PT国試問題から読み解くエネルギー代謝の重要ポイント【理学療法士 国試】

エネルギー代謝

もし、理解の足りない分野がある場合

教科書などを読んで1から勉強することは得策ではありません

 

特に国家試験までの時間がない場合、

単元を1から勉強していては間に合いません

 

 

重要なことは、国家試験問題の選択肢から

重要なポイントをつかみとることです

 

 

国家試験の過去問を解きながら

わからない部分だけ教科書などで確認していくのが

効率のよい勉強に繋がります

 

 

  

それではやっていきましょう!

 

 

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エネルギー代謝で誤っているのはどれか

  1. 筋はブドウ糖が枯渇するとグリコーゲンを消費する
  2. 糖は肝臓や脂肪組織で脂肪へ変換される
  3. タンパク質は予備エネルギーとして使われる
  4. 貯蔵エネルギーの大部分はグリコーゲンである
  5. グリコーゲンは肝臓と筋に貯蔵される

 

 

 

 

 

 

 

選択肢ごとにしっかり読み解いていきましょう

 

1.筋はブドウ糖が枯渇するとグリコーゲンを消費する

正しいです

ブドウ糖(=グルコース)を貯蔵する時の形がグリコーゲンです

そして重要ポイントは

グリコーゲンは肝臓と筋肉に豊富であるということ

筋肉では取り込んだグルコースを使い切った場合

次にグリコーゲンを分解してエネルギーとします

 

2.糖は肝臓や脂肪組織で脂肪へ変換される

正しい文章です 

これはイメージ的にもその通りでしょうか?

甘いものを食べると太る、当たり前のことですね

糖はグリコーゲンとして貯蔵されますが、

グリコーゲンの貯蔵には限界があるため

ある程度を超えると脂肪に変換されるのです

  

 

3.タンパク質は予備エネルギーとして使われる

正しい文章

タンパク質というのは身体の材料として非常に重要なものです

筋肉、髪の毛、皮膚、などもほぼタンパク質でできています

しかし、栄養状態が低下してくると分解され予備エネルギーになります

そのため無理な絶食などをすると

筋肉も落ちるし、髪や皮膚もボロボロになってしまいます

 

 

4.貯蔵エネルギーの大部分はグリコーゲン脂肪である

この文章は間違いです

この問題は引っ掛けの要素が非常に強いと言えるでしょう

 

グリコーゲンが貯蔵エネルギーとして

肝臓や筋肉に豊富である、というのは重要事項です

 

しかしながら、身体の中に貯蔵されているエネルギーというのは

結局のところ大半が脂肪(=脂質)なのです

脂質というのは1gあたりの熱量も糖質より高く

非常にエネルギー効率の良い物質なのです

 

そのため、身体の中の貯蔵エネルギーの大部分

というと、脂質という答えになります

 

5.グリコーゲンは肝臓と筋に貯蔵される

これは先程述べた通り、正しいです

グリコーゲンはすぐに分解しやすくて

使いやすいけれど、大量に貯蔵はできない、という感じですね

 

 

●この問題のポイント

  • グリコーゲンはブドウ糖の貯蔵形態
  • グリコーゲンは筋と肝臓に豊富
  • グリコーゲンには貯蔵限界がある
  • 余った糖は、脂肪に変換される
  • 貯蔵エネルギーとしては脂肪が最も多い
  • タンパク質は最終手段的な予備エネルギー

 

 

 

エネルギー代謝について誤っているのはどれか。

  1. アミノ酸はグリコーゲンとして蓄えられる。
  2. ブドウ糖は解糖によりピルビン酸となる。
  3. 運動強度が上がると糖質の利用が高まる。
  4. 食物から吸収されたブドウ糖の一部は、肝細胞中にグリコーゲンとして蓄えられる。    
  5. 高エネルギー化合物はアデノシン三リン酸(ATP)とクレアチンリン酸である。

 

 

 

 

 

 

 

1.アミノ酸グルコースはグリコーゲンとして蓄えられる。

いきなりですが、1番が誤っています

アミノ酸が繋がってタンパク質ができています

グリコーゲンに直接変換されるのは、グルコース=ブドウ糖です

 

 

2.ブドウ糖は解糖によりピルビン酸となる。

正しい文章

解糖=解糖系 のことで高校の生物でも習う部分ですね

解糖系は一言でいうと

1分子のブドウ糖を2分子のピルビン酸に分解する

といえます

解糖系の重要ポイントは、酸素を必要としないということです

ピルビン酸までの分解が行われた後、

  • 酸素がある場合は、ピルビン酸はクエン酸回路へ
  • 酸素がない場合は、ピルビン酸は乳酸に変化します

 

いわゆる、無酸素運動を繰り返すと乳酸が溜まりやすい

というのはこの点に由来します 

 

 

3. 運動強度が上がると糖質の利用が高まる。

この文章は正しい

運動強度が上がると、糖質利用が高まる

エネルギーを使うので、当然ですね

糖質をある程度使うと、脂肪の分解も進んできます

 

 

4.食物から吸収されたブドウ糖の一部は、肝細胞中にグリコーゲンとして蓄えられる。    

正しい文章

1問目を見てもわかるように

グリコーゲンについての知識は大事なんです

 

 

5.高エネルギー化合物はアデノシン三リン酸(ATP)とクレアチンリン酸である。

正しい文章

高エネルギー化合物にはいくつかありますが、

その中でも最重要なのはATPとクレアチンリン酸です

 

ATPは生物の使用するエネルギーそのものといっても過言ではありません

あらゆる生物は食事、栄養からATPというエネルギーを作り出し生きているのです

 

もう一つの、クレアチンリン酸というのは

筋肉に豊富で、グリコーゲンよりもさらに

即効性の高いエネルギー物質です

 

 

ちなみに、クレアチンリン酸は代謝されると

クレアチニンという物質(名前がとても似ている)

となり、尿中に排泄されます

 

これは腎機能の評価に用いられるのですが

筋肉量に比例するため、男性の方が基準値が高いです

 

 

 

●この問題のポイント

  • グリコーゲンはブドウ糖の貯蔵形態
  • ブドウ糖は解糖系で代謝され、ピルビン酸となる
  • 高エネルギー化合物の代表は、ATPとクレアチンリン酸
  • クレアチンリン酸は特に筋肉に豊富

 

 

 

糖質代謝について正しいのはどれか

  1. ビタミンCが補酵素として関与する
  2. 酸化的リン酸化によって乳酸を生じる
  3. 中枢神経は脂肪酸をエネルギー源とする
  4. 甲状腺ホルモンは糖質代謝には関与しない
  5. グルカゴンは糖新生系の生合成を促進する

 

 

 

この問題はやや複雑な知識が多いです

全てをしっかり理解しようとすると

覚えることも多く混乱してしまいます

 

このように情報量の多い問題は

一旦捨て置く、それも重要な選択肢の一つです

 

その分、専門分野に力を入れたほうが

得点アップにつながるケースも多いです

 

 

 

以下の解説は参考程度に読んでみてください

 

 

ビタミンCビタミンB1が補酵素として関与する

糖質代謝に重要なのはビタミンB1です

別名をチアミンといいます

ビタミンB1の欠乏症は、脚気とウェルニッケ脳症でしたね

このように知識を関連付けていきましょう


 

2.酸化的リン酸化によって乳酸を生じる

酸化的リン酸化とは、

電子伝達系でのATP産生を意味します

(詳細の解説はここでは省略します)

 

この文章を正しく直すのであれば

ピルビン酸が還元されて、乳酸を生じる

となります

 

3.中枢神経は脂肪酸グルコースをエネルギー源とする

中枢神経とは脳と脊髄です

脳の栄養源はグルコースだけです

 

勉強中の糖分補給は大事だということですね

 

 

4.甲状腺ホルモンは糖質代謝には関与しないする

甲状腺ホルモンは

  • T3(トリヨードサイロニン)
  • T4(サイロキシン)

ですね、そしてその役割とは

代謝の亢進です

 

代謝が亢進するということは

糖質代謝を含め、エネルギーの消費が大きくなります

なので思いっきり関与してるというわけですね

 

 

5.グルカゴンは糖新生系の生合成を促進する

正しい文章です

まず糖新生を簡単に説明すると

解糖系と逆に、ピルビン酸をグルコースに戻す反応

といえます

 

これは脂質やタンパク質から、ピルビン酸を経由して

グルコースを作り出せる、ということを意味します

 

余談ですが、ライオンのような肉食動物は、糖質をほとんど食事から取れませんが

糖新生によって、タンパク質からグルコースを体内で作り出しています

 

 

さて、次はグルカゴンについてです

グルカゴンはインスリンの対となるホルモンです

 

  • グルカゴン:血糖値を上げるホルモン
  • インスリン:血糖値を下げるホルモン

 

 

血糖値を上げる、とはどういうことでしょうか

 

血糖値とは血中のグルコース濃度です

 

つまり、グルカゴンは

  • グリコーゲンを分解してグルコースが増える
  • 糖新生を起こしてグルコースが増える

このような状態にするのがグルカゴンの役割です

 

逆に、インスリンは血糖値を下げる

  • グリコーゲンを生成して、グルコースを減らす
  • 糖新生を抑制して、グルコースを増やさない

 

このような作用があると言えます

 

 

●この問題のポイント

  • ビタミンB1(=チアミン)は解糖系代謝に必要
  • 酸化的リン酸化とは電子伝達系の反応のこと
  • 脳のエネルギーはグルコースだけ
  • 甲状腺ホルモンは代謝を更新させる(=血糖値を上げる)
  • グルカゴンはグリコーゲン分解、インスリンはグリコーゲン合成
  • グルカゴンは糖新生促進、インスリンは糖新生抑制

 

 

 

たった3問でしたが、重要なポイントを抜き出していくと

結構な数の知識が入っていることがわかりますね

 

国試勉強は過去問を解いて

これを繰り返すにつきるのです

 

解いた問題の数だけ点数の伸び率は上がります!

がんばっていきましょう!!

ではでは!!

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