【第63回臨床検査技師国家試験】PM59-62の問題をわかりやすく解説

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国試かけこみ寺です!

平成29年2月22日(水)に実施された

臨床検査技師国家試験問題について

一部の分野をわかりやすく解説していきます!

問題(+別冊)と解答は厚生労働省のHPで公開されています

※以下の問題の出典は全て、厚生労働省のホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp170425-07.html)で公開している問題を引用しています。

問題に対する解説は国試かけこみ寺のオリジナルとなります。

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MT63-PM59 活性化部分トロンボプラスチン時間APTTに関与するのはどれか。2つ選べ。

1.プロトロンビン
2.組織因子
3.第Ⅶ因子
4.第Ⅻ因子
5.第XⅢ因子

血液凝固因子の基本問題です

まずは、PTに関与する外因系因子、組織因子=3(Ⅲ)、と7(Ⅶ)を覚えてしまいましょう

次に共通部分(PT・APTT両方)である、10(Ⅹ)、5(Ⅴ)・プロトロンビン=2(Ⅱ)・フィブリノゲン=1(Ⅰ) を覚えます

APTTは残りの、12(Ⅻ),11(Ⅺ),9(Ⅸ),8(Ⅷ)になります

ということで正解は、1と4になります

ちなみに13(XⅢ)因子は、凝固完了のフィブリン安定因子ですので、PT・APTTの延長には直接関係しません

MT63-PM60 健常成人における検査値でみられないのはどれか。

1.赤血球数 450 万/μL
2.ヘモグロビン濃度 14 g/dL
3.ヘマトクリット 42%
4.網赤血球数 15 万/μL
5.血小板数 20 万/μL

血液項目の基準値問題ですが、基本的に男女差があります

ざっくり覚えるなら以下を参考にしてください(あくまで国家試験レベルで覚える場合の男女差も全て含めた大雑把な値です)

  • 赤血球数:400±100 万/μL
  • Hb濃度:15±3g /dL
  • ヘマトクリット:40-50 %
  • 血小板数:25±10 万/μL
  • 網赤血球数 1%±0.5%

網赤血球は、赤血球のうちの1%程度、数でいうと5万~8万程度です

なので、この問題の正解は4になります、網赤血球が10万を超えるのは多すぎます。網赤血球が増えるということは、溶血などで急激に赤血球産生が高まっているなどの可能性があります。

MT63-PM61 血小板無力症でみられるのはどれか。2つ選べ。

1.APTT 延長
2.血小板数減少
3.出血時間延長
4.ADP 凝集能低下
5.リストセチン凝集能低下

血小板無力症

血小板数は正常なのに、出血時間延長をきたす疾患です。その実態は、血小板表面のタンパク質であるGPⅡb/Ⅲaの欠損により、血小板が凝集できなくなります。また、凝集能検査ではリストセチン以外(ADP, エピネフリン, コラーゲン)での凝集能がなくなります。

このことから、3、4が答えとなります

 

類似問題:MT65-PM60 血小板無力症で異常となるのはどれか。

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MT63-PM62 von Willebrand 病で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.FDP が上昇する。
2.APTT が延長する。
3.血小板数が増加する。
4.出血時間が延長する。
5.X 染色体性劣性遺伝疾患である。

名前の通りvon Willebrand因子(VWF)が極端に少ない、もしくは機能低下する疾患です

von Willebrand 病

VWFは第Ⅷ(8)因子のキャリア蛋白です、そのためVWFが無ければ第Ⅷ因子も働かずVW病ではAPTTが延長します。さらに、VWFは血小板の接着剤として一次止血にも重要ですから、出血時間も延長します

上記のことから、2,4が正解となります

 

血小板無力症 および von Willebrand 病 は国試に頻出の非常に重要な疾患ですので、上記の説明は必ず覚えるようにしましょう。

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