医療系国家試験の解説サイト
国試かけこみ寺です!
令和3年2月17日(水)に実施された
臨床検査技師国家試験問題について
一部の分野をわかりやすく解説していきます!
問題(+別冊)と解答は厚生労働省のHPで公開されています
※以下の問題の出典は全て、厚生労働省のホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp210416-07.html)で公開している問題を引用しています。
問題に対する解説は国試かけこみ寺のオリジナルとなります。
MT67-PM20 酸素解離曲線のシフトに関与しないのはどれか。
1.pH
2.温 度
3.二酸化炭素分圧
4.ヘモグロビン濃度
5.2,3-ジホスホグリセリン酸(2,3-DPG)
酸素解離曲線とは
- 縦軸に酸素飽和度(SpO2) 0~100%
- 横軸に酸素分圧(PO2)0~100mmHg
を取ったグラフのことです
正常ではSpO2 98%、PO2 100mmHg ほどです
酸素飽和度はヘモグロビンと結合している酸素の割合とも言えます、SpO2の低下は酸素が消費されているということです
酸素分圧は血液中に溶けている酸素の量です、こちらも酸素が消費されると低下していきます
二酸化炭素分圧が上昇、血液がアシドーシスに傾く、体温が上昇する場合などでは、酸素の消費が亢進し、酸素解離曲線は右方移動します(酸素飽和度も酸素分圧も下がっていくということ)
2,3-ジホスホグリセリン酸(2,3-DPG)は解糖系の中間体であり、濃度が上昇すると代謝が亢進し、酸素消費が大きくなります、そのため酸素解離曲線は右方移動します
この問題の答えは4.ヘモグロビン濃度になります
ヘモグロビンの濃度自体はSpO2と直接関係ありません
ヘモグロビンの濃度が低くても酸素の受け渡しは変わらないためです
MT67-PM21 安静呼気位から最大吸気位までの肺気量はどれか。
1.肺活量
2.全肺気量
3.1回換気量
4.最大吸気量
5.予備吸気量
あまり綺麗でなくて恐縮ですが、肺気量分画の図です
この図はある程度自分で書けるようにしておくことをおすすめします
答えは最大吸気量になります(図には書いていないのですが、安静時呼気から最大吸気位まで)
普通に呼吸をして息を吐いたところから、最大まで吸う量ということです
普通に呼吸をして、息を吸ったところ(安静時呼気)から、最大吸気位までは予備吸気量になります
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MT67-PM22 フローボリューム曲線別冊No. 3を別に示す。この症例で低下するのはどれか。
1.1秒率
2.残気量
3.全肺気量
4.機能的残気量
5.静肺コンプライアンス
AM21でも似たような問題が出ていました、なんとこの問題の図も第65回の問題で出てきています
この問題に出てきている、A~Eのフローボリューム曲線は国試で覚えるべき超重要なものです!
- A:健常者
- B:気管支喘息など
- C:肺線維症
- D:COPD
- E:上気道狭窄(気管狭窄)
Dのフローボリューム曲線はCOPD=慢性閉塞性肺疾患の典型例です
COPDといえば1秒率の低下です
↓午前の問題と併せて再復習しておきましょう!
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