下垂体前葉ホルモン 3つにまとめよう
下垂体後葉ホルモンの記事を先に書いています
覚えるべきはまずはこちらです
下垂体前葉は後葉に比べると
かなり多くのホルモンを分泌します
ですが、それをキーワードで分けると
3種類にまとめることができます
キーワードは
- 刺激
- 性
- 成長
この3つです!
〇〇刺激ホルモン
1つ目のキーワードは刺激です
下垂体前葉から分泌される
○○刺激ホルモンは3つ
(略語もできれば覚えたほうがよいですが、後回しでもOK)
- 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)
- 甲状腺刺激ホルモン(TSH)
- 卵胞刺激ホルモン(FSH)
この3つのホルモンはそれぞれ
副腎皮質・甲状腺・卵胞(女性では卵巣、男性では精巣)
名前の通りの臓器に、ホルモンを出してくれ~という
刺激を与えるホルモンです!
脳下垂体前葉がまずは
臓器からのホルモン分泌のスイッチをいれるというわけです
卵胞刺激ホルモンは生殖系の刺激だと思ってください
女性なら卵巣、男性なら精巣ですね
ちょっと覚えるのが難しいなと思った人は
とりあえず
○○刺激ホルモン
で覚えてしまいましょう
※ただし、視床下部に〇〇刺激ホルモン放出ホルモン
というものもあります、そこはこちらの記事で解説しますね
性:黄体形成ホルモン(LH)
性という意味では
卵胞刺激ホルモンも性に関係していると言えますね
(女性と男性、それぞれの性腺を刺激する)
黄体形成ホルモンも同じような役割を持っています
ざっくりいうと
- 卵子と精子の成長を助ける
- 女性の場合は排卵にも重要な役割
- 女性ホルモン:エストロゲン
- 男性ホルモン:テストステロン 分泌を促す
このようなイメージでOK
性ホルモン、エストロゲンやテストステロン
についてもまた別の記事でまとめたいと思います
成長ホルモン(GH)
最後のキーワードは成長
英語では Growth hormone
その名の通り、ヒトの成長に必須のホルモンです
覚えるべきざっくりとした役割は
- 代謝促進
- 血糖値上昇
- カルシウム濃度の調整
などがあります
再確認ですが
成長ホルモンは脳下垂体前葉ホルモンです
そのため下垂体前葉にできた腫瘍が元で
成長ホルモンの分泌が、増加または不足することがあります
これらの病気は国試では非常に重要なポイントになります
成長ホルモンと疾患
・成長ホルモンの過剰分泌 – 末端肥大症(先端巨大症ということもある)
・成長ホルモンの不足 – 成長ホルモン分泌不全性低身長症 (以前は小人症と呼ばれます)
特に国家試験でよく見かけるのは
成長ホルモンの過剰による、末端肥大症(先端巨大症)です
手足や顔の一部が、ゴツゴツと大きくなってしまうという特徴があります
プロラクチン=母乳の分泌、乳腺の成長
成長・性 2つのキーワードを併せ持つのが
プロラクチンです
母乳の分泌と、妊娠時の調整を行ってくれるホルモンです
赤ちゃんの成長に必要で、乳腺や性腺に働きます
以上をまとめますと
まとめ(下垂体前葉ホルモン)
刺激
- 副腎皮質刺激ホルモン
- 甲状腺刺激ホルモン
- 卵胞刺激ホルモン
性
- 黄体形成ホルモン – 性腺の刺激
- (卵胞刺激ホルモン – 性腺の刺激)
- プロラクチン – 母乳の分泌
成長
- 成長ホルモン (GH) – 過剰で末端肥大症
- (プロラクチン – 赤ちゃんの成長のため)
例題(確認・復習用)
下垂体前葉から分泌されるホルモンはどれか. 全て選べ
- バゾプレッシン
- 甲状腺刺激ホルモン
- オキシトシン
- 成長ホルモン
- プロラクチン
- バゾプレッシン -後葉
- 甲状腺刺激ホルモン -前葉
- オキシトシン -後葉
- 成長ホルモン -前葉
- プロラクチン -前葉
下垂体ホルモンは、前後しっかり見極めていきましょう
分泌が不足した場合に考えられる病態で誤っているのはどれか【難】
- バゾプレシン – 尿崩症
- 成長ホルモン – 先端巨大症
- インスリン – 糖尿病
この問題はやや難易度としては高めですが
三択にしてありますし、知識をしっかり整理できていれば
解ける問題です
まずは問題をしっかり読みましょう
分泌が不足した場合考えられる病態
- バゾプレシン – 尿崩症
- 成長ホルモン – 先端巨大症
- インスリン – 糖尿病
- バゾプレシンは抗利尿ホルモン
水分調節し尿の出過ぎを抑えるホルモンです
不足すると、多尿になる病気、尿崩症になります
よって1の組み合わせは正しい
2. 成長ホルモンは不足すると、低身長症
末端肥大症は成長ホルモン過剰な場合です
よって2が誤っているので、答えは2を選択!
3. インスリンの不足はどうなるでしょうか
インスリンは膵臓のβ細胞から分泌されるホルモンで
上手く働かない、分泌が不足すると、糖尿病となります
よって、3も組み合わせとしては正しい
(細かい話をすると、分泌不足になるのは1型糖尿病患者さんが多いです)
↓糖尿病についてはこちらの記事で勉強できますよ
下垂体前葉ホルモンについては以上になります
前葉・後葉 もう一度知識整理をして
ノートにまとめることをおすすめします!
ではでは!
甲状腺ホルモンと副腎皮質ホルモンについて
勉強した人はこちらからどうぞ!
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