中性脂肪(TG:トリグリセリド)です

小腸のアイコン(内蔵)

脂はこのままでは血液中に吸収できません

そのため脂は吸収されると、リンパ管に入ります

 

このとき、小腸で初めに作られるのがカイロミクロンです

食事で摂った中性脂肪は、

小腸でカイロミクロンに変換されます

ここをしっかり押さえていればOK!

 

そして、カイロミクロンは

徐々に分解され肝臓へ向かいます

カイロミクロン中の中性脂肪はLPLで分解されていきます

※ LPLは酵素名です、後に説明します

  

この徐々に分解されていったカイロミクロンをカイロミクロンレムナントと言います

※ レムナントとは(分解された)残り物という意味です

 

健康な肝臓のキャラクター

そして、肝臓にはカイロミクロンレムナント受容体があり

カイロミクロンレムナントは肝臓に取り込まれ

 

必要に応じて、VLDL・IDL・LDL・HDLと姿を変えていくのです

5種類のリポ蛋白はそれぞれが別々のものではなく

 

脂と蛋白の構成比率を変えながら、変化していくものだと思いましょう!

 

※ 本項目は脂質の体内動態をおおまかにわかりやすく解説するため、細かい説明を省いています。詳細については各自の教科書でしっかり確認することをおすすめします。

 

アポ蛋白の特徴を覚えよう

さて、これまではリポ蛋白の話をしてきたわけですが

一番外側にある、アポ蛋白についてお話します

 

名前が似ていてややこしいですが、アポ蛋白は

リポ蛋白を構成する脂ではなく、タンパク質です

 

アポ蛋白があることによって、水に溶けやすくなるだけではなく

肝臓への取り込み、その後の構造変化などが可能となります

 

国家試験レベルでアポ蛋白についてまとめます

カイロミクロン、LDL、HDLなど

種類によって、多く含まれるアポ蛋白が異なるのがポイントです

 

アポ蛋白の特徴

  • アポAⅠ:LCAT活性化。HDLに豊富
  • アポAⅡ:LCAT抑制。HDLに豊富
  • アポB48:小腸からの吸収に必要。カイロミクロンがもつ
  • アポB100:LDL受容体への結合。LDL, IDL, VLDLがもつ
  • アポC-Ⅱ:LPL活性化。ほぼ共通でもつ。
  • アポC-Ⅲ:LPL抑制。ほぼ共通でもつ。
  • アポE:レムナント受容体への結合(リガンド)。ほぼ共通でもつ。

※ LCAT;レシチン-コレステロールアシルトランスフェラーゼ:遊離型コレステロールをエステルコレステロールにする酵素

※LPL;リポプロテインリパーゼ:カイロミクロン中の中性脂肪を分解する酵素

 

とりあえず最低限覚えるべきなのは

・アポAがHDL

・アポB48はカイロミクロン

・アポB100はLDL、IDL、VLDL

この3点です

 

LCATやLPLといった酵素は

リポ蛋白が構造変化をするために必要な酵素という解釈でひとまずOKです

 

次の項目では、これらリポ蛋白に異常が生じる脂質異常症について解説していきます

 

 

脂質異常症のWHO分類(ゴロ)

脂質異常症とは遺伝などが原因で

特定のリポ蛋白が増加してしまう病気を指します

そして、増加するリポ蛋白によって

5タイプに分けられています

 

暗記するしかありませんので 

覚え方のゴロを紹介します!

 

Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ,Ⅴ!カLIV(カリブ)海でV(ブイ)

Ⅰ:カイロミクロン

Ⅱ:LDL

Ⅲ:IDL

Ⅳ:VLDL

Ⅴ:カイロミクロン+VLDL

  

※Ⅱ型にはⅡaとⅡbがあり、ⅡbはLDL+VLDLです

※Ⅰ型は家族性高トリグリセリド血症などとも呼ばれます

 

 

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実際の国試過去問

MT66回 AM40: リポ蛋白について誤っているのはどれか。

1.HDL は LDL よりも蛋白質含量が高い。
2.IDL は LDL と VLDL の中間の比重をもつ。
3.カイロミクロンは VLDL よりも粒子サイズが大きい。
4.VLDL はカイロミクロンよりもトリグリセライド含量が低い。
5.LDL はアガロースゲル電気泳動法で VLDL よりも陽極側に移動する。

解説は以下の記事で行っています!

↓こちらの記事です

 

リポ蛋白はとっつきにくい部分もありますので

記事を何度か読んで頂き

お手持ちの教科書の図などと合わせて見てみてください!

少しでも勉強の手助けになれば幸いです

 

今回もここまで読んで頂きありがとうございます!

 

 

↓脂質系の関連記事はこちらです!

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