【第70回臨床検査技師国家試験】PM11-15の問題をわかりやすく解説

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国試かけこみ寺です!

令和6年2月14日(水)に実施された

第70回臨床検査技師国家試験問題について

一部の分野をわかりやすく解説しています!

問題(+別冊)と解答は厚生労働省のHPで公開されています

※以下の問題の出典は全て、厚生労働省のホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-07.html)で公開している問題を引用しています。

問題に対する解説は国試かけこみ寺のオリジナルとなります。

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MT70-PM11 一次救命処置 〈basic life support: BLS〉 に含まれないのはどれか。

1. 気道確保

2. 胸骨圧迫心マッサージ

3. 自動体外式除細動器〈AED〉 の使用

4. 静脈路確保

5. 人工呼吸

一次救命と二次救命は簡単に見分けることができます

・一次救命は一般人でもできる(資格が必要ない)

気道確保・心マッサージ・AED・人工呼吸は一般人でもできる、基本的な救命行動です。

・二次救命は専門資格がないとできない

静脈路確保とは点滴や注射など、資格なしで行うことが不可能です。

一次救命と二次救命は定番で出てくる知識なのでぜひ覚えておきましょう!

MT70-PM12 慢性腎不全で上昇するのはどれか。

1. 血清尿酸

2. 血清総蛋白

3. 糸球体濾過量

4. 血清エリスロポエチン

5. 血清活性型ビタミンD3

腎不全は非常に重要な病態なので、しっかり覚える必要があります

「腎臓が悪くなる」ということは「ろ過」「再吸収・排泄」ができなくなる、と考えるとよいです

1.尿酸は普段腎臓から排泄されているので、腎臓が悪くなると血中に増加します。ということでこれが答えになります。

2.蛋白は通常、再吸収されて尿には出ませんが、腎不全では尿中にタンパクが漏れ出し、血中には低下します

3. 糸球体濾過量はまさにろ過量のことであり、腎不全では低下します

4.エリスロポエチン(EPO)は腎臓で産生される造血ホルモンです。腎不全でEPOが不足して起こる貧血を、腎性貧血といいます。

5.腎臓の役割の一つに、ビタミンDの活性化があります。そのため、腎不全では活性型ビタミンDが不足します。その結果、カルシウムの吸収も弱くなり、骨が弱くなってしまいます。

※ビタミンDは肝臓で25位、腎臓で1位が水酸化され、活性化ビタミンDとなります(過去に出題歴あり!→MT67-AM43 ビタミン D の 25 位を水酸化する臓器はどれか。

MT70-PM13 診断の根拠になる自己抗体と疾患の組合せはどれか。

1. 抗平滑筋抗体 ―― リウマチ熱

2. 抗ミトコンドリア抗体 ―― 強皮症

3. 抗 CCP 抗体 ―― Behçet 病

4. 抗RNP抗体 ―― 混合性結合組織病 〈MCTD〉

5. 抗 TSH 受容体抗体 ―― Sjögren症候群

 

自己抗体と疾患の組み合わせ問題は定番で覚えるしかない問題ですが、覚える量はなかなか必要になってきますね

とりあえず選択肢を正しく修正していきましょう

1. 抗平滑筋抗体 ―― 自己免疫性肝炎

2. 抗ミトコンドリア抗体 ―― 原発性胆汁性胆管炎

3. 抗 CCP 抗体 ―― 関節リウマチ

4. 抗RNP抗体 ―― 混合性結合組織病 〈MCTD〉 正解(他にもSLEなど)

5. 抗 TSH 受容体抗体 ―― Basedow病(バセドウ病)

MT70-PM14 急性心筋梗塞発症時に血中濃度が上昇しないのはどれか。

1. ALP

2. CK-MB

3. LD

4. 心筋トロポニンT

5. 心臓型脂肪酸結合蛋白 〈H-FABP〉

これは心筋梗塞マーカーをしっかり押さえて、必ず解きたい問題です。

この中で心筋梗塞との関連性が薄いのは、1.ALPです。ALPは主に胆道系の指標ですが、アイソザイムによっても異なります

ALPの臨床的意義を知りたい人はこちらの記事をどうぞ!→【臨床検査技師国試】意外と見落としがちな酵素!過去問解説【ALP・AMY】

ちなみに、心筋梗塞マーカーは上昇する順番が非常に重要ですので覚えましょう!

心筋梗塞マーカー(出現が早い順)

H-FABP≒ミオグロビン>トロポニンT>CK-MB, AST, LD

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MT70-PM15 プリオン病はどれか。

1. Alzheimer 病

2. Creutzfeldt-Jakob 病

3. Guillain-Barré 症候群

4. Parkinson 病

5. 進行性筋ジストロフィ

 

プリオンとは、感染性・病原性のある異常タンパク質であり、通常のオートクレーブ条件(121℃、15分)で不活化することができません

プリオンの不活化条件はいくつかあります

132℃で1時間1N水酸化ナトリウム溶液に1時間1.5%次亜塩素酸ナトリウムに2時間 などがあります

ウシではウシ海綿状脳症(BSE、狂牛病)

ヒトのクロイツフェルト=ヤコブ病(CJD;Creutzfeldt-Jakob 病)を発症させます

プリオンについては微生物分野でも出題される可能性があります

また、特徴的な脳波所見として、周期性同期生放電があります

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