【第67回臨床検査技師国家試験】PM40, 41, 42, 43, 44の問題をわかりやすく解説

MT国家試験

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国試かけこみ寺です!

令和3年2月17日(水)に実施された

臨床検査技師国家試験問題について

一部の分野をわかりやすく解説していきます!

問題(+別冊)と解答は厚生労働省のHPで公開されています

※以下の問題の出典は全て、厚生労働省のホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp210416-07.html)で公開している問題を引用しています。

問題に対する解説は国試かけこみ寺のオリジナルとなります。

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MT67-PM40 血清 10 μL を使用して 10 分間の酵素反応を行ったところ、10 nmol の基質量が変化した。酵素量U/Lはどれか。


1. 1
2. 10
3. 100
4. 1,000
5.10,000

1U とは 1分間1μmol の基質を変化させる酵素量です

問題を見てみると、10分間10nmol とあるのでここから直します

1分間で1nmol=10-3 μmol となります

この血清が今10μLありますから、これを1Lに換算にするには105します

以上より、10-3×105=10100 となり

血清1L 中に1分間で100μmolを変化させる酵素量(=100U/L)と言えます

答えは3となります

MT67-PM41 病原体の構成成分で検査に用いられるのはどれか。2つ選べ。

1.プレセプシン
2.エンドトキシン
3.プロカルシトニン
4.アミロイド A 蛋白
5.(1→3)-β-D-グルカン

病原体(細菌)の構成成分は、2と5が正解になります

各選択肢を解説していくと

1.プレセプシンは敗血症マーカーです(敗血症は英語でsepsisといいます)

2.エンドトキシンはグラム陰性菌の細胞壁成分であり、リポポリサッカライド(LPS)とも呼ばれます

3.プロカルシトニンも敗血症マーカーです、カルシトニンの前駆体ですが細菌感染で増加します

4.アミロイド A 蛋白は急性相反応蛋白の一つです(他にはCRPなどが有名)

5.(1→3)-β-D-グルカンは真菌の細胞壁成分です、深在性真菌感染症に対する指標として用います

 

MT67-PM42 尿を検体として測定するのはどれか。

1.オステオカルシン
2.デオキシピリジノリン
3.骨型アルカリホスファターゼ
4.酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ5b 型
5.Ⅰ型プロコラーゲン N 末端プロペプチド

これらは全て骨代謝マーカーです

この中で尿中で測定するのは2.デオキシピリジノリンです

1.オステオカルシンー骨形成
2.デオキシピリジノリンー骨吸収
3.骨型アルカリホスファターゼー骨形成
4.酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ5b 型ー骨吸収
5.Ⅰ型プロコラーゲン N 末端プロペプチドー骨形成

↓骨代謝マーカーの覚えやすい方法は以下で解説しています!

MT67-PM43 ケトン基を有するのはどれか。2つ選べ。

1.乳 酸
2.グリシン
3.グルコース
4.ピルビン酸
5.フルクトース

これは知っていないとどうしようもないですね

答えは、4.ピルビン酸と5.フルクトースです

フルクトースは国試によく出る単糖類の中では、少数派のケトースです(グルコースやガラクトースなど多くの糖はアルデヒド基をもつアルドースです)

ちなみにケトン体は、アセトン、アセト酢酸、βヒドロキシ酪酸の3種を指します

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MT67-PM44 腎糸球体障害の指標となる検査項目はどれか。2つ選べ。

1.血清エリスロポエチン
2.血清クレアチニン
3.血清シスタチン C
4.尿中 N-アセチルグルコサミニダーゼ(NAG)
5.尿中 β2 -ミクログロブリン

選択肢にあるものは全て腎臓に関係する指標です

1.エリスロポエチンは赤血球の産生を促す造血因子(ホルモン)です

なぜ、腎臓が造血ホルモンを産生するのかというと、腎臓は腎血流量を感知することで全身の血圧や、赤血球の数を調節する役割を持っているからです

腎機能が低下し、エリスロポエチンの分泌が低下することによって引き起こされるのが腎性貧血です

 

問題の正解は、2と3になります、これらは腎糸球体障害の指標です

腎糸球体の役割は濾過です、腎糸球体に障害が出てくると本来濾過されるはずの物質が血液中に溜まっていくということになります

2.血清クレアチニンは、筋肉のエネルギー源の一つであるクレアチンリン酸が消費されてできます、全て濾過されて排泄されます。この濾過量を評価するのがクレアチニンクリアランスです。血清クレアチニンは筋肉量に影響するため、基準範囲が男性>女性となる特徴があります。

3.シスタチンCは血中タンパク質で腎臓とは直接関係ありませんが、腎糸球体で全て濾過され、近位尿細管で再吸収されます。クレアチニンと異なり、性差や年齢差がない、濾過量の低下を鋭敏に反映する(=感度が高いといった特徴があります。

4と5は尿細管障害の指標です

4.NAGは近位尿細管のリソソームに多く存在します、すなわち尿細管の細胞が壊れるなど、障害が起きると尿中に増加するというわけです

5.β2ミクログロブリンとはMHCクラス1を構成する分子の一つです(部品のようなもの)

MHCクラス1とは全ての有核細胞に存在する分子で、HLAクラス1ともいいます。(赤血球には存在しません、例外として血小板には存在します。)役割は、免疫における自己と非自己の区別に関連します。

通常の寿命で有核細胞が壊れるとβ2ミクログロブリンが流出しますが、濾過されて、尿細管で再吸収されるため尿中にはほとんど出現しません。しかし、糸球体障害が起きると尿中に流出するというわけです。

他に、尿中β2ミクログロブリンの増加に、リンパ性の悪性腫瘍、多発性骨髄腫などがあります。これは通常より非常に多くの細胞が壊れ、β2ミクログロブリンが大量に流出、再吸収が追いつかず尿中に流出するためです。

一つ一つの選択肢を掘り下げて、幅広い知識に繋げていくことが、国試の対応力となります

本日も勉強おつかれさまです!

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