【臨床化学・電解質②】血液検査データの読み方と病態をわかりやすく解説【Cl, Ca, P】

臨床化学

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国試かけこみ寺です!

臨床化学のデータの読み方と病態についてシリーズ化して記事を書いております!

臨床化学は多くの人が難しいと感じる科目ですが、丸暗記だけで対応することはかなり難しいです

そのため、なぜこの病気でこの項目が上がるのか・下がるのか、など一度は理由を知っておくと、いざ暗記するときも頭に残りやすくなります

今回は、前回のNa, Kに引き続き、電解質のCl, Ca, P編いってみたいと思います!

  

↓前回の記事はこちらから

 

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Cl-クロール(クロライド)

基準範囲 覚えやすいように丸めています、基準値は施設により異なる場合があります

  • Cl:100~110 mmol/L(=mEq/L)

大体100、と覚えてしまってOKです。100を少し下回ることもあります。

 

チェックポイント 重要度が高いものにマーカー

・ナトリウムと連動することが多い(プラスとマイナスの電荷のバランスを取り合う)

・クロールは酸塩基平衡・AG(アニオンギャップ)などでよく出てきます

アニオンギャップ(AG)は
[Na+] -([Cl]+[HCO3])
ナトリウムイオンー(塩化物イオン+重炭酸イオン)

この式から、低クロールではAGが大きくなることがわかります

 

高Cl:要因とそのメカニズム

・高Naに連動する

・サリチル酸中毒ー国試でたまに出てきます。機序は省略しますが覚えておくとよいです!

 

低Cl:要因とそのメカニズム

・嘔吐ー胃酸(HCl)を失うため。代謝性アルカローシス。

・アニオンギャップが増大する疾患ー乳酸アシドーシス、ケトアシドーシス、腎不全

 

アニオンギャップについては以下の記事で解説しています↓

  

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Ca-カルシウム、P-リン

ナトリウムとカリウムのように、カルシウムとリンも互いに負の連動をします

Ca↑ならP↓、Ca↓ならP↑が基本です(※例外あり)

 

基準範囲 覚えやすいように丸めています、基準値は施設により異なる場合があります

  • Ca:8.6~10.0 mg/dL(=4.3~5.0mEq/L)
基準値の覚え方
カルシウム→クァルシウム→9ぐらい±1。mEq/Lなら半分。

Caは通常 mg/dLですが、国試ではmEq/L 表記で問題が出ることがあります

※mg/デシリットルなので注意

mEq/L はmmol/Lに価数を掛けたものになります、そして、カルシウムの場合はmEq/Lがちょうどmg/dLの半分になるという特徴があります(Caの分子量が40で価数が2であるため、数字の偶然です)

・P:2.0~4.0 mg/dL

リンの基準値の覚える優先度は低めで大丈夫です

 

チェックポイント 重要度が高いものにマーカー

腎臓の基本的な働きはNa再吸収、K排泄でしたが、ここにCa再吸収、P排泄も加わります

Ca↑ならP↓、Ca↓ならP↑が基本です

・ただし、ビタミンD3の欠乏が例外でどちらも低下します(後述)

 

Ca:カルシウムの基本情報をおさらい

・血中では、イオン型50%、蛋白(アルブミン)結合型40%、その他10%の状態で存在

アルブミン結合型は、低アルブミンとなると偽低値となるため補正が必要

代表的な低アルブミン疾患:ネフローゼ症候群(糸球体から蛋白流出)、肝硬変(蛋白合成能低下)

・EDTA採血ではキレートされるため、測れない(2価金属全般、Ca, Mg, Zn, など)

・低Ca血症で起きる痺れや痙攣(けいれん)をテタニーという

・甲状腺ホルモンのカルシトニン、副甲状腺のパラトルモンの影響を受ける、同様に骨形成、骨吸収と連動する

↓関連記事はこちら

 

高Ca、低P:要因とそのメカニズム

・副甲状腺機能亢進症ーパラトルモン過剰、骨吸収促進

・多発性骨髄腫・骨肉腫などの骨破壊が起こる疾患

 

低Ca、高P:要因とそのメカニズム

・腎不全ーCa再吸収の低下=尿に出ていく、P排泄の低下=体内に溜まる

・副甲状腺機能低下・甲状腺機能亢進ーそれぞれのホルモンの影響

 

低Ca、低P:要因とそのメカニズム

ビタミンD3欠乏症ーV.D3の欠乏によって、Ca吸収が低下→Ca濃度を上げようとパラトルモン分泌が亢進する→結果、Pが低下する、Caは吸収できていないので上がらない

 

高Ca、高P:要因とそのメカニズム

・ビタミンD3中毒ー上記と逆と考えてOK

 

 

電解質では特に、Na, K, Caは絶対チェックしておきましょう!

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