医療系国家試験の解説サイト
国試かけこみ寺です!
令和2年2月19日(水)に実施された
の臨床検査技師国家試験問題について
一部の分野をわかりやすく解説していきます!
問題(+別冊)と解答は厚生労働省のHPで公開されています
※以下の問題の出典は全て、厚生労働省のホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp200414-07.html)で公開している問題を引用しています。
問題に対する解説は国試かけこみ寺のオリジナルとなります。]
MT66-AM42:蛋白質合成の場として重要なのはどれか。
1.Golgi装置
2.滑面小胞体
3.リボソーム
4.ミトコンドリア
5.ペルオキシソーム
タンパク質の合成というキーワードがくれば
3.リボソーム が正解ですね
リボソームがある場所は、粗面小胞体です
リボソームのない小胞体は滑面小胞体と呼ばれ
脂肪酸合成の場となります
各選択肢の役割をまとめておきます
1.Golgi装置ー糖鎖の付加
2.滑面小胞体ー脂肪酸合成など
3.リボソームータンパク質合成=翻訳
4.ミトコンドリアー呼吸、ATP産生など
5.ペルオキシソームー酸化反応
他、詳細は以下の記事で解説しています!
わからないものがある人はノートにまとめるのもよいでしょう
MT66-AM43:血中薬物濃度測定(TDM)の対象とならない薬物はどれか。
1.抗凝固薬
2.抗不整脈薬
3.免疫抑制薬
4.抗てんかん薬
5.アミノ配糖体抗菌薬
TDMの対象となる薬は有効濃度域が狭い薬物です
TDMとは簡単にいうと、
少量で大きな副作用が起こりうる薬に対して
血中濃度を測定し、濃度を管理することです
場合によっては、代謝異常や腎障害によって
薬の血中濃度が下がりにくい患者さんもいるため
TDMの測定はこのような場合にも重要です
実は薬剤師でなく、臨床検査技師が測定することも多いんですね
さて、このTDMでよく測定される薬というのは
結論からいうと覚えるしかありません
選択肢の中の代表的な薬を例に示します
1.抗凝固薬ーワーファリン
2.抗不整脈薬ージゴキシン・リドカイン
3.免疫抑制薬ータクロリムス・シクロスポリン・メトトレキサート
4.抗てんかん薬ーフェノバルビタール・フェニトイン
5.アミノ配糖体抗菌薬ーゲンタマイシン・アルベカシン
答えは1となるわけですが
抗凝固薬であるワーファリンは
血を固まらなくする薬です
他の選択肢にある
抗不整脈、免疫抑制、抗てんかん
これらの薬よりは比較的安全なイメージかと思います
抗菌薬に関しては、アミノ配糖体・グリコペプチド系がTDMの対象です
具体的には
アミノ配糖体:ゲンタマイシン、アルベカシン
グリコペプチド系:バンコマイシン・テイコプラニン
特に赤字の3つは、抗MRSA薬として有用ですから
絶対に覚えておくことをおすすめします
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MT66-AM44:尿中デオキシピリジノリン (DPD)について正しいのはどれか。2つ選べ。
1.骨粗鬆症で低値を示す。
2.男性は女性よりも高値を示す。
3.悪性腫瘍の骨転移で低値を示す。
4.健常者では成長期に高値を示す。
5.原発性副甲状腺機能亢進症で高値を示す。
尿中デオキシピリジノリンは骨吸収マーカーです
骨吸収では主に破骨細胞が骨を溶解し、
血中Caを上げる方向に働きます
DPDが上がるということは骨吸収が盛んである、といえます
このカルシウムの動きをメインに考えていきましょう
1.骨粗鬆症で低値高値を示す。✕
骨粗鬆症は骨吸収が進み、骨が溶けてスカスカになってしまう病気ですね
つまり骨吸収が優位、DPDは増加するはずです
2.男性は女性よりも高値低値を示す。✕
一般的に、骨粗鬆症は女性がなりやすいです
そのため女性の方がDPDも高い傾向にあるようです
3.悪性腫瘍の骨転移で低値高値を示す。✕
悪性腫瘍の骨転移では、癌細胞が骨を破壊してしまいます
そのため骨吸収の促進によりDPD高値
4.健常者では成長期に高値を示す。○
成長期では、骨形成と骨吸収を繰り返すことで身長が伸びます
そのため成長期は骨代謝が盛んなので、
骨形成・骨吸収のいずれも高値であると考えられます
5.原発性副甲状腺機能亢進症で高値を示す。○
副甲状腺のホルモンといえば
血中Caを上昇させる、パラトルモンですね
このことから、骨吸収が優位となりDPD増加です
血中カルシウムとホルモンの関係については
以下の記事でまとめていますので復習にどうぞ!
MT66-AM52:ATP を産生するのはどれか
1.Golgi装置
2.滑面小胞体
3.粗面小胞体
4.リボソーム
5.ミトコンドリア
この問題は範囲としては病理分野から出ているのですが
先程のAM42とほぼ同じ問題ですね!
このように細胞内小器官の役割というのは
聞かれやすいことがわかります
しっかりとまとめておきましょう!
ATPの産生といえば、当然 5.ミトコンドリアですね。
MT66-AM53:器官または組織と胚葉との組合せで正しいのはどれか。
1.心 臓 -内胚葉
2.皮 膚 -中胚葉
3.膵 臓 -中胚葉
4.腸 管 -外胚葉
5.中枢神経-外胚葉
三胚葉の分類はかなり高い確率で出ていますので
ぜひとも押さえておきたいですね!
ざっくり覚えるポイントとして
・外胚葉は 皮膚と神経
・内胚葉は
- 呼吸器
- 消化(胃腸・膵・肝)
- 膀胱
- 甲状腺
・中胚葉はとりあえず心臓だけ
これだけは最低限覚えておくと判断しやすくなりますよ
選択肢を正しいものに直すと
1.心 臓 –内胚葉中
2.皮 膚 –中胚葉外
3.膵 臓 –中胚葉内
4.腸 管 –外胚葉内
5.中枢神経-外胚葉
国家試験の過去問でよく見かける問題は
当然ながら狙われやすい問題です
いつか覚えればいいや、ではなく
わからなければ、すぐまとめるようにしましょう!
今回はここまでです!見て頂いてありがとうございます。
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