【第66回臨床検査技師国家試験】PM34, 35, 37, 38, 39の問題をわかりやすく解説

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国試かけこみ寺です!

令和2年2月19日(水)に実施された

臨床検査技師国家試験問題について

一部の分野をわかりやすく解説していきます!

問題(+別冊)と解答は厚生労働省のHPで公開されています

※以下の問題の出典は全て、厚生労働省のホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp200414-07.html)で公開している問題を引用しています。

問題に対する解説は国試かけこみ寺のオリジナルとなります。

 

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MT66-PM34:原発性副甲状腺機能亢進症で認められないのはどれか。

1.病的骨折
2.低リン血症
3.高カルシウム血症
4.代謝性アシドーシス
5.活性型ビタミン D3 合成低下

 

副甲状腺機能亢進症では

副甲状腺ホルモンであるパラトルモンの分泌が

過剰になると考えられます

 

パラトルモンは血中カルシウムを上昇させるホルモです

ではどうやってカルシウムを増やすかというと

骨吸収によって骨を溶かしてカルシウムを血中に増やすんですね

 

また、腎臓でのカルシウムの再吸収を高める作用もあります

 

ナトリウムとカリウムが対になっているように

カルシウムはリンとバランスをとっています

 

すなわち

ナトリウムの再吸収が促進すれば、カリウムの排泄が進むように

 

カルシウムの再吸収が促進すると

リンはより排泄されるようになります

 

これらの情報を含めて選択肢を見ていきましょう!

 

1.病的骨折 ○

骨吸収が進むため、骨密度は低下し

骨折をしやすくなるので正しいです

 


2.低リン血症 ○

血中のカルシウムが上昇するということは

リンは反対の動きをしますので、リンは低下します

 


3.高カルシウム血症 ○

パラトルモンが過剰になりCa上昇します


4.代謝性アシドーシス ○

これはちょっとわかりにくいですが、

パラトルモンはカルシウムの再吸収促進と同時に

リンと重炭酸イオン(HCO3-)の再吸収抑制

にも作用するため、HCO3-が体内に増加しアシドーシスを呈します

 


5.活性型ビタミン D3 合成低下 ✕

4の選択肢の正誤がすぐにつかなければ

こちらを先に考えてみましょう

 

活性型ビタミンD3の役割は骨形成の促進です

副甲状腺機能亢進症では骨密度が低下していますから

これに対応するようにビタミンD3は増加します

そして骨形成を促進し、骨を元に戻そうとするのですね

 

 

 

MT66-PM35:心筋梗塞の心筋マーカーとして適切でないのはどれか。

1.LD3
2.CK-MB
3.トロポニン T
4.ミオシン軽鎖
5.心臓型脂肪酸結合蛋白 (H-FABP)

答えから言ってしまうと、1. LD3 になります

LD=乳酸脱水素酵素は5種類のアイソザイムがあります

アイソザイムとは役割は同じでも、

存在場所や細かい構造が異なる酵素のことです

特に絶対覚えておくべきなのはLD1LD5です

 

LD1(と2):心臓・赤血球に多い

LD5(と4):肝臓に多い

(LD3は骨格筋に多いです)

 

よって心筋梗塞では特にLD1の上昇が見られます

超定番知識なので確実に覚えておきましょう

 

2~5の選択肢も心筋梗塞のマーカーとして使われるものです

 

MT66-PM37:アミノトランスフェラーゼのホロ化に必要なのはどれか。

1.コバラミン
2.ピリドキシン
3.リボフラビン
4.トコフェロール
5.ニコチンアミド

 

アミノトランスフェラーゼとはアミノ基転移酵素のことで

具体的には、ASTALT を指します

・ホロ化とは

ホロ化、とは

「補酵素を必要とする酵素」と「補酵素」が結合することです

「補酵素を必要とする酵素」は「補酵素がなければ働けません」

 

補酵素が結合する前の状態を、アポ酵素

補酵素が結合した状態を、ホロ酵素といいます

 

この問題は言い換えると

ASTおよびALTの補酵素はどれか」となります

そして、答えは 2.ピリドキシン(=ビタミンB6) です

(これは知識として覚えるしかない問題です)

 

MT66-PM38:慢性腎臓病(CKD)の病期分類に用いられる検査項目はどれか。2つ選べ。

1.尿浸透圧
2.尿糖定量値
3.糸球体濾過量
4.尿蛋白定量値
5.尿素窒素/クレアチニン比

 

日本腎臓学会より(https://cdn.jsn.or.jp/guideline/pdf/CKDguide2012.pdf

、CKD(慢性腎臓病)の定義は

GFR(=糸球体濾過量)

蛋白尿 (微量アルブミンを含む)

 

と、ありますので答えは 3,4 になります

ちなみに、糸球体濾過量は

血中のクレアチニン濃度・年齢・性別から推算して求める

eGFR

がよく用いられます

 

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MT66-PM39:水酸基をもつアミノ酸はどれか。2つ選べ。

1.セリン
2.プロリン
3.スレオニン
4.メチオニン
5.アスパラギン酸

 

水酸基とはヒドロキシ基(-OH)のことです

人体を構成するアミノ酸でヒドロキシ基を持つのは

セリンスレオニンです

 

他アミノ酸の特徴や分類については

↓こちらの記事で解説しています!

 

ということで今回はここまでとなります!

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