【第65回臨床検査技師国家試験】PM1, 2, 4, 6, 7の問題をわかりやすく解説

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国試かけこみ寺です!

平成31年2月20日(水)に実施された

第65回臨床検査技師国家試験問題について

一部の分野をわかりやすく解説していきます!

問題(+別冊)と解答は厚生労働省のHPで公開されています

※以下の問題の出典は全て、厚生労働省のホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp190415-07.html)で公開している問題を引用しています。

問題に対する解説は国試かけこみ寺のオリジナルとなります。

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MT65-PM1 全血を室温で放置した場合、時間とともに低下するのはどれか。


1.LD
2.AST
3.血清鉄
4.カリウム
5.グルコース

検体の保存方法の問題です

検体の保存条件は冷蔵・室温全血・血清・血漿などあるため

問題文をしっかりチェックしましょう

今回は、全血の場合なので赤血球の影響をまず考えます

さらに室温であるため、赤血球は代謝をしています

 

この影響で低下するのは、5.グルコースです

室温では赤血球が代謝し、解糖系が進行するためです

これを防ぐには、

・フッ化ナトリウム(NaF):解糖系酵素エノラーゼを阻害する

・冷蔵保存:低温で赤血球の代謝を停止させる

などが有効です

 

1.LD
2.AST
3.血清鉄
4.カリウム 

これらは赤血球内に多く存在し

溶血などで上昇します

さらに、4. カリウムは冷蔵保存でも上昇します

この理由は、冷蔵(4℃)低温では、

ナトリウム-カリウムチャネルの停止によって

赤血球内のカリウムが漏れ出すためです

 

MT65-PM2 試験紙法で尿蛋白が陽性のとき原因として誤っているのはどれか。


1.妊 娠
2.発 熱
3.強酸性尿
4.激しい運動後
5.起立性腎うっ血

 

尿試験紙法による蛋白質検出の原理は、蛋白誤差法です

蛋白誤差法とは、試験紙の含むpH指示薬が、蛋白質の存在下で本来のpHが呈する色よりも変化してしまうことを原理とします。この反応は、強酸性化で偽陰性化し、強アルカリ性で偽陽性化するという特徴があります。

このことから、答えは3になります

 

MT65-PM4 真核生物の rRNA でないのはどれか。


1. 5s rRNA
2.5.8s rRNA
3. 16s rRNA
4. 18s rRNA
5. 28s rRNA

答えから言ってしまうと、3が正解

 

真核生物のリボソーム60s40sというパーツをもっています

さらに、60sというパーツは28srRNA, 5.8srRNA, 5srRNAに分けられ

40Sというパーツは18srRNAで構成されています

 

いずれにしてもこればかりは覚えなくてはどうしようもありませんので

ポイントとしては、5.8、18、28など

8がつくものが多いというくらいでしょうか

かなり無理矢理感はありますが、

真核生物のrRNAは8と覚えておきましょう

(5srRNAは原核と真核で共通)

 

MT65-PM6 健常者の脳脊髄液中の値が新生児で成人より高いのはどれか。


1.糖
2.IgG
3.蛋 白
4.細胞数
5.クロール

この問題は、複数正解となっており、

(厚労省の正答値表より)

答えは3,4になります

 

新生児では髄液の蛋白は高値となり

細胞数基準範囲も、やや高めです

 

新生児血液に関して

・IgGは母親由来

・蛋白は低値

・ALP高値

・ビリルビン高値(特に、間接ビリルビン=赤血球の入れ替わりが盛んなため)

これらは国試頻出なので覚えておきましょう!

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MT65-PM7 腹水検査で滲出液を示唆する所見はどれか。


1.LD 140 U/L
2.比 重 1.014
3.細胞数 15 個/μL
4.蛋白濃度 4.5 g/dL
5.細胞成分 中皮細胞主体

 

答えから言うと4が正解となります 

 

腹水はタンパク質を含む液体が

腹部に貯留したものですが大きく分けると

漏出液:低タンパク血症、浸透圧低下、門脈圧の亢進などによる非炎症性のもの

・滲出液:感染や悪性腫瘍による炎症性のもの

の2種類があります

一般的に、滲出液ではタンパク高値、細胞数増(好中球、リンパ球が主体で1000個/μL)などを特徴とし、その結果、LD高値(200U/L以上)、比重増となります

中皮細胞は特に、悪性中皮腫でよく見られる細胞です

 

 

↓ 65回 午前の問題はこちらからどうぞ!

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