【第67回臨床検査技師国家試験】PM29, 30, 31, 32, 33, 34の問題をわかりやすく解説

MT国家試験

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国試かけこみ寺です!

令和3年2月17日(水)に実施された

臨床検査技師国家試験問題について

一部の分野をわかりやすく解説していきます!

問題(+別冊)と解答は厚生労働省のHPで公開されています

※以下の問題の出典は全て、厚生労働省のホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp210416-07.html)で公開している問題を引用しています。

問題に対する解説は国試かけこみ寺のオリジナルとなります。

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MT67-PM29 メタボリックシンドロームの診断基準に含まれるのはどれか。2つ選べ。

1.中性脂肪
2.遊離脂肪酸
3.総コレステロール
4.HDL-コレステロール
5.LDL-コレステロール

メタボリックシンドロームの基準は以下の通りです

必須項目は腹囲(男性85cm以上、女性90cm以上)

さらに、以下の3項目のうち2つを満たす

  • 高トリグリセリド(150mg/dL 以上) and/or 低HDLコレステロール (40mg/dL未満)
  • 最大血圧130mmHg以上 and/or 最小血圧85mmHg以上
  • 空腹時血糖 110mg/dL以上

※トリグリセリド=中性脂肪

ということで答えは1,4です、LDLは診断基準にはなく、HDLの低下が問題となります

↓糖尿病の基準は以下の参考記事がおすすめです!

MT67-PM30 下垂体後葉ホルモンはどれか。2つ選べ。

1.オキシトシン
2.甲状腺刺激ホルモン
3.成長ホルモン
4.バソプレシン
5.プロラクチン

下垂体後葉ホルモンは語呂合わせで

ろにオバちゃん」と覚えましょう!

ヒョウ柄のシャツを着たおばさんのイラスト

↓ホルモンの役割については以下の記事をご参照ください!

MT67-PM31 心筋梗塞発症時に最も早く上昇するのはどれか。

1.LD
2.CK-MB
3.心筋トロポニン T
4.心筋ミオシン軽鎖
5.心臓型脂肪酸結合蛋白(H-FABP)

正解は5.です、心筋梗塞マーカーを上昇の早いものから並べます(ミオシン軽鎖はトロポニンやCKとかぶっており微妙なので国試レベルでは覚えなくても大丈夫です)

H-FABP≒ミオグロビン>トロポニンT>CK-MB, AST, LD

H-FABPとは
心筋細胞内へ遊離脂肪酸を運ぶタンパク質です。心筋梗塞で心臓の細胞が壊れると、流出することによって直ちに上昇します。ミオグロビンと違い心臓の特異性が高いです

↓更に詳しく勉強するには以下の記事がおすすめです!

MT67-PM32 Michaelis-Menten の式について正しいのはどれか。

ただし、S:基質濃度、v:速度、Vmax:最大反応速度、Km:Michaelis 定数とする。

1.Km 値の単位は mg/dL で表す。
2.0次反応領域で Vmax がえられる。
3.Km 値とは Vmax の 1/3 の速度をあたえるSを意味する。
4.Sが Km 値に対して著しく低いとき v = Vmax に近似する。
5.終点分析法で反応時間を早めるには Km 値が大きい酵素を使用する。

ミカエリス・メンテン式は苦手な人も多いかも知れませんが、簡易的な図を以下に示します

1から説明するのは非常に長くなるので、ここでは詳細な解説は省き、各選択肢の解説をします

1.Km 値の単位は mg/dL で表す。

Km値はVmaxの2分の1となる基質濃度であり単位は mol/L です

2.0次反応領域で Vmax がえられる。

図を見ると分かる通り、十分な基質濃度がある場合を0次反応領域といい、Vmaxが得られます

3.Km 値とは Vmax の 1/3 1/2 の速度をあたえるSを意味する。

酵素のKm値は、高いほど基質親和性が低く、低いほど基質親和性が高いと言えます。親和性との関係は逆になっているのがポイントです

4.Sが Km 値に対して著しく低いとき v = Vmax に近似する。

Sが著しく高い場合、式の分母のKmは無視できます(Kmがあまりに小さいため)、すなわち

v=Vmax*S/S となり、Sが約分されて、v=Vmaxと近似できます

逆にSが著しく低い場合、分母のSを無視できます(Sがあまりに小さいため)、すなわち

v=(Vmax/Km)*S となりvが基質濃度に比例すると言えます(このことはグラフが比例の直線になっていることからも明らかです)

5.終点分析法で反応時間を早めるには Km 値が大きい小さい酵素を使用する。

反応時間を早めたいのであれば、親和性を高くする必要がありますから、Kmは小さいほうが良いです

MT67-PM33 ホルモンと生理作用の組合せで正しいのはどれか。

1.インクレチン ー抗利尿作用
2.オキシトシン ー抗アレルギー作用
3.コルチゾール ー子宮収縮作用
4.バソプレシン ーインスリン分泌促進作用
5.アンジオテンシンⅡ ー血管収縮作用

正解からいうと、5になります

アンジオテンシンⅡはアルドステロンの分泌を刺激するホルモンで、アルドステロンは血圧を上昇させるホルモンであるため、血管収縮作用で正しいです。(アンジオテンシンⅡそのものにも血管収縮作用はあります)

他選択肢を正しく入れ替えると

1.インクレチン ーインスリン分泌促進作用
2.オキシトシン ー子宮収縮作用
3.コルチゾール ー抗アレルギー作用
4.バソプレシン ー抗利尿作用

となります、どれも定番知識なので覚える必要があります

※もっと詳しく勉強したい方はサイト内検索で「ホルモン」と入力すると関連記事が出てきます

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MT67-PM34 電磁波はどれか。2つ選べ。

1.β 線
2.γ 線
3.赤外線
4.電子線
5.陽子線

答えは、2,3になります

電磁波とは、γ線、X線、紫外線、可視光線、赤外線、マイクロ波 などを指し、光の一種です

β線、電子線、陽子線は電子や陽子そのものであり、電磁波とは呼びません

ただし、γ線、X線、β線、α線、電子線、陽子線などはまとめて放射線とも呼ばれます

国試問題としてはやや細かい知識ですので無理に覚える必要は無いでしょう

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