臨床検査技師・看護師を目指す学生さん
血液データの基準値を覚えなさい
と言われても、なかなかすぐ覚えられませんよね
こういった基準値というのは臨床現場でがっつり働いて
データに対する馴れが最も重要ですので
すぐに覚えられなくても過度な心配はいりません
しかし、国家試験レベルでは必要な知識ですから
ある程度、問題を解くにあたって困らない程度に
ざっくりとした覚え方を紹介します!
それは血液pHから連動させていく方法です!!
※今回の数値はあくまで国家試験攻略用のざっくりとした覚え方であることにご注意ください
pH: 基準値7.35~7.45
これが基本になりますので、この血液pHの基準だけは
自力で絶対に覚えてください
血液pHは非常に厳密に保たれており
7.35を下回るとアシドーシス
7.45を上回るとアルカローシスと言われます
PaCO2: 基準値35~45 Torr
二酸化炭素分圧、PaCO2ですが
pHの小数点以下の数字
35~45 これで覚えてしまうとかなり楽になりますよ!
主に呼吸性のpH変化に関わってきます
PaCO2が低ければ、過呼吸(呼吸性アルカローシス)
高ければ、換気不足(呼吸性アシドーシス)と言えます
※ ただし、PaCO2単独では判断せずきちんと他のデータも見て判断が必要です
PaO2:基準値100 Torr
酸素ガス分圧ですが基本は100と覚えてしまってOKです
ちなみに1Torr = 1mmHg です
実際には老人では80程度に落ちます
国家試験レベルでは、
60Torr以下=100の半分近くにもなると
かなりヤバい状態、とイメージできればよいです
(呼吸困難などが考えられます)
HCO3- :基準値22~26 mmol/L
重炭酸イオンですね
重炭酸は下がるとアシドーシス
上がるとアルカローシス
これらの判断をするために非常に重要です
肝心の基準値ですが、実はこれだけは
pH からは繋がりにくいですね
ということで重炭酸イオンHCO3-も自力で覚えましょう
24±2 で覚えるとよいでしょう
Na+ :基準値135~145 mmol/L
これもpHと連動して
35~45に100を足して、135~145と覚えればOK!!
出現頻度が高いので過去問を解くうちに
嫌でも覚えられるようになりますよ
K+ :基準値3.5~4.5 mmol/L
これもpHと連動させて、35~45
小数点を入れて、3.5~4.5くらい
少し数値を丸めてありますが、問題を解く時にはこの覚え方でも問題ないでしょう
ちなみに、5.5を越えてくると高K血症になり
心電図ではテント状T波などが出現します
高Kの病態としては、腎不全(K排泄低下)や
アジソン病=副腎皮質機能低下症(アルドステロン分泌低下)などがありますね
Cl- :基準値100 mmol/Lくらい
クロールもシンプルに、100でOK!
正確には98~108程度です
まとめ
血液pHの7.35~7.45を覚えてしまえば
PaCO2:35~45
Na:135~145
K:3.5~4.5
となるため、連動させやすいです
PaO2とCl(クロール)は100という
キリのいい数字で覚えてしまいましょう!
唯一、HCO3-(重炭酸)は24±2
pHと連動させるのは難しいため、これも自力で覚えましょう!!
少しでも覚える際の足掛けにしてもらえれば幸いです!
以下に、これらの数字を使う問題のリンクを貼っておきますので
良ければご覧ください!
問題を解く際に基準値を書く癖をつけて、慣れていきましょう!
実際の国試問題へのリンクはこちらからどうぞ!
MT66-AM12:動脈血液ガス分析で、pH7.48、PaO2 98Torr、PaCO2 30 Torr、HCO3- 22 mmol/L であった。考えられるのはどれか。
⬇アニオンギャップの考え方についても、こちらの記事で知っておきましょう!
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