医療系国家試験の解説サイト
国試かけこみ寺です!
平成29年2月22日(水)に実施された
臨床検査技師国家試験問題について
一部の分野をわかりやすく解説していきます!
問題(+別冊)と解答は厚生労働省のHPで公開されています
※以下の問題の出典は全て、厚生労働省のホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp170425-07.html)で公開している問題を引用しています。
問題に対する解説は国試かけこみ寺のオリジナルとなります。
MT63-PM41 血清コリンエステラーゼのフルオライド阻害率測定に用いられるのはどれか。
1.NaF
2.エゼリン
3.ジブカイン
4.パラチオン
5.サクシニルコリン
そもそも血清ChEのフルオライド阻害率測定とは何なのかというと
遺伝子変異によるChEの活性低下を調べることが目的です
ジブカイン阻害率に用いるジブカインと、フルオライド阻害率に用いるNaFがあります(答えは1になります)
ChEの低下は通常、肝機能低下。
ChE異常低値は有機リン中毒などを疑います。
これらの他に、遺伝子変異による活性低下を調べるのが先に挙げた2つの阻害率測定です
フルオライド、というのはフッ素のことですから、そこからヒントを得れば、1を選び答えにたどり着けたという人もいるかも知れませんね。知識がなくとも、こういうインスピレーションというのは大事です。
MT63-PM42 4℃の血清保存で不安定なアイソザイムはどれか。
1.LD5
2.ALP2
3.c-AST
4.CK-MM
5.唾液腺型アミラーゼ
冷蔵保存で不安定というと、LD4,5になります(答えは1)
こういった酵素のアイソザイムの特徴などは、頑張ってまとめながらおぼえていくしかありません
以下の記事でしっかり解説していますので、ぜひ勉強にお役立てください
MT63-PM43 脂溶性ホルモンはどれか。2つ選べ。
1.インスリン
2.コルチゾール
3.サイロキシン
4.成長ホルモン
5.プロラクチン
脂溶性ホルモンは、ステロイドホルモンと甲状腺ホルモンT3(トリヨードサイロニン), T4(サイロキシン)です
答えは2,3です
脂溶性ということは、細胞膜の脂質二重層を通過し、細胞内(核内)で作用する、とも言えます
MT63-PM44 下垂体後葉ホルモンはどれか。2つ選べ。
1.オキシトシン
2.プロラクチン
3.成長ホルモン
4.バソプレッシン
5.ヒト絨毛性ゴナドトロピン
絶対に外せない定番問題ですね、下垂体後葉ホルモンは1と4
- バゾプレシン
- オキシトシン
「後 ろに オ バ ちゃん」と覚えましょう!
解説記事はこちら:下垂体後葉から分泌されるホルモンはどれか【覚えるのは2つだけ】
MT63-PM46 銅の代謝異常はどれか。
1.Wilson 病
2.Addison 病
3.アミロイドーシス
4.ヘモクロマトーシス
5.フェニルケトン尿症
これも知っているかどうかの問題で、答えは1.Wilson病です
代謝異常としては頻出なので覚えておきましょう
他の選択肢も見ていくと、
2.Addison 病→別名:副腎皮質機能低下症です。→勉強にはこちらの記事がおすすめです:【内分泌】表を使って一気に覚える副腎皮質ホルモンと病気【クッシング症・原発性アルドステロン症・アジソン病】
3.アミロイドーシス→アミロイドという異常蛋白質が蓄積する病気です。アルツハイマー病の原因も、アミロイドβという異常蛋白質が脳に蓄積するためと考えられています。
4.ヘモクロマトーシス→遺伝性の鉄の代謝異常症です。鉄が過剰に蓄積してしまう病気です。
5.フェニルケトン尿症→遺伝性で、アミノ酸のフェニルアラニンの代謝異常です。フェニルケトン尿はネズミの尿のようなにおいと例えられることもあります。
今回の問題は、知識を知っていなければどうしようもないという問題が多かったです。こればかりは、過去問を解きながらこつこつノートに書き溜めるなどして覚えていくしかありません。頑張っていきましょう!
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