【第66回臨床検査技師国家試験】AM12, 13, 20の問題をわかりやすく解説

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国試かけこみ寺です!

令和2年2月19日(水)に実施された

の臨床検査技師国家試験問題について

一部の分野をわかりやすく解説していきます!

問題(+別冊)と解答は厚生労働省のHPで公開されています

※以下の問題の出典は全て、厚生労働省のホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp200414-07.html)で公開している問題を引用しています。

問題に対する解説は国試かけこみ寺のオリジナルとなります。

解説にある基準値は若干のぶれがありますのでご了承ください。

 

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MT66-AM12:動脈血液ガス分析で、pH7.48、PaO2 98Torr、PaCO2 30 Torr、HCO3- 22 mmol/L であった。考えられるのはどれか

1.胃液吸引
2.急性膵炎
3.慢性肺気腫
4.過換気症候群
5.原発性アルドステロン症

 

 

 

この手の問題は、いきなり総合的に判断するのではなく

 

検査データに対して、一つ一つ選択肢を判断

余計なものを消していくと整理しやすいです

 

  • まず最もわかりやすい、pH7.48

血液pH基準値は7.35~7.45ですから、アルカリ性に傾いているとわかります

 

1.胃液吸引

胃液=酸を失うため、アルカローシスに傾くはず

 
2.急性膵炎

動脈血液ガス分析だけで膵炎を判断するのは難しいです

このようないまいち判断に困る選択肢はとりあえず置いておく

 
3.慢性肺気腫

肺気腫は空気の入れ替えが上手くできなくなりますから

CO2が溜まってしまい、アシドーシスに傾く、よって除外


4.過換気症候群

過換気はCO2が外に出ていってしまうので

アルカローシスに傾く

 

 
5.原発性アルドステロン症

アルドステロン症は高Na, 低Kが典型的な判断材料で

pHでの判断は難しそうなので置いておきましょう

 

 

ということで、考えられそうなアルカローシスは

1.胃液吸引

4.過換気症候群

この2つが残りました

 

勘のいい人はこの時点で、

この問題は「代謝性か呼吸性のアルカローシスを判断する」問題だ

ということがわかります

 

 

  • PaO2 98Torr は正常で問題なさそうです

PaO2基準値はは80~100です

これは必ず覚えておきましょう

 

  • PaCO2 30 Torr

PaCO2の基準値は35~45

血液pHの基準値、7.35~7.45とリンクさせると覚えやすいです

 

そしてこの問題のCO2は低下していますね

この時点で、この病態は呼吸性アルカローシスの可能性が高い

答えは4.過換気症候群 だろうと判断できるわけです

 

 

  • HCO3- の基準値は22~26 Torrなので基準範囲内ですね

基準の下限ギリギリなのは、呼吸性アルカローシスを元に戻そうとして

代償的にHCO3- が低下しているとも考えられますが

今回の問題においては、pHとPaCO2だけを考慮しても

答えにたどり着けるでしょう

 

↓酸塩基平衡については以下の記事も参考にしてみてください!

 

 

MT66-AM13:1型糖尿病と関連のある自己抗体はどれか。

1.抗 GAD抗体
2.抗 SS-A 抗体
3.抗平滑筋抗体
4.抗リン脂質抗体
5.抗サイログロブリン抗体

 

 

自己抗体と疾患については

基本的には、組み合わせを覚えていくしかありません

 

ノートに一度まとめて整理してみることをおすすめします

 

まずはわかる選択肢を判断していくのが鉄則です

 

例えば、

2.抗SS-A抗体

SSというのは、Sjoegren Syndrome シェーグレン症候群

に特徴的な抗体で覚えやすいですね

 

5.抗サイログロブリン抗体

サイロ といえばサイロキシンなど甲状腺に関わることがイメージできます

甲状腺疾患、特に橋本病に特徴的です

(※バセドウ病でも出現することがある)

 

こうやって、とにかく言葉の端々からヒントを集めていくのです

この時点で、残りは3択です

 

これ以上わからなければ3分の1を選ぶしかありませんが

5択で勝負するよりは、1点を勝ち取れる可能性は高くなります

 

わからない問題も絶対に諦めず、とにかく選択肢を1つでも減らし

1点獲得の確率を上げることで国試合格に近づけます 

  

3.抗平滑筋抗体自己免疫性肝炎

平滑筋に対する抗体なのに、肝炎と関わるというのはちょっと不思議ですが

これはこういうものとして、覚えてしまいましょう

 

4.抗リン脂質抗体

代表的な疾患は、SLE:全身性エリテマトーデス

原発性抗リン脂質抗体症候群というのもあります(これは名前の通りです)

 

そして肝心の1型糖尿病に関わる抗体というのは

抗GAD抗体が答えになります

 

 

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MT66-AM20:スパイロメトリで測定できる肺気量分画はどれか。2つ選べ。

1.残気量
2.全肺気量
3.1回換気量
4.最大吸気量
5.機能的残気量

 

 

肺気量分画の基本的な問題です

 

肺気量分画の問題は

図を書けるようにすると正解に近づきます

 

今回は雑な手書きの図で申し訳ないですが

必ず、教科書などを見ながら自分で書けるようにしましょう

 

スパイロメーターでは残気量は測れない

呼吸機能検査のイラスト

これを知っていれば、図と合わせて

1.残気量
2.全肺気量
5.機能的残気量

 

これらを測れないことがわかります

 

よって答えは3,4

 

↓こちらの記事でも解説をしていますので参考にしてみてください!

 

 

今回の問題解説は以上です!

 

1問1問をしっかり理解すれば、角度を変えた問題にも

対応して行くことが可能です。

 

絶対国試合格!

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