医療系国家試験の解説サイト
国試かけこみ寺です!
平成30年2月21日(水)
に実施された
第64回臨床検査技師国家試験問題について
一部の分野をわかりやすく解説していきます!
問題(+別冊)と解答は厚生労働省のHPで公開されています
※以下の問題の出典は全て、厚生労働省のホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp180511-07.html)で公開している問題を引用しています。
問題に対する解説は国試かけこみ寺のオリジナルとなります。
MT64-AM10: DNA 抽出に用いられないのはどれか。
1.エタノール
2.フェノール
3.クロロホルム
4.イソプロパノール
5.メルカプトエタノール
遺伝子検査におけるDNAの抽出問題です
※ 2020年現在、新型コロナウイルスの影響により
PCR検査を始めとする遺伝子検査の問題が増加すると予測されます
DNA抽出に用いないのは
5.メルカプトエタノールになります
これはタンパク質の抽出・変性処理などに用います
こういった試薬類というのは覚えるしかない、、、
というのが実際のところです
ただ、学生の皆さんは実習で行っていると思いますので
記憶を辿って思い出してみてください
(と、言っても実習で何をどう使ったかなんて筆者もそんなに覚えてはいないです笑)
DNA抽出に使う試薬は
- フェノール
- クロロホルム
- エタノール
- イソプロパノール
ちなみに超純水も使います
超純水とは抵抗値が18MΩ・cm以上の水で、電解質などの不純物をほとんど含まないので非常に電気抵抗が高くなっています
検体を溶解し、水とクロロホルム・フェノールと混合し遠心すると
上から水層・中間層・フェノール・クロロホルム層
の三層に別れます
この時、
上ー水層:核酸
中ー中間層:タンパク質
下ーフェノ・クロ層:脂質
と分離されるので
中間のタンパク質を吸い込まないよう
上層を慎重に採取するのがポイントです
ちなみに、抽出後に核酸の純度を確かめるために
OD比(260nm, 280nmの波長)を測定します
これは260nmに核酸の吸収波長
280nmにタンパク質の吸収波長があるためです
タンパク質がコンタミすると、260nm/280nmの値は小さくなります
すなわち、OD比(A260/A280)が大きいほど
抽出した核酸の純度は高いと覚えておきましょう!
MT64-AM11: 一次救命処置(BLS)でないのはどれか。
1.応援を呼ぶ。
2.意識を確認する。
3.胸骨圧迫を行う。
4.心肺停止の原因を検索する。
5.自動体外式除細動器AEDを用いる。
一次救命処置についての問題です
これは以下のことを覚えていれば判別できます!
- 一次救命処置は一般人でもできる
- 二次救命処置は専門家だけできる
これだけで救命処置は判別が簡単になります!
1.応援を呼ぶ。
2.意識を確認する。
3.胸骨圧迫を行う。
4.心肺停止の原因を検索する。
5.自動体外式除細動器AEDを用いる。
この中で、明らかに専門性が必要なのは4ですね
胸骨圧迫、AEDなどは一般人でも行うことが可能ですよね
MT64-AM13: 偽性高カリウム血症の原因になるのはどれか。
1.肝硬変
2.腎不全
3.再生不良性貧血
4.本態性血小板増加症
5.自己免疫性溶血性貧血
偽性高カリウム血症とは
体内ではカリウム値は正常であるが、採血後試験管内で高カリウムになってしまう状態を言います
採血時のクレンチングなどが理由として挙げられますが
生理的な偽性高カリウム血症の原因は主に血小板増加症です
これは、採血後試験管内で凝固が起こった際に
大量の血小板が壊れて、カリウムが流出することが理由です
こちらについては
↓以下の記事でさらに詳しく解説しています!
MT64-AM14: 動脈血ガス分析の所見を示す。考えられる病態はどれか。
pH 7.32
Na+ 142 mEq/L
Cl- 106 mEq/L
HCO3- 24 mEq/L
1.尿毒症
2.乳酸アシドーシス
3.尿細管性アシドーシス
4.原発性アルドステロン症
5.糖尿病性ケトアシドーシス
この問題については、
↓以下の記事で詳細かつ、わかりやすく解説しております!
臨床検査技師64回 国試解説スタートです
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