【第63回臨床検査技師国家試験】PM1, 3, 4, 5, 9の問題をわかりやすく解説

MT国家試験

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国試かけこみ寺です!

平成29年2月22日(水)に実施された

臨床検査技師国家試験問題について

一部の分野をわかりやすく解説していきます!

問題(+別冊)と解答は厚生労働省のHPで公開されています

※以下の問題の出典は全て、厚生労働省のホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp170425-07.html)で公開している問題を引用しています。

問題に対する解説は国試かけこみ寺のオリジナルとなります。

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MT63-PM1 医療用ガスとして容器に緑色のボンベが用いられるのはどれか。

1.酸 素
2.窒 素
3.混合ガス
4.二酸化炭素
5.亜酸化窒素

 

正解は、4です

医療用ガスのボンベの色ということで、これは暗記するしかありません

基本は以下の3つ(+1)を覚えればOKです!

  • 酸素ー黒
  • 二酸化炭素ー緑
  • 水素ー赤
  • アセチレンー褐色

覚え方は、

  • 酸化して黒
  • CO2は植物の緑
  • 水垢(赤)
  • 汗をかく

基本はこの4つで対応できるかと思いますのでぜひ覚えてしまってください!

(上記以外のボンベはほとんど灰色です)

MT63-PM3 尿潜血試験紙法で偽陰性の原因となるのはどれか。2つ選べ。

1.亜硝酸塩
2.サラシ粉
3.過酸化水素
4.次亜塩素酸塩
5.アスコルビン酸

尿潜血の試験紙法については過去に何度も出ていますが、酸化反応によって陽性となります

すなわち、酸化物質で偽陽性還元物質で偽陰性になるということです

国試でよく出てくるものは選択肢に全て含まれていますので覚えましょう

酸化物質は、

2.サラシ粉
3.過酸化水素
4.次亜塩素酸塩

還元物質

1.亜硝酸塩
5.アスコルビン酸

ということで正解は1,5

一応、覚え方がありますので紹介しておくと

偽陰性はアカン!

硝酸塩・スコルビン酸・元物質

 

特にアスコルビン酸(ビタミンC)は非常によく出てきます、ビタミンCで偽陰性になるのは以下の項目です

ビタミンC(=アスコルビン酸)で偽陰性となる尿試験紙項目

  • 潜血
  • ビリルビン
  • 亜硝酸塩

MT63-PM4 髄液検査所見を示す。考えられる疾患はどれか。

外観 ー無色透明
液圧 ー上昇
細胞数 ー増加 主な細胞は単核球
糖 ー低下
トリプトファン反応ー 陽性

1.日本脳炎
2.くも膜下出血
3.結核性髄膜炎
4.細菌性髄膜炎
5.ウイルス性髄膜

髄液の所見ということで、大事なところはしっかり押さえておきたいですね

基本的に国家試験で問われる髄膜炎の原因(と押さえるポイント)はこの3つです

  • 細菌性(糖低値、多核球増加
  • 結核性(糖低値核球増加
  • ウイルス性(糖正常、核球増加

これらのことから、正解は3となります

さらにトリプトファン反応陽性は結核性髄膜炎の所見です(ただし、偽陽性も多く、臨床では陰性で結核を否定するという意義のほうが大きいです)

MT63-PM5 胆石の主要な成分はどれか。2つ選べ。

1.コレステロール
2.尿酸アンモニウム
3.シュウ酸カルシウム
4.ビリルビンカルシウム
5.リン酸マグネシウムアンモニウム

胆石とは、胆汁が固まってできるものですから、胆汁の成分を考えると自ずと答えは見えてきます

正解は、1.コレステロール4.ビリルビンカルシウムです

胆汁の主成分は、ビリルビン・コレステロール・胆汁酸

胆汁酸はコレステロールから作られるので、実質ビリルビンとコレステロールの成分が胆石となる、と言えます

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MT63-PM9 PCR 法で使用しないのはどれか。

1.制限酵素
2.プライマー
3.マグネシウムイオン
4.耐熱性 DNA ポ リメラーゼ
5.デオキシリボヌクレオシド三リン酸

PCRに必要な試薬の問題で、必要ないのは1.制限酵素です

制限酵素は決まった遺伝子配列を切断したい時に用いる酵素

特に、遺伝子組み換えなどで用いられます

 

・プライマーは増やしたい目的遺伝子の目印となるもの

・Mg2+はDNAポリメラーゼの活性に必要です(ただし多すぎると非特異反応が増える)

・耐熱性DNAポリメラーゼ(PCRは高温なので、耐熱菌から発見された耐熱性ポリメラーゼを用います)

・デオキシヌクレオチド三リン酸=dNTPで、伸長反応の材料と成るATGC各塩基のことです

 

↓遺伝子関連の問題は以下に集めて解説していますので、さらに勉強をしたい方はご覧になってみてください!

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