【生物基礎】国試で狙われる細胞内小器官の役割【まとめ】

臨床化学

医療系の国家試験では

基礎的な生物の問題があります

  

医療系を目指している人であれば

もちろん聞いたことのある内容だと思いますが

 

 

復習も兼ねて見てもらえればいいなと思います!

 

わかりやすく箇条書きでまとめます

 

細胞内小器官と対応する役割は

キーワードを覚えてしまうのが有効策です

 

IPS細胞のイラスト

 

個別の用語解説記事は

今後、増やしていく予定です

 

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細胞膜

☆キーワード

  • リン脂質の二重層でできている
  • 表面に受容体(レセプター)をもつ
  • チャンネルという特定の物質を能動輸送する通り口をもつ

  

  

☆解説

  • リン脂質は両親媒性をもつ脂質である

※両親媒性とは水に馴染む部分(親水基)と

脂に馴染む部分(疎水基、親油基)の両方をもつこと

 

 

  • 受容体とは特定の物質を結合させ、細胞内にシグナルを送るための入口

※受容体(レセプター)に結合する特定の物質のことを、リガンドといいます

免疫系でもよく出てくる言葉です

 

 

  • チャンネルとは特定の物質だけを通すゲートのようなもの

例えば、ナトリウムチャンネル、カリウムチャネルというのはNa, K だけを選択的に通すゲートのこと

ちなみに、この時発生する電位差が、心臓を動かすきっかけとなる(詳しくは生理学で)

 

能動輸送とはATPを消費して濃度差に逆らって物質を移動させること

イオンチャネルは能動輸送を行っている

 

 

  • 遺伝情報(DNA)をもつ
  • 核膜という二重の膜をもち、膜には核膜孔という小さい穴があいている
  • 核内では、遺伝子の複製である転写が行われる

 

   

※DNAとRNAの違いについては別記事で詳しく解説します

 

  • 転写とは

簡単にいうと、DNA(原本)から RNA(コピー)を作ること

このコピーしたRNAを元にしてタンパク質を作る作業を翻訳といいます

 

↓DNAとRNAの違いについてはこちらで解説しています

 

細胞質

  • 細胞内の核以外の部分を、細胞質といい
  • 細胞質には、細胞内小器官(オルガネラ)があり
  • オルガネラ以外の液体部分を細胞質基質という

  

  • 最重要事項は、細胞質基質で解糖系が行われていること

 

 

以下に細胞内小器官(オルガネラ)の役割を書いていきます

 

ミトコンドリア

ミトコンドリアのイラスト
  • 内膜と外膜という二重膜で構成される
  • クエン酸回路や電子伝達系など好気呼吸の場である
  • クエン酸回路はマトリックスという部分で行う
  • 電子伝達系は内膜のクリステという部分で行う
  • 脂質の代謝であるβ酸化も行われる
  • アンモニアの代謝である、尿素回路も一部ミトコンドリアで行う
  • ミトコンドリアDNAという独自の遺伝子をもっており、母系遺伝する

 

  

ミトコンドリアは非常に多くの役割を持っています

まずはキーワードをチェックしてしまいましょう

 

 

 

ゴルジ装置(ゴルジ体)

ゴルジ体のイラスト

 

  • 分泌液・粘液の生成に関与
  • 糖鎖修飾が重要な役割

 

 

 

粗面小胞体と滑面小胞体

小胞体とリボソームのイラスト
つぶつぶ(リボソーム)がついているのは粗面小胞体

 

粗面と滑面の違いは

  • 粗面小胞体:リボソームがある
  • 滑面小胞体:リボソームがない

 

 

重要なのは役割の違いです

 

  • 粗面:リボソームを主体とするタンパク質合成の場

 

  • 滑面:脂質の合成

 

 

リボソーム

基本的には小胞体に付着し

粗面小胞体として存在している

 

かなり重要な役割を持っています

 

  • RNAの情報を元にしたタンパク質の翻訳

 

RNAは核の転写で作られる

粗面小胞体のリボソームでRNAが翻訳されてタンパク質ができる

 

これらの一連の流れをセントラルドグマという

 

 

 

リソソーム(ライソゾーム)

リソソームの役割は分解です

特に加水分解酵素を多く含み

 

異物や、古い小器官などを分解します

 

一番の注意事項は

リボソームと名前が似ているので気をつける

という点です、実際国試でも引っ掛け選択肢になることがよくあります

 

 

ペルオキシソーム

ペルオキシソームの役割はオキシ=oxygen

すなわち、酸化反応です

 

代表的な酵素として

  • オキシダーゼ
  • カタラーゼ

この2つは覚えておきましょう!

 

 

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国試 練習問題

細胞膜を構成するリン脂質二重層を容易に通過するのはどれか【DH】

  1. グルコース
  2. Kイオン
  3. Naイオン
  4. 脂肪酸

 

 

 

 

 

 

グルコース、ナトリウム、カリウムの3つは

それぞれの対応したチャンネルを通過しなければいけません

(グルコースの場合はトランスポーターといいます)

 

 

一方で、脂肪酸のような脂っぽいものは

脂質の二重層に溶け込み、容易に通過することができます

よって答えは4の脂肪酸

 

 

 

電子伝達系が存在するのはどれか【DH】

  1. 細胞膜
  2. 核小体
  3. ゴルジ装置
  4. ミトコンドリア

 

 

 

 

 

 

正解はミトコンドリアです

正確には、電子伝達系はミトコンドリア内膜のクリステという部分

クエン酸回路はマトリックスになります

 

 

 

誤っているのはどれか【臨床検査技師】

  1. 細胞質には解糖系酵素を含む
  2. 核はRNAを多く含む
  3. リソソームは加水分解酵素を多く含む
  4. リボソームではタンパク質が合成される
  5. ミトコンドリアはTCA回路の酵素を多く含む

 

 

 

 

 

  

 

 

誤っているのは

2.核はRNADNAを多く含む

核に主に含まれる遺伝情報はDNAです

そのDNAを元にして

コピーであるRNAを合成(=転写)

RNAからリボソームがタンパク質を合成(=翻訳)

これが基本の流れです

 

 

 

 

細胞膜の役割で正しいのはどれか【臨床検査技師】

  1. 遺伝情報を複製する
  2. エネルギーを産生する
  3. 物質を選択的に透過させる
  4. シグナルを伝達する受容体を有する
  5. 遺伝情報に従ってタンパク質を合成する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正しいのは3と4です

物質を選択的に透過させる

選択的に というのは能動輸送を表しています

つまり、イオンチャネルやトランスポーターのことです

 

4.シグナルを伝達する受容体を有する

細胞膜はレセプターを持っています

例えばこれによって、

B細胞は抗原提示をできたり

薬が受容体に作用することで症状を軽減したり

 

受容体は非常に重要な構造であることがわかります

  

 

1.遺伝情報を複製する

遺伝情報は核の役割ですね

 

2.エネルギーを産生する

エネルギー産生といえば

ミトコンドリアです

 

遺伝情報に従ってタンパク質を合成する

タンパク質の合成は、粗面小胞体・リボソーム

の役割です

 

 

 

 

 

以上、細胞内小器官の役割でした!

基本事項ですが、もし出た時に

絶対点数を取れなきゃいけない部分でもありますね

 

油断してこういう分野で得点を落とすのはもったいないです

がんばっていきましょう!

ではでは!!

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