医療系国家試験の解説サイト
国試かけこみ寺です!
令和2年2月23日(日)に実施されたPT国試の
基礎医学系の問題について解説していきます!
問題(+別冊)と解答は厚生労働省のHPで公開されています
※以下の問題の出典は全て、厚生労働省のホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp200414-08_09.html)で公開している問題を引用しています。
問題に対する解説は国試かけこみ寺のオリジナルとなります。
PT55-AM73:肺機能検査とその説明の組み合わせで正しいのはどれか
1.1秒量ー安静呼気の呼出開始から1秒間に呼出した肺気量
2.残気量ー安静呼気位に肺内に残存した肺気量
3.肺活量ー最大吸気位からゆっくりと最大呼気位まで呼出した肺気量
4.拘束性換気障害ー%肺活量90%未満
5.閉塞性換気障害ー1秒率80%未満
1.1秒量ー安静呼気最大吸気の呼出開始から1秒間に呼出した肺気量
大きく息を吸って、フーーッと吐いた時の最初の1秒の空気量です
2.残気量ー安静最大呼気位に肺内に残存した肺気量
残気量と、機能的残気量の違いは必ずわかっていなければなりません
機能的残気量が、安静呼気位での残存肺気量
残気量は、最大呼気位での残存肺気量
残気量とは自分の力で最大まで吐いても、どうしても肺の中に残ってしまう空気量です
3.肺活量ー最大吸気位からゆっくりと最大呼気位まで呼出した肺気量
これは正しいですね。思いっきり吸って、思いっきり吐いた空気量です
目安としては4L前後です
4.拘束性換気障害ー%肺活量9080%未満
5.閉塞性換気障害ー1秒率8070%未満
肺機能検査については以下の記事にもまとめてあります
PT55-AM75:胎児期に感染することで先天性奇形を生じるのはどれか
1.MRSA
2.結核菌
3.風疹ウイルス
4.B型肝炎ウイルス
5.ヘリコバクター・ピロリ
1.MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)
ペニシリン系の薬剤に耐性を持つ黄色ブドウ球菌で、
院内感染などで問題となることが多いです
2.結核菌
臍帯を通した感染の可能性はありますが、
奇形性の報告などはないようです
3.風疹ウイルス
妊婦が風疹にかかった場合、
赤ちゃんが先天性風疹症候群にかかる可能性があります
先天性の心疾患などを持つ可能性がありますので
風疹のワクチンが推奨されています
(父親から母親への感染もあるので、男性もワクチンが推奨されます)
4.B型肝炎ウイルス
奇形性の報告はほぼないようですが、
母子感染はありえます
妊婦さんがB型肝炎ウイルスキャリアの場合、
新生児に感染する可能性がありますので、
妊婦さんの抗体検査は必須ですね
5.ヘリコバクター・ピロリ
ピロリ菌は胃潰瘍や胃癌の原因と言われる菌です
胃に存在する菌なので、妊娠中に子どもへの感染はありませんが
妊娠中、授乳中には除菌薬を飲めないため、注意が必要です
PT55-AM77:胃全摘手術後に起こりやすいのはどれか
1.多血症
2.てんかん
3.血小板減少
4.逆流性食道炎
5.高カルシウム血症
胃の全摘で起こりうるのは
4の逆流性食道炎です
逆流性食道炎といえば、ストレスなどにより
胃液が逆流し、食道炎が起こる病気で
現代社会ではこの症状に悩まされる人も多いです
胃を摘出していまったら、胃液が出なくなり一見ならないように思えますが
胃がなくなり食べ物がそもそも食道に逆流しやすく、
十二指腸液(胆汁など含む)の逆流によって炎症が起きてしまいます
他に、胃の全摘で起こりうる症状に
悪性貧血があります
こちらはビタミンB12の欠乏によって起こる貧血です
詳しくは以下の記事に書いています
余裕があるうちは
1問1問にしっかり時間をかけることも有効です
時間をかけてでも、しっかりと理解できた事は
頭に定着しやすい
というメリットもあります
コツコツ勉強を積み重ねていきましょう!
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