医療系国家試験の解説サイト
国試かけこみ寺です!
令和3年2月17日(水)に実施された
臨床検査技師国家試験問題について
一部の分野をわかりやすく解説していきます!
問題(+別冊)と解答は厚生労働省のHPで公開されています
※以下の問題の出典は全て、厚生労働省のホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp210416-07.html)で公開している問題を引用しています。
問題に対する解説は国試かけこみ寺のオリジナルとなります。
MT67-AM21 吸気および呼気ともに最大努力で得られたフローボリューム曲線別冊No. 4を別に示す。考えられるのはどれか。
1.気管狭窄
2.間質性肺炎
3.気管支喘息
4.胸椎後側弯症
5.慢性閉塞性肺疾患
答えから言うと、1.気管狭窄になります
実はこの問題、第65回の問題で出てきているんです
MT65-PM21 フローボリューム曲線(別冊No. 3)を別に示す。
肺線維症はどれか。
この時は肺線維症はどれか、となっており答えはCの図になります
この問題に出てきている、A~Eのフローボリューム曲線は国試で覚えるべき超重要なものです!
- A:健常者
- B:気管支喘息など
- C:肺線維症
- D:COPD
- E:上気道狭窄(気管狭窄)
となります
代表的なものはほぼここで示されていますので、暗記をしてしまっても構わないのですが
「なぜこうなるか」を知っておくと、より暗記効率も高まり、思い出しやすくなります
はじめにフローボリューム曲線の解釈に必要な知識をまとめます
- 縦軸は吐くスピード、横軸は吐いた量
- 閉塞性肺疾患は1秒率が低下する
- 拘束性肺疾患は%肺活量が低下する
代表的な閉塞性肺疾患:COPD、気管支喘息、気管支炎
代表的な拘束性肺疾患:間質性肺炎、肺線維症
これを踏まえて改めて図をみます
- 閉塞性肺疾患は1秒率が低下する →1秒で吐くスピードが低下
- 拘束性肺疾患は%肺活量が低下する → 肺活量が低下(吐ける空気量が減る)
まず1秒率の、縦軸を見ます、健常人では8L/秒程度ですが
Dをよく見ると、4L/秒と半分以下になっています、よって、1秒率が低下するCOPDであると推測できます
次にわかりやすいのがCです、Cは吐き出した空気が2Lにも達していません、極端な上に尖った山の形となります
つまり1秒率には変化はないが、肺活量が低下していると言えますので、拘束性肺疾患(肺線維症)となります
次に、Bですが、一見健常のようにも見えますが、山がなだらかな坂になっています、これは喘息の特徴になります
気管支喘息は炎症により気道が狭くなります、そのため一気に吐き出すのが難しくなりこのようななだらかな山になります
最後にEですが、山がほぼ無く、平坦になっています、これは上気道(気管)閉塞など、空気をほとんど勢いよく出せない状態を表しています
そして、このEが67回の国家試験でも使われていたというわけです
過去問の重要性がわかりますよね
選択肢にある図や、説明をしっかり理解することが重要ということです
MT67-AM22 ガス希釈法による測定が必要な肺気量分画はどれか。2つ選べ。
1.全肺気量
2.1回換気量
3.最大吸気量
4.予備呼気量
5.機能的残気量
ガス希釈法はヘリウムと窒素を使う方法があります
ガス希釈法は、通常では測定できない分画を測定できます、
それが、1.全肺気量 と 5.機能的残気量 です
というよりも、ガス希釈法でなければ全肺気量や機能的残気量は測定できないということになります
MT67-AM23 低水準の消毒が適切でないのはどれか。
1.ヘッドホン
2.心電図の電極
3.マウスピース
4.ノーズクリップ
5.体表アプローチエコープローブ
考えてもわからない場合は、まず選択肢をよく見ましょう
実際にどのようにつかっているかをイメージしてください
1,2,4,5は皮膚に触れるもの
3は口(粘膜)に触れるものなので、明らかに感染のリスクが高そうです
そのため、低水準の消毒では不十分 という結論に至ることができます
このように冷静に選択肢を考えると、答えが見えてくることもあります
今回は短いですが以上になります!
67回の解説のまとめはこちらからどうぞ
【第67回 臨床検査技師国家試験】問題解説まとめリンク(最新)
コメント