DNAとRNAを合わせて核酸といいます
じゃあDNAとRNAの違いはなんなのか?
国家試験攻略に必要な知識を解説していきます
※一部わかりやすくするための省略や表現があることをご了承ください
高校レベルの生物基礎知識としても役立ちますので
よければ御覧くださいませ
DNAとRNAの違い
まずは結論から
違いを箇条書きにすると
- DNAはデオキシリボース、RNAはリボースという糖をもつ
- DNAはATGC、RNAはAUGCという塩基をもつ
- DNAは遺伝情報の長期利用、RNAは一時的な利用という考え方
- DNAは、ミトコンドリアDNAというものもあり母系遺伝する
- RNAには、tRNA, mRNA, rRNAの3種類がある
核酸とは
核酸というのはDNAとRNAを合わせた総称です
核酸は3つのパーツでできています
核酸=塩基+糖+リン酸
塩基
塩基とは
- A:アデニン
- DNAではT:チミン、RNAではU:ウラシル
- G:グアニン
- C:シトシン
この中でも、
AとGをプリン塩基(※こちらを優先して覚えましょう)
T, U, C をピリミジン塩基といいます
プリン塩基というのはいわゆる、プリン体
ビールや魚卵に多く含まれるというやつですね
プリン塩基の代謝物が尿酸です
尿酸が過剰になると痛風という病気になります
国家試験的に重要なポイントは2つ
- プリン塩基はA, Gである
- プリン塩基の代謝物は尿酸、過剰になると痛風
【国試例題】誤っているのはどれか
- アデニンはプリン塩基である
- チミンはプリン塩基である
- シトシンはプリン塩基である
- グアニンはプリン塩基である
- 尿酸はプリン塩基の代謝物である
このような問題も出ています
(答えは上に戻って確認してくださいね!)
糖・リン酸
日本語名では
DNA:デオキシリボ核酸
RNA:リボ核酸
その名前のとおり、
DNAはデオキシリボース という糖
RNAはリボース という糖をもちます
リン酸はどちらにも含まれています
ヌクレオチドとヌクレオシド
非常に細かい話になりますが
臨床検査技師の国家試験で出題例があります
ヌクレオチド: 塩基+糖+リン酸
ヌクレオシド:塩基+糖
違いは見ての通り、リン酸が無いほうがヌクレオシドです
若干むりやりですが覚え方は
- リン酸なし が ヌクレオシド
DNAやRNAはリン酸をもっているので
ヌクレオチドです
ヌクレオチドがいくつも繋がって鎖のようになり
かの有名な二重らせん構造をつくっているわけです
そのため、DNAやRNAは
ポリヌクレオチド で構成される、と言いかえることもできます
※ポリはいくつものという意味
ヌクレオシドとヌクレオチドの物質名
ここに書いてあることは覚えなくても大丈夫です
項目の最後に最重要ポイントを書き出します
ヌクレオシド、ヌクレオチドそれぞれ
物質名があり
RNAのヌクレオシドであれば
- アデノシン
- ウリジン
- グアノシン
- シチジン
DNAのヌクレオシドであれば
- デオキシアデノシン
- チミジン
- デオキシグアノシン
- デオキシシチジン
RNAのヌクレオチドであれば
- アデニル酸
- ウリジル酸
- グアニル酸
- シチジル酸
DNAのヌクレオチドであれば
- デオキシアデニル酸
- チミジル酸
- デオキシグアニル酸
- デオキシシチジル酸
もうわけがわからなくなってきますよね(笑)
でもあることに気づくはずです
ヌクレオシドはリン酸なし
ヌクレオチドはリン酸あり
リン酸をもっているヌクレオチドには
〇〇酸
という名前がついています
これによって簡単に見分けることができます
実際に問題を見ていきましょう
ヌクレオシドはどれか【臨床検査技師 国試例題】
- ウリジル酸
- アデノシン
- アデニル酸
- デオキシグアニル酸
- シチジル酸
ヌクレオシドはリン酸なし
なので、酸がついていない
答えは2番!
ヌクレオチドはどれか【臨床検査技師 国試例題】
- アデノシン
- ピルビン酸
- チミジン
- グルタミン酸
- チミジル酸
ヌクレオチドはリン酸がある
2と4はそもそも核酸じゃない
答えは5!
このように、
- ヌクレオシド:リン酸なし
- ヌクレオチド:リン酸あり:○○酸
これを覚えておけば問題には対応できるはずです!
RNAの役割
RNAには
- tRNA:トランスファーRNA
- mRNA:メッセンジャーRNA
- rRNA:リボソームRNA
この3種類があります
役割を簡潔にまとめると
- tRNA:アミノ酸をリボソームへ運ぶ
- mRNA:mRNAの塩基配列が翻訳されて実際にタンパク質を作る
- rRNA:リボソームがもっているRNA
tRNAのトランスファーというのは
transfer:転送、移送という意味、つまり材料のアミノ酸を運ぶ
mRNAのメッセンジャーというのは
タンパク質を作り上げる(翻訳)ためのメッセージの役割ということ
ざっくりこのようなイメージで覚えればよいでしょう
核酸で正しいのはどれか【国試例題】
- mRNAがアミノ酸をリボソームへ運ぶ
- DNAは1本のポリヌクレオチド鎖である
- DNAには遺伝子の発現を調節する部分がある
- RNA塩基配列に基づきアミノ酸が繋がることを転写という
- DNAの遺伝子情報からmRNAが作られることを翻訳という
1.mtRNAがアミノ酸をリボソームへ運ぶ
運ぶ役割はトランスファーRNA
2.DNAは12本のポリヌクレオチド鎖である
DNAは二重らせん構造なので2本のポリヌクレオチドからできているといえる
※一本鎖DNAというのもウイルスなどに存在はしています
3.DNAには遺伝子の発現を調節する部分がある
これは正しい文章です
詳細は省きますが、必要に応じて発現調節ができる部分があります
4.RNA塩基配列に基づきアミノ酸が繋がることを転写翻訳という
mRNAの配列を元に、アミノ酸が繋がって、タンパク質ができる
この一連の流れが翻訳です
5.DNAの遺伝子情報からmRNAが作られることを翻訳転写という
mRNAは核でDNAの配列を元にして作られます、これが転写です
以上になります!
遺伝子の知識も最近ではほとんどの医療職で求められていますね
頑張って学んでいきましょう!ではでは!
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