【第66回臨床検査技師国家試験】AM60, 61 62, 63, 65の問題をわかりやすく解説

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国試かけこみ寺です!

令和2年2月19日(水)に実施された

の臨床検査技師国家試験問題について

一部の分野をわかりやすく解説していきます!

問題(+別冊)と解答は厚生労働省のHPで公開されています

※以下の問題の出典は全て、厚生労働省のホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp200414-07.html)で公開している問題を引用しています。

問題に対する解説は国試かけこみ寺のオリジナルとなります。

 

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mt66-AM60:トロンボモジュリンに結合したトロンビンの作用はどれか。

1.血小板活性化
2.フィブリン形成
3.第Ⅴ因子活性化
4.第Ⅷ因子活性化
5.プロテイン C活性化

 

丁寧に、問題に出てくる用語を整理していきましょう!

 

  • トロンボモジュリンとは

血管内皮細胞表面に存在

トロンビンと複合体を形成して

凝固阻害因子のプロテインCを活性化する

 

このことから答えはです

 

国試勉強のポイントの一つは

・わからない単語を調べること

基本的には教科書の索引で調べるのが確実ですが

Google検索などでキーワードをいれてみるのもよいでしょう

 

(※ただし、3分程度調べてわからなければとりあえず置いておいてもよいです。近年の国試では非常に難しい言葉が選択肢に出ている傾向もあるためです)

 

答えであるプロテインCについても整理しておきましょう

 

  • プロテインCとは

プロテインCは抗凝固作用を持ち

トロンビン-TM複合体によって活性化プロテインCとなる

活性化プロテインCは第Va因子と第VIIIa因子を失活させ

トロンビンの生成を抑制する

 

・トロンビンートロンボモジュリン

・活性化プロテインC

これら2つの関係性が整理できましたね

 

 

mt66-AM61:白血病細胞の細胞表面マーカーで CD5、CD20 及び CD23 が陽性であった。考えられるのはどれか。

1.成人 T 細胞白血病
2.ヘアリー細胞白血病
3.慢性リンパ性白血病
4.急性巨核芽球性白血病
5.B リンパ芽球性白血病

 

CD5:成熟T細胞に発現

CD20:B細胞マーカー

CD23:B細胞マーカーであり、IgE受容体の役割

 

これら3つのマーカーが陽性であることから

T細胞およびB細胞のどちらも増殖する白血病

 

すなわち 3.慢性リンパ性白血病 が答え

と導き出されます

 

ちなみに2のヘアリー細胞白血病は有毛細胞白血病ともいい

B細胞系の白血病です

 

mt66-AM62:プロトロンビン時間(PT)及び活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)に異常を示さない血液凝固因子欠乏症はどれか

1.第Ⅶ因子
2.第Ⅷ因子
3.第Ⅹ因子
4.第Ⅻ因子
5.第XⅢ因子

 

PTとAPTTに関与する凝固因子を整理しましょう

 

PT:Ⅲ・Ⅶ(3・10)

APTT:Ⅻ・Ⅺ・Ⅸ・Ⅷ(12・11・9・8)

共通:Ⅹ・Ⅴ・Ⅱ・Ⅰ(10・5・2・1)

 

5.第XIII因子(13因子)は実はPT, APTTとは関係ありません

13因子はフィブリン安定化因子 と呼ばれ

フィブリン形成後の最終段階で作用するため、

PT, APTTとは無関係となります

 

mt66-AM63:二次線溶を反映する検査はどれか。

1.D ダイマー
2.フィブリノゲン
3.プラスミノゲン
4.アンチトロンビン
5.プラスミンインヒビター

 

線溶について整理しましょう

 

線溶とは、凝固のあとに血栓を溶かすことです

一般的に線溶というと、二次線溶を指します

一次と二次の違いを簡単に説明すると

 

・一次線溶:フィブリノゲンの除去

二次線溶:フィブリンの除去

 

二次線溶の流れをまとめると

プラスミノーゲンが活性化してプラスミンとなる

プラスミンがフィブリン・フィブリノゲンを分解

フィブリン・フィブリノゲンの分解産物がFDP

フィブリンが更に分解されたものがD-ダイマー

線溶が終わると、プラスミンはプラスミンインヒビターと結合し

複合体=PIC を形成して、線溶が終了

 

これらのことから二次線溶のマーカーとなるのは

1.Dダイマーですね

 

ちなみに、PICは

一次線溶および二次線溶 両方の亢進を示すものです

 

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mt66-AM65:血漿鉄消失時間が延長するのはどれか

1.溶血性貧血
2.鉄欠乏性貧血
3.巨赤芽球性貧血
4.再生不良性貧血
5.真性赤血球増加症

 

この問題を解くためには血漿鉄消失時間を知る必要がありますね

  • 血症鉄消失時間とは

鉄がどれだけの速さで消費されているかを表す時間

血液中から造血系組織に鉄が移動することで

血中の鉄が消失する、すなわち

赤血球の増産が活発かどうか

を指標にすればよいのですね

 

1.溶血性貧血
2.鉄欠乏性貧血
3.巨赤芽球性貧血
4.再生不良性貧血
5.真性赤血球増加症

 

4.再生不良性貧血 は造血幹細胞が減少し

そもそも血球を作れなくなってしまう病気です

 

1,2,3はそれぞれ貧血となりますが

貧血を補うため赤血球を作ることは出来ます

 

5はそもそも赤血球の産生が過剰になります

 

これらのことから、赤血球を作りたくても作れない

4.再生不良性貧血では

鉄が使われることなく、血症鉄消失時間が延長するといえます

 

 

本日は血液系の問題解説でした

血液系は段階的に物事を整理していくと理解しやすいです

一度見ただけでは覚えるのが難しい分野なので

ノートなどに情報を整理しながらまとめることをおすすめします

 

↓勉強についての参考記事ですのでよければご覧ください。

ここまで読んでくれてありがとうございます!

 

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