医療系国家試験の解説サイト
国試かけこみ寺です!
令和3年2月17日(水)に実施された
臨床検査技師国家試験問題について
一部の分野をわかりやすく解説していきます!
問題(+別冊)と解答は厚生労働省のHPで公開されています
※以下の問題の出典は全て、厚生労働省のホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp210416-07.html)で公開している問題を引用しています。
問題に対する解説は国試かけこみ寺のオリジナルとなります。
MT67-PM35 上昇するアイソザイムと疾患の組合せで正しいのはどれか。
1.ALP1 ー閉塞性黄疸
2.ALP2 ー悪性腫瘍の骨転移
3.ALP3 ー肝硬変
4.ALP4 ー 腎不全
5.ALP5 ー潰瘍性大腸炎
ALPのアイソザイムは肝型・骨型・胎盤型・小腸型などがあります
対応する番号は、以下の通りです
- ALP1:肝
- ALP2:肝
- ALP3:骨
- ALP4:胎盤
- ALP5:小腸
「かん・かん・こつ・たい・しょう」と音で覚えることをおすすめします(10回も音読すれば頭に残りやすいですよ!)
正解は、肝型のALP1ー閉塞性黄疸です
肝硬変では2+5上昇など組み合わさる場合もありますが、国試レベルでは高難度な知識です
ちなみにALP6も存在しますが、潰瘍性大腸炎で上昇する特殊なパターンです
MT67-PM36 日本臨床化学会JSCC勧告法で共役酵素を用いないのはどれか。
1.AST
2.AMY
3.CK
4.ChE
5.γ-GT
共役酵素とは
酵素測定において、測定したい目的酵素以外に用いられる酵素のこと
共役酵素を用いない測定系の代表は、LD、γ-GT、ALPです
LDの測定系は非常にシンプルです
乳酸+NAD → ピルビン酸+NADH (NADH=340nm の増加を測定する)
γ-GTとALPは、反応で生成したニトロアニリンもしくはニトロフェノールを測定しますので共役酵素は不要です
ちなみに酵素測定を何から覚えていいかわからなければ、まずはNADHの増加を測るのか、減少を測るのか、というところから覚えることをおすすめします
MT67-PM37 ビタミンについて正しいのはどれか。2つ選べ。
1.ビタミン A は抗酸化作用がある。
2.ビタミン D は骨代謝に関与する。
3.ビタミン C は視覚の正常化に関与する。
4.ビタミン E はコラーゲンの形成に関与する。
5.ビタミン B6 はアミノトランスフェラーゼの補酵素となる。
ビタミンの非常に基本的な問題です、正しく訂正します
1.ビタミン A CとEは抗酸化作用がある。
2.ビタミン D は骨代謝に関与する。○
3.ビタミン C Aは視覚の正常化に関与する。
4.ビタミン E Cはコラーゲンの形成に関与する。
5.ビタミン B6 はアミノトランスフェラーゼの補酵素となる。○
補足情報として、コラーゲン生成にはアミノ酸であるプロリンの水酸化(ヒドロキシプロリン)が必要です
ビタミンB群はほとんどが補酵素の役割を持っています、V.B6はAST, ALTの補酵素です
↓ビタミンの基礎勉強はこちらからどうぞ!
MT67-PM38 必須アミノ酸でないのはどれか。
1.セリン
2.バリン
3.リジン
4.メチオニン
5.トリプトファン
必須アミノ酸でないのは1のセリンです
必須アミノ酸のゴロは
ふろばイスひとりじめ
↓他アミノ酸の分類についても語呂合わせを紹介しています!
MT67-PM39 血液中で蛋白質と結合して存在しているのはどれか。
1.尿 素
2.アンモニア
3.クレアチン
4.ビリルビン
5.クレアチニン
選択肢はすべて非蛋白性窒素(NPN)です
正解は4のビリルビンです
肝臓で抱合される前のビリルビンを間接ビリルビンと言い、水に溶けないため主にアルブミンと結合して血中に存在します
アルブミンと結合している主要な生体内物質は以下の4つです
- Ca(40%程度、50%はイオン型)
- ビリルビン(間接、非抱合)
- 甲状腺ホルモン(アルブミン、サイログロブリン、トランスサイレチンと結合)
- 遊離脂肪酸
基本問題が多いので、確実に点数を取っていきたいところです
がんばっていきましょう!!
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