【第64回臨床検査技師国家試験】PM36~44の問題をわかりやすく解説

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国試かけこみ寺です!

平成30年2月21日(水)

に実施された

第64回臨床検査技師国家試験問題について

一部の分野をわかりやすく解説していきます!

問題(+別冊)と解答は厚生労働省のHPで公開されています

※以下の問題の出典は全て、厚生労働省のホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp180511-07.html)で公開している問題を引用しています。

問題に対する解説は国試かけこみ寺のオリジナルとなります。

 

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MT64-PM36 短期の栄養指標として用いられる血漿蛋白はどれか。2つ選べ。

1.アルブミン
2.ハプトグロビン
3.セルロプラスミン
4.トランスサイレチン
5.レチノール結合蛋白

 

栄養指標となるタンパク質には、長期のものと短期のものがあります

また、長期の栄養指標静的栄養タンパク

短期の栄養指標動的栄養タンパク

ともいいます

そして、この長期、短期を決めるのはタンパク質の半減期です

栄養タンパク質の半減期

アルブミン:20日(≒3週間)
コリンエステラーゼ:10日
トランスフェリン:7日
トランスサイレチン(=プレアルブミン):2日
レチ
ノール結合蛋白:0.5日

この中で静的栄養指標はアルブミンとコリンエステラーゼ

動的栄養指標はトランスフェリン・トランスサイレチン・レチノール結合蛋白となります

↓詳しくはこちらの記事で解説しています!

 

MT64-PM37 血清尿素窒素濃度をウレアーゼ・グルタミン酸脱水素酵素法の終点法で測定した。

血清 0.02 mL に試薬 1.98 mL を加えたところ、340 nm の吸光度が 0.630 低下
した。血清尿素窒素濃度(mg/dL)はどれか。

ただし、窒素Nの原子量は14、NADHのモル吸光係数は6.3×103 (単位省略)とする

1.14
2.28
3.42
4.56
5.70

モル吸光係数が出てきた時に使う式は

A=εcl(モル吸光係数×濃度×光路長)

今回の場合は、Aというのは尿素の吸光度として計算するというのがポイントです

 

ウレアーゼが出てきた時には必ず反応式を書き出しましょう

(NH2)2CO+H2O→2NH3+CO2

反応式自体を覚えるのが苦手であれば

ウレアーゼでは1モル 尿素から2モル アンモニアができる

と覚えておけばOKです

さらに、今回はGLDHによる反応があります

GLDHは2-オキソグルタル酸+アンモニアからグルタミン酸を作ります

この時に、NADH→NADとなることから340nmの減少を測定します

(アンモニア、尿素窒素は340nm減少、と暗記してしまってもOK)

 

1モルの尿素から、アンモニアは2モルできますが、GLDHの反応は全て1モルです

そのため、1モルの尿素からは 2NADH→2NAD という変化が起こるため

尿素1モルに置き換えると、計算に用いる吸光度は0.630の半分の0.315

これで、A=0.315とわかりました

光路長lは1として計算して良いので、あとはcの濃度です

血清 0.02 mL に試薬 1.98 mL加えているので、濃度c × 0.02/2.00

以上のことから、0.315=6.3×103 ×c × 0.02/2.00 ×1

c = 0.005 mol/L となります、さらに

これを尿素(分子量60)のグラム数にすると0.3 g/L

問題文では mg/dL となっていることに注意して

30 mg/dL、そしてこれは尿素濃度であることに注意です

求めるのは尿素窒素ですから、これに28/60をかけて 14mg/dLとなります

 

正直、非常に計算過程も長いため、わからなければ早々に諦めるのもひとつの手かもしれません

ウレアーゼの反応式だけは非常に重要なので必ず覚えておきましょう

 

MT64-PM38 血清ビリルビンについて正しいのはどれか。

1.抱合型はタウリンと結合している。
2.酸化されるとビリベルジンとなる。
3.新生児黄疸では抱合型が高値となる。
4.非抱合型はジアゾ試薬と直接反応する。
5.バナジン酸酸化法は吸光度の増加を測定する。

ビリルビンの文章選択肢で一番重要なのは

抱合=直接、非抱合=間接と書きこんでしまうことです

これをするだけで、突然の勘違いを防ぐ効果があります

 

1.抱合型はタウリングルクロン酸と結合している。
2.酸化されるとビリベルジンとなる。○
3.新生児黄疸では抱合型非抱合が高値となる。
4.抱合型はジアゾ試薬と直接反応する。
5.バナジン酸酸化法は吸光度の増加減少を測定する。

バナジン酸酸化法およびビリルビンオキシダーゼ法はビリルビンを酸化して、ビリベルジンに戻して吸光度の減少を測る方法です

ビリルビン(450nm) →(酸化)→ビリベルジン 450nmの減少を測定!

↓ビリルビンの基本的な知識はこちらから!

 

MT64-PM39 酵素反応で正しいのはどれか。

1.非拮抗阻害では最大反応速度は変化しない。
2.拮抗阻害では基質濃度が高いほど阻害率が高くなる。
3.1次反応領域の酵素反応速度は基質濃度に関係なく一定である。
4.Michaelis-Menten の式は酵素量と基質濃度の関係を表している。
5.酵素活性の測定は酵素反応速度が酵素量に比例することを利用している。

これら選択肢に出てくる用語をまとめると

拮抗阻害(競合阻害)は酵素の活性部位を阻害する→親和性が低くなる=Kmが高くなる、Vmaxは変わらない。基質濃度が低ければ、それだけ阻害率は高くなる。

非拮抗阻害(非競合阻害)は重りのように作用して酵素のVmaxが低下する、活性部位は阻害されないので親和性には変化なし=Km変化なし

1次反応領域とは、基質濃度がKmより十分低い時、酵素反応速度が直線的に上昇する部分のこと

0次反応領域とは、基質濃度がKmより十分高い時、酵素反応速度がVmaxに到達して一定となる部分のこと

Michaelis-Menten の式は、縦軸に反応速度、横軸に基質濃度

 

5が正しい文章なので正解です

 

MT64-PM40 日本臨床化学会JSCC勧告法で合成基質が使用されているのはどれか。2つ選べ。

1.CK
2.LD
3.ALP
4.AST
5.γ-GT

酵素の測定は大きく分けると、

・NADH(340nm)の増減を測定するもの

・合成基質による生成物を測定

の2つがあり

JSCC勧告法でいう合成基質というのは、ニトロフェノール系とニトロアニリン系の測定と、コリンエステラーゼの測定です

すなわちこの問題は

ニトロアニリン(γ-GT, LAP)・ニトロフェノール(ALP、アミラーゼ)ChE

で測定する酵素を選べということになります

↓以下の記事で更に詳しい解説をしています!

MT64-PM41 血中濃度モニタリングを必要としないのはどれか。

1.アスピリン
2.ジゴキシン
3.タクロリムス
4.テオフィリン
5.リチウム

血中濃度モニタリング=TDMです

TDMが必要ないのはアスピリンですね

一般的に解熱鎮痛薬として用いられているのでわかりやすい部類です

 

ちなみにアスピリンの作用機序はCOX(シクロオキシゲナーゼ)阻害です

COXとは、アラキドン酸からプロスタグランジンG2を作る酵素です

プロスタグランジンG2はプロスタサイクリン(血管拡張物質)やトロンボキサンA2(血管収縮物質)などの材料となります

 

↓TDMの語呂合わせは以下にあります(リチウムはゴロに入っていないですが…)

MT64-PM42 アミノ酸誘導体ホルモンはどれか。

1.レニン
2.アドレナリン
3.アルドステロン
4.バソプレッシン
5.アンギオテンシン

アミノ酸誘導体ホルモンとは、アミンホルモンと同義です

アミンホルモンで覚えるべきは、甲状腺T3,T4と副腎髄質のアドレナリンです

↓こちらで簡単な覚え方を紹介しています!

MT64-PM43 核内レセプターを介して作用するホルモンはどれか。

1.インスリン
2.ガストリン
3.バソプレッシン
4.ノルアドレナリン
5.トリヨードサイロニンT3

核内レセプター(受容体)に作用するには細胞膜を通過することが必要です

細胞膜を通過するのは脂溶性の高い物質です

脂溶性のホルモンは、甲状腺T3,T4とステロイドになります!

ひとつ前の問題の記事で、このことについても解説してあります。

 

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MT64-PM44 早朝起床時に分泌がピークとなるのはどれか。

1.インスリン
2.エストロゲン
3.コルチゾール
4.成長ホルモン
5.副甲状腺ホルモン

ホルモン分泌の日内変動の問題です

早朝に分泌が高まるのはコルチゾールです

理由としては、コルチゾールはストレス応答ホルモンですから、1日のストレスに備えて上昇するというわけです

同様に、副腎皮質刺激ホルモンであるACTHはコルチゾールに先行して上昇します

 

成長ホルモンや副甲状腺ホルモンは睡眠時に分泌が盛んです

寝ている間に、身体や骨の成長が進む、とよく言われるのはそのためです

 

作用や役割を丸暗記するのではなく、体の状態や病態をイメージできると記憶に定着しやすくなります。

今回の問題は過去に詳しい解説記事を書いているものが多いので、気になるところはぜひチェックしてみてください!ではでは

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