医療系国家試験の解説サイト
国試かけこみ寺です!
令和2年2月23日(日)に実施されたPT国試の
基礎医学系の問題について解説していきます!
問題(+別冊)と解答は厚生労働省のHPで公開されています
※以下の問題の出典は全て、厚生労働省のホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp200414-08_09.html)で公開している問題を引用しています。
問題に対する解説は国試かけこみ寺のオリジナルとなります。
PT55-PM62:神経筋接合部における神経伝達物質はどれか。
1.ノルアドレナリン
2.アセチルコリン
3.アドレナリン
4.セロトニン
5.ドパミン
神経伝達物質について整理していきましょう!
筋接合部の重要な神経伝達物質が
アセチルコリンです
そして神経にあるアセチルコリン受容体に対する自己抗体
ができる病気が、重症筋無力症です
※受容体とは、ある物質が結合する部位のこと
他に、アセチルコリンは副交感神経の伝達物質でもあります
それに対して、交感神経の伝達物質はノルアドレナリンです
アドレナリン・ノルアドレナリン・ドーパミンは
副腎髄質ホルモンで、まとめカテコラミンと呼ばれます
セロトニンは幸せホルモンとも呼ばれ、主に腸から分泌されるホルモンです
分泌のバランスが精神疾患にも関係するといわれています
↓以下の記事で詳細を解説しています
PT55-PM65:心室収縮期に生じているのはどれか。2つ選べ
1.三尖弁開放
2.僧帽弁閉鎖
3.大動脈弁閉鎖
4.肺動脈圧低下
5.肺動脈弁開放
まずは心臓の構造をしっかり確認です
赤枠で囲ってあるのが心臓の重要な4つの弁です
問題は、「心室収縮期」に生じているのはどれか
画像を見ながら、心室が収縮するとどう動くのかを考えましょう
まずわかりやすいのは
大動脈弁の開放ですね、心室が収縮→大動脈に血液を送る
大動脈弁が開かなければいけませんね
同様に、逆流を防がなければいけないので
僧帽弁は閉鎖
では(心臓の)右側はどうなるのか
左心室から血液が送り出されるので、また補充をしなくてはいけません
そのために、右室から肺に血液を送ることも同時進行します
つまり、肺動脈弁の開放ですね
この時、また逆流を防がなければいけないので
三尖弁は閉鎖します
これが心臓が収縮する時の基本的な動きになります
心臓の問題は自分で簡単な絵を書いて考えてみると
落ち着いて考えることができ、おすすめです!
ちなみに拡張時の動きも以下にまとめておきます
心室拡張期=心室に血液を溜める
心室に送り込むため、僧帽弁開放
漏れないように、大動脈弁閉鎖
右側も同様に、三尖弁開放、肺動脈弁閉鎖
PT55-PM69:嫌気的代謝の過程で生成される物質はどれか
1.アミノ酸
2.クエン酸
3.フマル酸
4.ピルビン酸
5.イソクエン酸
嫌気的代謝というのは、
いわゆる解糖系のことです
解糖系は簡単に説明すると、
グルコースをピルビン酸に変換する代謝
(ということで答えは4です)
その後、
酸素があれば、好気呼吸が進行しクエン酸回路が働く
酸素がなければ、ピルビン酸が乳酸に変化する
↓エネルギー代謝については以下でも詳しく解説しています
国試勉強の参考になれば幸いです!
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