副腎皮質ホルモンは国試で狙われやすい
副腎は腎臓の上部にくっついている小さい臓器です
- 髄質
- 皮質
の2つの部分に分かれており
小さい臓器ながら
分泌しているホルモンの役割は超重要
かつ
国家試験に狙われやすいです
副腎皮質ホルモンはその役割と
病気も非常に重要になりますので
ポイントをまとめて解説していきます
普段より長くなりますので
何度か読み返してほしいと思います!
↓髄質についてはこちらの記事をどうぞ
まずは副腎皮質ホルモンの名称と特徴を覚えよう
副腎皮質ホルモンは
主に
糖質コルチコイド
=コルチゾール
鉱質コルチコイド
=アルドステロン
に分けられます
名前は、両方覚えておくべきですが
コルチゾールとアルドステロンという名称の方がよく出てきます
※もう一つDHEAという副腎性の性ホルモンもありますが
今回の記事では情報が多くなるため省略しています
糖質コルチコイド
=コルチゾール
鉱質コルチコイド
=アルドステロン
その役割は漢字の部分に特徴が表れています
糖質コルチコイド=コルチゾールは血糖値・血圧の上昇
鉱質コルチコイド=アルドステロンはナトリウム・カリウムのミネラル調整をしています
副腎皮質ホルモンはいわゆる”ステロイド”である
副腎皮質ホルモンはステロイドホルモンと呼ばれます!
名前を聞いたことはあるでしょうか
ステロイドホルモンには炎症を抑える作用もあり
薬として使われる場合には炎症を抑える目的が多いですね
ステロイドホルモンは
コレステロールを原料として作られるホルモンの総称です
副腎皮質ホルモンの他にも
性ホルモンもステロイドホルモンに分類されています
コレステロールから作られる
ステロイドホルモンで覚えましょう
↓ホルモン分類を勉強するならこちらの記事を御覧ください!
【3分で覚える】ホルモンの分類【アミン・ペプチド・ステロイド】
副腎皮質ホルモンの役割
糖質コルチコイド=コルチゾールは血糖値・血圧の上昇
糖質の名の通り、血糖値を上昇させたり
それに伴って血圧も上昇させる働きもあります
鉱質コルチコイド=アルドステロンは
ナトリウム・カリウムのミネラル調整
具体的には
尿細管のナトリウムNaの再吸収を促進し
血中のNa濃度が上昇します
その結果、血圧が上がるわけです
また、
ナトリウムNa と カリウムK は
どちらかが上がるとどちらかが下がるというようにバランスをとっているので
ナトリウムが上がると、カリウムは下がります
まとめると
- 糖質コルチコイド=コルチゾール
- 血糖値上昇+血圧上昇
- 鉱質コルチコイド=アルドステロン
- Na濃度上昇→血圧上昇
副腎皮質ホルモンの病気
副腎皮質ホルモンが関わる病気は最重要事項です!
覚えるべき病気は3つです
副腎皮質ホルモンの病気
クッシング症候群 – コルチゾール過剰
原発性アルドステロン症 – アルドステロン過剰
アジソン病(副腎皮質機能低下症) – コルチゾール・アルドステロン共に低下
クッシング症候群
クッシング症候群はコルチゾール増加の影響で
高血糖になり、体重も増加、コレステロールも増加が見られます
・満月様顔貌(ムーンフェイス)
=顔が月のように丸く太ってしまうことが特徴にあげられます
(手塚治虫のブラック・ジャックでは「満月病」という回で患者さんが登場しています)
他には、
・中心性肥満・野牛肩(身体の中心から肥満が起き、いかり肩となる)
原因にはいくつかあり、コルチゾールの分泌をコントロールしている
下垂体前葉の副腎皮質刺激ホルモンも関わっています
ただ、今回はとりあえず
クッシング症は
コルチゾールが過剰になってしまう病気で
高血糖・高血圧・高コレステロールを特徴とする
という認識で大丈夫です
(病気のせいで、メタボになるというイメージ)
原発性アルドステロン症
こちらは腫瘍などが原因で
アルドステロンの分泌が過剰になってしまう病気です
クッシング症のような目立った高血糖は見られにくいですが
鉱質コルチコイド=アルドステロンの分泌が過剰になるため
高Na、低K 血症を特徴とする病気です
血中Na上昇により結果的に、高血圧が主な症状となります
アルドステロンでもう一つ重要なのは
そのフィードバック機構であり
レニン ー アンジオテンシン というホルモンにコントロールされています
こちらについては、別の記事でしっかりと解説しています!
アジソン病(副腎皮質機能低下症)
アジソンという人が発見した病気ですが
その病態は漢字名の通りです
副腎皮質の機能が慢性的に低下する
すなわち
コルチゾール・アルドステロンの
両方とも分泌が低下してしまいます
コルチゾール不足により低血糖・低血圧となり
倦怠感などの症状へ繋がっていきます
アルドステロン不足により
Naは低下、相対的にKは上昇します
アジソン病での高カリウム血症は
国家試験での1つのチェックポイントになると思います
副腎皮質ホルモンの病気とチェックポイントのまとめ
クッシング症、原発性アルドステロン症、アジソン病
これら3つの病気と
血圧・血糖・ナトリウム・カリウムをまとめた表がこちらです!
これを覚えていればある程度 対応できる!
というものを表にまとめました
といっても、クッシング症とアルドステロン症は
同じような動きをしていますし
アジソン病はその反対
と、覚えてしまえばそんなに難しくはありませんね
最後に例題で、復習をしておきましょう
内分泌機能と疾患の組み合わせで正しいのはどれか【PT国試より改変】
- 副腎皮質機能亢進 ー Cushing症候群
- 副腎皮質機能亢進 ー Addison病
- 副腎髄質機能亢進 ー 原発性アルドステロン症
正解は1
正しい組み合わせはどれか【MT国試より改変】
- Cushing症候群 ー 血中コルチゾール減少
- Addison病 ー 尿カリウム排泄増加
- 原発性アルドステロン症 ー ナトリウム再吸収促進
1つずつしっかり考えていきましょう
- Cushing症候群 ー 血中コルチゾール
減少増加
クッシング症はコルチゾールが増加します
よってこれは間違いですね
2. Addison病 ー 尿カリウム排泄増加減少
アジソン病はコルチゾールとアルドステロンの減少によって
低血糖・低血圧になり、低ナトリウム、高カリウム
となります
ナトリウムは再吸収されず出ていくため低下
カリウムは排泄されずに溜まっていくので増加
アジソン病では尿カリウム排泄が減少します
3.原発性アルドステロン症 ー ナトリウム再吸収促進
アルドステロンではナトリウムの再吸収が促進
結果的に高ナトリウム血症になり
高血圧になっていきます
ということで、この組み合わせは正しい!
副腎皮質ホルモンとその病気について
記事の中で示した図表については写すだけでもいいので、一度自分で書いてまとめてみることをおすすめします!
次回は副腎皮質ホルモンのフィードバックについてです
コルチゾールとアルドステロン
それぞれのフィードバック機構は異なるため
しっかり解説していきたいと思います
・コルチゾールはこちら→【内分泌】視床下部のホルモン – 下垂体ホルモン分泌の司令塔【正と負のフィードバック】
・アルドステロンはこちら→【内分泌】必修:副腎皮質ホルモンのフィードバック!【レニン -アンジオテンシン – アルドステロン系】
↓他にも国試で狙われやすいホルモンについての記事を書いています
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