副腎髄質ホルモン
副腎は腎臓の上部についている、小さな臓器ですが
非常に重要なホルモンを分泌する臓器です
副腎は
- 皮質
- 髄質
に分かれています
おまんじゅうの
皮とあんこ に例えられたりします
まずは、覚えることの少ない
副腎髄質ホルモンから覚えていきましょう!
3種まとめて、カテコールアミン(カテコラミン)
副腎髄質ホルモンの名称は
カテコールアミン(カテコラミン)
と言いますが、主に以下の3種類のことをいいます
- ドーパミン
- ノルアドレナリン
- アドレナリン
この中のどれかは聞いたことがあるのではないでしょうか?
スポーツの真剣勝負で
アドレナリンやドーパミンが分泌される
とかよく言いますよね!
これはまさしく副腎髄質ホルモンが分泌されているのです
スポーツの真剣勝負
すなわち
緊張・闘争状態ということですね
カテコラミンの役割は交感神経の刺激
緊張・闘争状態で刺激されるのは何神経だったでしょうか?
交感神経です!
どんなのだっけ?という人はこちらの記事で復習できますよ↓
- ドーパミン (ドパミン)
- ノルアドレナリン
- アドレナリン
この3種のカテコラミンは全て
交感神経の刺激に関与しています
ちなみにですが
アドレナリンは別名でエピネフリンとも言います
ノルアドレナリンはノルエピネフリンということもあります
少しややこしいですが、たまに選択肢に出てくるので
頭に留めておきましょう
カテコラミンの代謝(作られてから排泄まで)
カテコラミンはチロシンというアミノ酸から作られます
アドレナリンやノルアドレナリンは
ホルモンや神経伝達物質として分泌され
その役割を終えると肝臓で処理され
尿中に排泄されます
その時、尿中に出てくる物質が
VMA(バニリルマンデル酸)
といいます
尿検査を行う臨床検査技師さんは
ぜひ覚えておくべき知識ですね
そして実はこのバニリルマンデル酸は
腫瘍マーカーとしての役割を持っています
※腫瘍マーカーとは、その検査値が高い値となると特定の腫瘍の存在が疑われる検査です(高いからといって確定診断とはなりません)
VMA:バニリルマンデル酸の高値は
褐色細胞腫 という腫瘍の存在を疑います
パーキンソン病はドーパミン神経の減少
パーキンソン病とは
手の震えや、動作や歩行が困難になる病気で
中高年での発症が多い病気です
理学療法士さんであれば必ず学ぶ病気でしょう
そのパーキンソン病の原因は
脳の黒質という部分にある
ドーパミン神経の減少(=ドーパミン不足)
といえます
尿中バニリルマンデル酸VMAは、どの代謝産物か【MT】
- コルチゾール
- アルドステロン
- テストステロン
- カテコールアミン
- アンジオテンシン
※他の選択肢にあるホルモンに関しては別の記事で解説します
正しい文章はどれか【PT】
- 交感神経興奮はエピネフリン分泌を促進する
- 血糖値上昇はグルカゴン分泌を促進する
- 副交感神経興奮はインスリン分泌を抑制する
- 血中Ca濃度の低下はカルシトニン分泌を促進する
- 性腺刺激ホルモン放出ホルモンは下垂体から分泌される
この問題はしっかりホルモンの勉強をしていなければやや難しめの問題です
知識があやふやな人は選択肢をノートに書き写し
以下の解説を見ながらまとめてみてください
それでは各選択肢の解説をしていきます
1.交感神経興奮はエピネフリン分泌を促進する
正しい文章です
交感神経の刺激(=興奮)は
エピネフリン=アドレナリンの分泌ですね
1が正しいので、以下は全て誤った文章ですので
誤った箇所を訂正していきましょう
2.血糖値上昇はグルカゴンインスリン分泌を促進する
血糖値が上昇すると、
血糖値を下げるために
インスリンの分泌促進です
逆に
血糖値が下がるとグルカゴンの分泌ですね
3.副交感神経興奮はインスリン分泌を抑制促進する
副交感神経はリラックス状態
ご飯を食べた後、消化が進んで、眠くなる状態です
消化が進むので、血糖値は上がってきます
そのため、インスリンを分泌して下げようとしますね
4.血中Ca濃度の低下はカルシトニンパラトルモン分泌を促進する
血中カルシウムCaが低下すると
カルシウムを増やす方向に身体は働きますね
血中カルシウムを増やすのは
副甲状腺のパラトルモン
血中カルシウムを減らすのは
甲状腺のカルシトニンです
5.性腺刺激ホルモン放出ホルモンは下垂体視床下部から分泌される
○○ホルモン放出ホルモンは視床下部
○○刺激ホルモンは脳下垂体前葉
シンプルに覚えてしまいましょう
この問題で出てきた知識は
↓こちらの記事で復習できますよ!
ホルモンは覚える知識と量が比較的多いですが
国試で狙われやすいポイントをしっかりまとめていきましょう!
次回は、内分泌 最大の山場、副腎皮質ホルモンです!
ではでは!
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