【臨床化学】共役酵素とは?臨床検査技師国試に出るポイントを解説!

臨床化学

今回は、臨床検査技師国家試験における臨床化学分野

共役酵素についてわかりやすく解説します

細かい原理はひとまず置いておき、臨床化学の点数をとにかく上げたい!という人向けの記事になっています

 

この記事では以下のキーワードが出てくる問題に対応可能です!

  • 酵素測定における「共役酵素」はどれか
  • 試薬中に酵素が含まれるのはどれか

などです

 

今回は結論として、臨床検査技師国家試験で聞かれやすい

共役酵素を用いない酵素測定を3つ覚えてしまいましょう!(できれば簡単な測定原理も!)

  • LDー340nm(NADH)の増加を測定
  • ALPーニトロフェノール系を測定
  • γ-GTーニトロアニリン系生成物を測定

※ ALPやγ-GTはニトロ○○と名のつく物質の反応系と考えればOKです

 

・前提知識として、NADH(340 nm)の吸光度を測定する項目は必ず覚えておきましょう

 

実践編として臨床検査技師国家試験の過去問も解説していますので、一緒に勉強をしていきましょう!

スポンサーリンク

共役酵素とは

共役酵素とは

酵素測定において、測定したい目的酵素以外に用いられる酵素のこと

酵素活性の測定というのは

  • 酵素が生成した物質を直接測る方法
  • 酵素が生成した物質をさらに別の酵素で反応させて、間接的に測る方法

の2種類があるといえます

ここでいう別の酵素が、共役酵素と呼ばれるということですね!

 

共役酵素を用いない酵素測定

 

共役酵素の必要ない測定の代表はLDです

乳酸+NAD→ピルビン酸+NADH 

(右矢印 → の部分をLDが反応させます)

LDはNADH(=340nm)の増加を測定します

このように目的の酵素が反応して直接生成される物質を測定する場合は共役酵素が必要ありません

 

これと同様に、ALPγ-GTも、酵素が直接反応して生成される物質を測定するため、共役酵素が必要ないのです(ALP, γ-GTの測定はニトロ○○系です、細かい物質名などは今回は省いています)

臨床検査技師国家試験 過去問解説

 ここからは実際の過去問を見ていこうと思います

MT67-PM36 日本臨床化学会JSCC勧告法で共役酵素を用いないのはどれか。

1.AST
2.AMY
3.CK
4.ChE
5.γ-GT

「共役酵素を用いない」ストレートな問題です!

LD, ALP, γ-GTの3つは共役酵素を用いない、覚えてしまいましょう!

正解は5ですね

 

MT65-AM36 日本臨床化学会JSCC勧告法の試薬中に酵素が含まれるのはどれか。2つ選べ。

1.LD
2.ALP
3.γ-GT
4.アミラーゼ
5.コリンエステラーゼ

試薬中に酵素が含まれる共役酵素を用いる測定 ということです

すなわち、この問題を言い換えると

(JSCC勧告法で)共役酵素を用いるのはどれか」となるわけです!

ここで共役酵素の必要ない3つを思い出します、LD, ALP, γ-GTでしたね

ということで、1,2,3を除外し、答えは3,4となります!

 

MT56-PM39 日本臨床化学会(JSCC)常用基準法で共役酵素を用いないのはどれか。

  1. アミラーゼ
  2. ALT
  3. AST
  4. CK
  5. LD

非常にシンプルな問題ですね

答えは5.LDです

ちなみに簡単に測定原理と共役酵素をまとめると…

1.アミラーゼ:測定原理はニトロフェノール系で、共役酵素はα-グルコシダーゼです

2.ALT:測定原理は340nmの減少、共役酵素はLDです(ALTの測定にはLDが共役酵素として登場するのが面白いところです)

3.AST:測定原理は340nmの減少、共役酵素はリンゴ酸脱水素酵素(MDH)です

4.CK:測定原理は340nmの増加、共役酵素はヘキソキナーゼ(HK)、グルコース6リン酸脱水素酵素(G6PD)です

5.LD:測定原理は340nmの増加、共役酵素はありません

 

10年以上前の問題ですが、近年の国試問題はこういった基礎問題をベースに改変を加えたり、似たような問題が出ることも多いのでチェックする価値があります

 

MT66-PM36 日本臨床化学会〈JSCC〉勧告法で、ヘキソキナーゼとグルコース-6-リン酸脱水素酵素の共役により測定されるのはどれか。

1.CK
2.AST
3.ALP
4.γ-GT
5.アミラーゼ

この問題は共役酵素をしっかり覚えていなくてはいけません

先程の問題で解説している通り、HK・G6PDを用いるのは、1.CKになります

3.ALPと4.γ-GTは共役酵素は必要ないので選択肢から消せますね

まずは共役酵素の必要ないものを覚えてしまってから、徐々に共役酵素の必要な酵素の測定原理を覚えていくようにしましょう

 

2.ASTの共役酵素はリンゴ酸脱水素酵素(MDH)

5.アミラーゼ:共役酵素はα-グルコシダーゼです

スポンサーリンク

まとめ

・共役酵素の必要ない測定法をまず3つ覚えよう!

  • LDー340nm(NADH)の増加を測定
  • ALPーニトロフェノール系を測定
  • γ-GTーニトロアニリン系生成物を測定

まずここから始めて、次に共役酵素が必要な酵素の測定原理を覚えていきましょう

原理についてはまず、NADH(340nm)を測定する方法と、ニトロ○○系を測定する方法を覚えるのがおすすめです!

↓次の勉強はこちらの記事からどうぞ♪(タップ・クリックすると移動します)

スポンサーリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました