【臨床検査技師】国試過去問のフローボリューム曲線を徹底解説!!

MT国家試験

皆さんこんにちは!

臨床検査技師を中心とした、医療系国家試験の解説サイト 国試かけこみ寺です!

 

今回は過去5年分臨床検査技師国家試験フローボリューム曲線に関する問題を分析したところ…

とある発見がありましたので、解説していきたいと思います!

 

臨床検査技師国家試験を目指す方には必ず役立つ情報かと思いますのでぜひ御覧ください!

それではよろしくおねがいします

(過去問は全て厚生労働省ホームページで公開されている問題および画像を引用しています。また、あくまで私的利用の個人研究のため作成したものですので、情報の取り扱いは自己責任でお願いいたします。)

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はじめに

結論から言うと、

  • 第63回AM21
  • 第64回PM21
  • 第65回PM21
  • 第67回AM21
  • 第67回PM22

で出題されているフローボリューム曲線の画像は、写真が使い回されている

ということになります。

 

正確には、第65回の写真問題には5パターンのフローボリューム曲線が載っているのですが、これらの中には63回、64回、67回で使われている写真と全く同じものがあります

 

つまり、第65回のPM21の問題で使われている写真の5パターンはチェックする価値が非常に高いと言えます

それでは実際に問題を見ていきます

臨床検査技師国家試験 フローボリューム曲線の過去問

解答は赤字で示します

MT63-AM21 フローボリューム曲線別冊No. 5を別に示す。考えられるのはどれか。

第63回臨床検査技師国家試験 別冊(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/dl/tp170425-07a_02.pdf)より引用

1.肺線維症
2.気管支腫瘍
3.気管支喘息
4.慢性閉塞性肺疾患
5.びまん性汎細気管支

MT64-PM21 フローボリューム曲線(別冊No.3)を別に示す。考えられる疾患はどれか。

第64回 臨床検査技師国家試験 別冊(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/dl/tp180511-07b_02.pdf)より引用
  1. 脊椎後弯
  2. 特発性肺線維症
  3. 肥満低換気症候群
  4. 慢性閉塞性肺疾患
  5. 筋萎縮性即索硬化症(ALS)

MT67-AM21 吸気および呼気ともに最大努力で得られたフローボリューム曲線別冊No. 4を別に示す。考えられるのはどれか。

第67回 臨床検査技師国家試験 別冊(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/dl/tp210416-07a_02.pdf)より引用

1.気管狭窄
2.間質性肺炎
3.気管支喘息
4.胸椎後側弯症
5.慢性閉塞性肺疾患

MT67-PM22 フローボリューム曲線別冊No. 3を別に示す。この症例で低下するのはどれか。

第67回 臨床検査技師国家試験 別冊(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/dl/tp210416-07b_02.pdf)より引用

1.1秒率
2.残気量
3.全肺気量
4.機能的残気量
5.静肺コンプライアンス

(写真の症例はCOPDであると考えられる)

MT65-PM21 フローボリューム曲線(別冊No. 3)を別に示す。肺線維症はどれか。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-1-1024x651.png
第65回 臨床検査技師国家試験 別冊(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/dl/tp190415-07b_02.pdf)より引用

1.A
2.B
3.C
4.D
5.E

さて、この5つの写真のうち

C(肺線維症)が第63回AM21
D(慢性閉塞性肺疾患)が第64回PM21と第67回PM22
E( 気管狭窄 )が第67回AM21

で出てきたフローボリューム曲線となります

もちろん今後も、これと同じ写真が使い回される保証はどこにもありません

が、こういったパターンが過去に出ているということが非常に重要で、この5パターンは確実に覚える価値があると言えるでしょう

 

ということで、本題の第65回PM21の5パターンの解説に移っていきたいと思います

 

重要5パターン フローボリューム曲線解説

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-1-1024x651.png
第65回 臨床検査技師国家試験 別冊(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/dl/tp190415-07b_02.pdf)より引用
  • A:健常者
  • B:気管支喘息など
  • C:肺線維症
  • D:COPD
  • E:上気道狭窄(気管狭窄)

写真のパターンと症状名を暗記をしてしまっても構わないのですが

「なぜこうなるか」もなんとなくでいいので知っておくと、より暗記効率も高まり、思い出しやすくなります

はじめにフローボリューム曲線の解釈に必要な知識をまとめます

  • 縦軸は吐くスピード、横軸は吐いた量
  • 閉塞性肺疾患は1秒率(縦軸)が低下する
  • 拘束性肺疾患は%肺活量(横軸)が低下する

代表的な閉塞性肺疾患:COPD、気管支喘息、気管支炎

代表的な拘束性肺疾患:間質性肺炎、肺線維症

これを踏まえて改めて図をみます

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-1-1024x651.png
第65回 臨床検査技師国家試験 別冊(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/dl/tp190415-07b_02.pdf)より引用

これを踏まえて改めて図を1つずつ説明します

  • 閉塞性肺疾患は1秒率が低下する →1秒で吐くスピードが低下
  • 拘束性肺疾患は%肺活量が低下する → 肺活量が低下(吐ける空気量が減る)

健常人の状態を確認します。1秒率の縦軸が8L/秒程度、吐き出した空気が4.5L程度です

Dをよく見ると、4L/秒と半分以下になっています、よって、1秒率が低下するCOPDであると推測できます

次にわかりやすいのがCです、Cは吐き出した空気が2Lにも達していません、極端な上に尖った山の形となります、つまり1秒率には変化はないが、肺活量が低下していると言えますので、拘束性肺疾患(肺線維症)となります

次に、Bですが、一見健常のようにも見えますが、山がなだらかな坂になっています、これは喘息の特徴になります、気管支喘息は炎症により気道が狭くなります、そのため一気に吐き出すのが難しくなりこのようななだらかな山になります

最後にEですが、山がほぼ無く、平坦になっています、これは上気道(気管)閉塞など、呼気を勢いよく出せない状態を表しています

 

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まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は、臨床検査技師国家試験に出てくるフローボリューム曲線について解説しました。

この記事を何度か読み返し、自分なりにノートなどにまとめるのも良いと思います!

問題の解説を国試勉強ノートにまとめる→それを何度も見返す

この作業を繰り返すことが、知識定着のポイントになります!

 

もう一度解説を読み直す方は→ ここをクリック

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