【第66回臨床検査技師国家試験】PM68, 70, 72, 74, 77, 78の問題をわかりやすく解説

MT国家試験

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国試かけこみ寺です!

令和2年2月19日(水)に実施された

臨床検査技師国家試験問題について

一部の分野をわかりやすく解説していきます!

問題(+別冊)と解答は厚生労働省のHPで公開されています

※以下の問題の出典は全て、厚生労働省のホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp200414-07.html)で公開している問題を引用しています。

問題に対する解説は国試かけこみ寺のオリジナルとなります。

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MT66-PM68 Gram 陰性菌の菌体でリポ多糖体からなるのはどれか。

1.外 膜
2.細胞壁
3.細胞膜
4.ペリプラズム
5.ポーリン蛋白

 

グラム陽性菌と陰性菌の違いについて

簡単にまとめると

 

グラム陽性菌

ペプチドグリカン層が厚い

・外膜はない

 

グラム陰性菌

・ペプチドグリカン層が薄く

外膜を持つ

・外膜の最も外側にリポ多糖を持つ

(リポ多糖=リポポリサッカライド=LPS)

 

ということで、答えは1.外膜です

リポ多糖はグラム陰性菌に特徴的であり

また、リポ多糖は内毒素(=エンドトキシン)でもあります

 

ちなみに

2.細胞壁はグラム陰性菌の場合

外膜+ペプチドグリカン層を指しますので

正しいとも言えますが、

選択肢的に1.外膜 がより正確になりますね

 

4.ペリプラズムは細胞膜と外膜の間の空間のこと

 

5.ポーリン蛋白とはグラム陰性菌の

外膜に存在する膜貫通タンパク質です

 

MT66-PM70 選択物質として抗菌薬を含むのはどれか。2つ選べ。

1.SS 寒天培地
2.TCBS 寒天培地
3.Skirrow 寒天培地
4.B-CYEα 寒天培地
5.Thayer-Martin 寒天培地

 

選択培地はこつこつまとめて覚えていくしかありません

おすすめの方法は、英単語カードのように

表に培地の名前、裏に選択物質、選択できる菌などを

まとめる方法です

 

ここではとりあえず、選択肢にある培地をまとめていきましょう

 

1.SS 寒天培地

SSとはSalmonella-Shigella すなわち

サルモネラ菌と赤痢菌の分離培地です

 


2.TCBS 寒天培地

TCBS培地はVibrio すなわち

腸炎ビブリオ菌、コレラ菌の分離培地です

 

 

3.Skirrow 寒天培地

スキロー培地は

Campylobacter jejuni、 Helicobacter pylori の分離培地です

特徴として、ポリミキシン B バンコマイシン、トリメトプリム

という抗菌薬を含んでいます

 


4.B-CYEα 寒天培地

B-CYEα培地は、非選択培地であり

一般の培養にも用いられますが、

Legionella レジオネラ属の培養を促進する目的で作られました

 

レジオネラを選択するためには、これに

バンコマイシン、ポリミキシンB、アムホテリシンBを添加した

WYOα寒天培地があります

 

 


5.Thayer-Martin 寒天培地

セアーマーチン寒天培地は Neisseriaの分離培地です

特に、臨床で見られるのは

淋菌(N. gonorrhoeae髄膜炎菌N. meningitidis)です

培地にはV.C.N

バンコマイシン・コリスチン・ナイスタチンという抗菌薬が含まれます

 

以上のことから、抗菌薬を含むのは

3と5,になります

 

培地と菌、含まれる物質などの組み合わせは

コツコツ覚えていかなければならないのが微物の辛いところですね…

 

MT66-PM72 バクテリオファージが起こす現象はどれか。

1.形質転換
2.形質導入
3.接合伝達
4.突然変異
5.DNA 修復

 

バクテリオファージとは

細菌に感染するウイルスの総称です

 

選択肢を見ていきましょう

重要なのは、専門用語を簡単に説明できること、ですね

 

1.形質転換

形質転換は 細菌が他の死菌の遺伝子を取り込む

もしくは人工的に作られた遺伝子を取り込むことです

 


2.形質導入

形質導入はバクテリオファージが感染し

ファージの遺伝子を導入することです

よってこの問題の答えは、2になります

 


3.接合伝達

接合伝達とは、細菌×細菌 で遺伝子(プラスミド)を受け渡すことです

特に、薬剤耐性に関するR因子などで耐性菌の問題に発展します

 


4.突然変異

遺伝子分野での突然変異とは

DNAの塩基配列の変化を意味します

 


5.DNA 修復

名前の通り、損傷したDNAを修復するための機構です

 

MT66-PM74 高水準消毒薬はどれか。2つ選べ。

1.過酢酸
2.クロルヘキシジン
3.消毒用エタノール
4.グルタルアルデヒド
5.次亜塩素酸ナトリウム

 

消毒薬には高水準・中水準・低水準があります

 

まずは高水準消毒薬を3つ、覚えてしまいましょう!

 

高水準消毒薬

・グルタルアルデヒド

・過酢酸

・フタラール

 

これら3つです、

・少数であれば芽胞にも有効

・人体には有害なため使用不可

こういった特徴も備えています

 

問題の答えは1,4ですね

 

 

次に、低水準消毒薬です

・クロルヘキシジングルコン酸塩

・塩化ベンザルコニウム

・両性界面活性剤

 

塩・塩化←これらをキーワードにすると覚えやすいです

日常生活で問題になる一般的な細菌は滅菌でき

人体への有害性も低いです

 

 

中水準消毒薬は、上記以外、と覚えましょう

具体的には、

エタノール、ポビドンヨード、次亜塩素酸ナトリウム、フェノール、クレゾール

などよく耳にするものは中水準消毒薬が多いかと思います

 

中水準では芽胞は殺せませんが、結核菌には有効です

MT66-PM77 ウイルスと疾患の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。

1.EB ウイルス ー伝染性単核球症
2.ロタウイルス ー乳幼児急性胃腸炎
3.アデノウイルス ー伝染性紅斑
4.コクサッキーウイルス ー先天性巨細胞封入体症
5.サイトメガロウイルス ー咽頭結膜熱

 

ウイルスと疾患についても

こつこつまとめていく必要のある項目です

 

とりあえずは選択肢にあるものを整理しましょう

 

 

1.EB ウイルス ー伝染性単核球症 


2.ロタウイルス ー乳幼児急性胃腸炎 

 


3.アデノウイルス は疾患としては広く

膀胱炎、結膜炎、胃腸炎などの炎症を起こします

 

伝染性紅斑 ヒトパルボウイルスです

(いわゆるリンゴ病です)


4.コクサッキーウイルス手足口病です

 

先天性巨細胞封入体症 は 5. サイトメガロウイルス

 

咽頭結膜熱 は 別名プール熱ともいいアデノウイルスの疾患です

 

この問題とは直接関係ありませんが、ウイルスは

DNAウイルスとRNAウイルスに分けられます

↓以下の記事で、わかりやすいゴロで解説しています!

 

 

MT66-PM78 β-ラクタマーゼ分類でクラス B に属するのはどれか。

1.ペニシリナーゼ
2.オキサシリナーゼ
3.セファロスポリナーゼ
4.メタロ-β-ラクタマーゼ
5.基質拡張型 β-ラクタマーゼ

 

β-ラクタマーゼとはβ-ラクタム系抗菌薬の分解酵素です

β-ラクタム系抗菌薬とはペニシリンやセフェムなどの抗菌薬です

 

※ この問題は高難易度問題です

β-ラクタム系抗菌薬、と言われてすぐに薬の名前が出てこないようであれば

まずは抗菌薬について基礎の勉強から始めましょう!

↓ おすすめ記事はこちらです

 

 

それでは、この問題の解説にいきます

β-ラクタマーゼにも種類があります

大きな分類として、

・セリン-β-ラクタマーゼ:活性中心にセリン残基をもつ

・メタロ-β-ラクタマーゼ:活性中心に金属(亜鉛)をもつ

 

さらに細かい分類として

セリン-β-ラクタマーゼ:クラスA, C, D

メタロ-β-ラクタマーゼ:クラスB

このようにA, B, C, Dの細かい分類もあるのです

 

そして今回の問題は

クラスB はどれか?というものです

そのため問題の答えとしては、4.メタロ-β-プロテアーゼが正解となります

 

ここからはさらに詳しい解説です

(※ 無理に覚える必要はありません!)

 

・クラスA-β-ラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)

・クラスB-β-ラクタマーゼ(カルバペネマーゼ)

・クラスC-β-ラクタマーゼ(セファロスポリナーゼ)

・クラスD-β-ラクタマーゼ(オキサシリナーゼ)

 

分解できる抗菌薬によってA~Dの分類がなされています

A~Dのカッコ内はそれぞれ

ペニシリン系、カルバペネム系、セファロスポリン系、ペニシリン系+オキサシリン

を分解する酵素です

 

 

長くなってしまいましたが、

今回は微生物学の範囲を中心に解説しました!

微生物はとにかく知識を詰め込んだだけ点数が取れます

頑張りましょう!ではでは!

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