【第65回臨床検査技師国家試験】PM45, 56, 59, 60, 61の問題をわかりやすく解説

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国試かけこみ寺です!

平成31年2月20日(水)に実施された

第65回臨床検査技師国家試験問題について

一部の分野をわかりやすく解説していきます!

問題(+別冊)と解答は厚生労働省のHPで公開されています

※以下の問題の出典は全て、厚生労働省のホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp190415-07.html)で公開している問題を引用しています。

問題に対する解説は国試かけこみ寺のオリジナルとなります。

 

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MT65-PM45 分子標的薬投与の決定に HER2 を用いるのはどれか。


1.乳 癌
2.大腸癌
3.悪性黒色腫
4.非小細胞肺癌
5.消化管間質腫瘍 GIST

 

分子標的薬とは、がん細胞の持つ特定の分子に結合する抗体薬のことです

HER2は乳がんに特異性が高いため答えは1になります

2. 大腸癌では腫瘍マーカーとしてCEAなどがあります

3. 悪性黒色腫は別名をメラノーマともいいます

 

4. 肺癌ではEGFRという遺伝子の変異がよく見られ

治療薬のターゲットとされています

 

5.消化管間質腫瘍 GISTとは消化管の粘膜にできる腫瘍で

肉腫(サルコーマ)に分類されます

よく見られるのはc-kitという遺伝子の変異です

 

近年では、副作用の少ない分子標的薬治療は増えているため

今後、こういった特定の癌と遺伝子変異の問題は

腫瘍マーカーと同様に頻出項目になると考えられます

MT65-PM56 肉芽腫性炎はどれか。

1.急性膵炎
2.腎盂腎炎
3.気管支肺炎
4.サルコイドーシス
5.急性ウイルス性肝炎

 

肉芽腫とは簡単に言うと炎症細胞が集まってできる肉の塊です

この中で肉芽腫に該当するのは4.サルコイドーシスです

サルコイドーシスとは

類上皮細胞肉芽腫を形成する全身性の疾患です。 類上皮細胞とは上皮細胞に似ている活性化マクロファージ=炎症細胞のことです。簡単にいうと、炎症が起きてマクロファージが集まり組織に肉塊を作る病気です。全身性ですが、特に肺に起こりやすいと言われます。

肉芽腫性炎は他に、梅毒や結核などで見られます。

MT65-PM59 伝染性単核球症でみられる異型リンパ球の説明として正しいのはどれか。


1.ウイルスが感染した B 細胞である。
2.ウイルスを攻撃する NK 細胞である。
3.活性化した T 細胞である。
4.腫瘍化したリンパ腫細胞である。
5.未分化なリンパ芽球である。

伝染性単核球症とは

EBウイルスによって起こる感染性の疾患です(俗にキッス病ともいわれる)。EBウイルスは初めにB細胞に感染します。伝染性単核球症は異型リンパ球の出現を特徴としますが、その正体はEBVに感染したB細胞に対して免疫反応を起こした活性化T細胞です。

以上のことから答えは3になります。

MT65-PM60 血小板無力症で異常となるのはどれか。

1.凝固時間
2.血小板数
3.血小板粘着能
4.ADP 血小板凝集能
5.リストセチン血小板凝集能

血小板無力症とは

血小板数は正常なのに、出血時間延長をきたす疾患です。その実態は、血小板表面のタンパク質であるGPⅡb/Ⅲaの欠損により、血小板が凝集できなくなります。また、凝集能検査ではリストセチン以外(ADP, エピネフリン, コラーゲン)での凝集能がなくなります。

以上のことから、正解は4になります

 

ちなみに、リストセチンは血小板のGPⅠb複合体とVWF(フォンヴィルブラント因子)の存在で凝集します。そのため血小板無力症では凝集を確認できますが、von Willebrand病(=VWFの異常)、ベルナール・スーリエ(Bernard-Soulier)症候群(=GPⅠb複合体の異常)ではリストセチン凝集はありません。

 

MT65-PM61 赤血球の異常所見はどれか。2つ選べ。

1.Cabot 環
2.Auer 小体
3.Döhle 小体
4.Russell 小体
5.Schüffner 斑点 

 

正解は1と5です

1.Cabot 環は悪性貧血、摘脾、鉛中毒など

赤芽球の異形成によって、赤血球に見られる環状の構造物です

5.Schüffner 斑点は三日熱マラリアの感染赤血球で見られます

 

重要なのはむしろ、3,4,5かもしれません

これらは白血球系に見られ

2.Auer 小体(アウエル小体)はアズール顆粒が結晶化したもので

APL:急性骨髄性白血病 に特徴的です

   

3.Döhle 小体(デーレ小体)はリボソームRNAが好塩基性に染まったものです

重症感染症に見られ、中毒性顆粒と共に見られる事が多いようです

   

4.Russell 小体(ラッセル小体)

過剰な免疫グロブリンを産生する形質細胞に見られる巨大な好酸性の構造物で

異常な形質細胞ということで、多発性骨髄腫に見られます

  

 

今回の問題は疾患や病態を知っていなければどうしようもない問題です

このような問題では知らない用語を調べることが最も重要です

雑でもいいので、必ずノートに説明書きをメモする癖をつけるとよいでしょう

調べ方の基本は、教科書の索引を引くことです

 

疾患の病態や機序を知ることは、国家試験のみならず

実践でも役立つ、自分のステータスとなる知識ですから

ぜひ、まとめながら知識を頭に入れていきましょう!

今回はここまでです。ではまた!

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