医療系国家試験の解説サイト
国試かけこみ寺です!
令和3年2月17日(水)に実施された
臨床検査技師国家試験問題について
一部の分野をわかりやすく解説していきます!
問題(+別冊)と解答は厚生労働省のHPで公開されています
※以下の問題の出典は全て、厚生労働省のホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp210416-07.html)で公開している問題を引用しています。
問題に対する解説は国試かけこみ寺のオリジナルとなります。
MT67-AM39 リポ蛋白の表面部に存在しているのはどれか。2つ選べ。
1.レシチン
2.遊離脂肪酸
3.トリグリセライド
4.遊離型コレステロール
5.エステル型コレステロール
リポ蛋白を構成するものには以下のものがあります
- 中性脂肪(トリグリセリド、トリアシルグリセロールともいう)
- エステル型コレステロール
- 遊離型コレステロール
- リン脂質
- アポ蛋白
※ 上にあるほど脂っぽく、下にあるほど水に溶けやすい
※ アポ蛋白はあとで説明しますが、リポ蛋白を外側から守る蛋白で、これは脂質ではありません
リポ蛋白は脂っぽいものを中心に、
水に溶けやすいものを外側にして血液中に存在しています
正解は1.レシチンと4.遊離型コレステロールになります(アポ蛋白については選択肢にないため)
レシチンはリン脂質の中で最も重要なもので、別名をホスファチジルコリンともいいます
MT67-AM40 中間比重リポ蛋白(IDL)の比重について正しいのはどれか。
1.HDL3 と HDL2 の中間
2.HDL2 と LDL の中間
3.LDL と VLDL の中間
4.VLDL と CM の中間
5.CM と CM レムナントの中間
この図から、答えは3が正解となります
CMレムナントとはCMの分解物と考えればOKです
↓上記2問は以下の記事を読むことで更に理解が深まります
MT67-AM41 核酸を含まない細胞内小器官はどれか。
1.核小体
2.粗面小胞体
3.リボソーム
4.ミトコンドリア
5.ゴルジ(Golgi)装置
核酸=DNAやRNA です
1.核小体:当然ながら、DNA、RNAを含みます
2.粗面小胞体:粗面小胞体はリボソームの付着したタンパク合成の場ですから、rRNAを含むと言えます
3.リボソーム:rRNAを含みます
4.ミトコンドリア:独自のミトコンドリアDNA(mDNA)を含みます
5.ゴルジ(Golgi)装置
ゴルジ装置は、糖鎖の修飾などが主な機能で、核酸は含まないと言えます
↓参考記事です
MT67-AM42 逸脱酵素でないのはどれか。
1.CK
2.LD
3.ALT
4.AST
5.ChE
逸脱酵素とは、細胞内に多く含まれる酵素のことで、溶血などで細胞が壊れると血中に増加します
選択肢の中で逸脱酵素でないものは5が正解となります
逆にいうと、CK・LD・AST・(ALT)は絶対に覚えるべき逸脱酵素です!
↓生体内の酵素については以下の記事でわかりやすく解説しています
MT67-AM43 ビタミン D の 25 位を水酸化する臓器はどれか。
1.肺
2.肝 臓
3.胸 腺
4.腎 臓
5.副甲状腺
やや難しい問題です
ビタミンDの代謝については少々マニアックな気もしますが、簡単に解説します
ビタミンDは食物から吸収、もしくは皮膚で合成という2つの生成ルートがあります
これらのビタミンDは血中を移動し、肝臓で25位(25番目の構造)が水酸化されます
その後、腎臓で1α位が水酸化され、活性型ビタミンDとなります
上記をまとめると
- ビタミンDはまず肝臓で25位が水酸化される
- 次に腎臓で1α位が水酸化される
- 1α, 25位の2か所の水酸化を受けたものが活性型ビタミンDである
MT67-AM44 カルシウムイオン 50 mg/dL は何 mEq/L か。ただし、カルシウム原子量は 40 とする。
1. 0.25
2. 1.25
3. 2.50
4.12.5
5.25.0
mEq/Lは mmol/L × 価数 で表すことができます
Caの分子量40から、50mg/40=1.25mmol
よって1.25mmol/dL
dLをLに直します(ここが忘れがちなポイントです)
12.5mmol/L となり
これにCaイオン価数の2をかけます
よって25.0mmol/Lとなります
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