抗菌薬はとにかくカタカナの名前が多く
ややこしい
全然覚えられないという事が多い分野だと思います
今回は以下の2点に絞って解説します!
- 菌のどこに作用するか(作用機序)
- 名前(~~系の薬か)
※注意事項
本解説記事は、臨床検査技師 国家試験の出題分野を意識して書いたものです
そのため、薬剤師に必要な知識よりはマイルドになっていますのでご注意ください
抗菌薬の作用機序の分類
大きく分けると3つになります
- 細胞壁合成阻害
- 蛋白質合成阻害
- DNA合成阻害(核酸 or 葉酸)
また、薬の効き方にも2種類あります
- 殺菌的:名前の通り、菌を死滅させる
- 静菌的:菌が増えることを防ぐ
では作用ごとに薬の名前をまとめていきましょう
細胞壁合成阻害
細菌は細胞壁を持つものがいます
基本的に動物の細胞にはありません
そのような菌に有効な薬剤です
(基本的には殺菌的な作用を示します)
βラクタム系
βラクタムという特徴的な構造を持つ薬です
(構造内に四角□でかこまれたような構造がある)
βラクタム系の抗菌薬を以下に示します
- ペニシリン系 (語尾が○○シリン)
- セフェム系 (語頭に セフ○○○)
- モノバクタム系
- カルバペネム系
βラクタム系の薬は
ペニシリン系と、語尾にムがつくと覚えましょう
グリコペプチド系
特にMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)
などの、βラクタム系の薬剤耐性菌に有効な薬剤です
- バンコマイシン
- テイコプラニン
他には、アルベカシンという薬剤もMRSAに有効ですが
アルベカシンはアミノグリコシド系です
蛋白質合成阻害
菌の蛋白質の合成を阻害します
殺菌的、静菌的の両方があります
蛋白質合成阻害薬はゴロ合わせで覚えてしまいましょう!
立てアクマ
タ:蛋白質合成阻害の抗菌薬
テ:テトラサイクリン系(語尾に○○サイクリン)
ア:アミノグリコシド系(語尾に○○マイシン)
ク:クロラムフェニコール
マ:マクロライド系(語尾に○○スロマイシンが多い)
※アミノグリコシドとマクロライドは名前の判別に注意
この中で静菌的に作用する薬は
クマテ
- クロラムフェニコール
- マクロライド系
- テトラサイクリン系
この3つです
DNA合成阻害
遺伝情報であるDNAの合成を阻害し
殺菌的に作用する薬です
葉酸合成阻害
細菌はDNA合成に必要な葉酸を
自力で合成しているため
そこを止めて殺菌します
ヒトは葉酸を合成しておらず、
食事の栄養から補給しているため
ヒトには大きな影響なく使えるのです
それが
- サルファ剤
です
Dr.STONEという漫画でも登場しています
DNA合成の酵素を阻害
- キノロン系(ナリジクス酸など)
- ニューキノロン系(語尾に○○キサシンが多い)
最低限これだけでも覚えよう
・βラクタム系は細胞壁合成阻害で
ペニシリン系と、語尾にムがつく
- セフェム
- カルバペネム
- モノバクタム
・蛋白質阻害のゴロ
タテアクマ
- 蛋白質阻害
- テトラサイクリン
- アミノグリコシド
- クロラムフェニコール
- マクロライド
・静菌的に作用する薬のゴロ
クマテ
- クロラムフェニコール
- マクロライド
- テトラサイクリン
・葉酸阻害はサルファ剤
・DNA合成酵素阻害はニューキノロン
国試かけこみ寺では
最低限これだけは押さえておくべき
というところに絞って解説しています
そのため、問題をやっているとこれはどうなんだ??
というものが出てくると思います
その時は、教科書で調べて
自分で情報をアップデートすればよいのです
最低限はゴロやイメージで覚えてしまう
そこに情報のアップデートを重ねることで
どちらの知識も定着しやすくなります!!
がんばっていきましょう!!
↓DNAからRNAが転写され、蛋白質が翻訳される流れはこちらで解説しています
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