【第70回臨床検査技師国家試験】PM29-36の問題をわかりやすく解説

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国試かけこみ寺です!

令和6年2月14日(水)に実施された

第70回臨床検査技師国家試験問題について

一部の分野をわかりやすく解説しています!

問題(+別冊)と解答は厚生労働省のHPで公開されています

※以下の問題の出典は全て、厚生労働省のホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-07.html)で公開している問題を引用しています。

問題に対する解説は国試かけこみ寺のオリジナルとなります。

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MT70-PM 29 ビリルビンで正しいのはどれか。

1. 尿中には非抱合型が排泄される。

2. 抱合型はタウリンと結合している。

3. 抱合型は非抱合型より酸化されやすい。

4. 非抱合型は抱合型より光に対して不安定である。

5. ビリルビンは抱合型にグロブリンが結合している。

ビリルビンについての基礎知識の超定番問題です

1. 尿中には抱合型が排泄される。

非抱合型は基本的に尿中に排泄されません

2. 抱合型はタウリン非抱合型はアルブミンと結合している。

タウリンは胆汁酸と抱合します

3. 抱合型は非抱合型非抱合型は抱合型より酸化されやすい。

4. 非抱合型は抱合型より光に対して不安定である。〇正しい 

非抱合型の方が、酸化もされやすく光にも不安定です

5. δビリルビンは抱合型にグロブリンアルブミンが結合している。

δビリルビンは抱合型ビリルビンが体内に蓄積すると出来る物質で、アルブミンと共有結合した抱合型ビリルビンのことです。

ビリルビンの基礎について学びたい方はこちらの記事をご覧ください!→絶対に理解できるビリルビン講座

MT70-PM 30 加水分解酵素はどれか。

1. ALP

2. AST

3. CK

4. γ-GT

5. LD

酵素の分類の問題です

国試に出てくる酵素の分類は主に3つ

国試に出る!酵素分類チェックポイント

酸化還元酵素デヒドロゲナーゼとオキシダーゼ(臨床検査測定項目の中ではLD

転移酵素キナーゼとトランスフェラーゼ(臨床検査測定項目の中ではCK、AST、ALT、γ-GT

加水分解酵素→上記以外(消化酵素、ホスファターゼなど、臨床検査測定項目の中ではAMY、ALP、ChEなど)

この手の分類問題は、酸化還元酵素と転移酵素を覚えてしまえばOKです!!

MT70-PM 31 アルドステロンの作用はどれか。

1. 骨形成

2. 脂質合成

3. Na再吸収

4. 血糖値低下

5. 心拍数上昇

アルドステロンは「血圧を上げるホルモン」と言われますが、その実態はNa(と水)の再吸収を高め、血漿浸透圧を上げることで、血圧を高めます。このことから、答えは3になります。

5の心拍数上昇も血圧を上げるための作用ですが、これは主にアドレナリンの役割になります。

MT70-PM 32 高エネルギー化合物で最も高いエネルギーをもつのはどれか。

1. ATP

2. ピロリン酸

3. アセチルCoA

4. クレアチンリン酸

5. ホスホエノールピルビン酸

非常に難問です。これは解けなくても仕方ないかなと思います。

答えは5になりますが、大切なのは選択肢にあるすべてが高エネルギー化合物なので、これは覚えたほうが良いです。「高エネルギー化合物を選びなさい」という問題は過去に何度か出ているのでこれはチェックしておくとよいでしょう。

MT70-PM 33 蛋白質の含有率が最も高いのはどれか。

1.HDL

2. IDL

3. LDL

4. VLDL

5. カイロミクロン

リポ蛋白が含んでいる成分について、超基本的な問題です

タンパク質含有率が最も高いのはHDLです

タンパク質の含有量はHDL>LDL>IDL>VLDL>CM

脂質の含有量は逆向き、HDL<LDL<IDL<VLDL<CM

そして、コレステロール含有量はLDLが最も多い、これらを覚えておくとよいでしょう。

MT70-PM 34 必須アミノ酸はどれか。

1. アラニン

2. グリシン

3. チロシン

4. プロリン

5. ロイシン

必須アミノ酸は語呂合わせで一発なので覚え得です!

オススメのゴロは

必須アミノ酸:リスロバふとい姫

リジン

スレオニン

ロイシン

バリン

フェニルアラニン

トリプトファン

イソロイシン

ヒスチジン

メチオニン

MT70-PM 35 尿酸で正しいのはどれか。

1. 血漿中で酸化作用を持つ。

2. 血漿中濃度は朝より夜に高い。

3. 酵素法試薬ではウレアーゼが用いられる。

4. 核酸のピリミジン塩基の最終代謝産物である。

5. 血漿中の尿酸の溶解度は約7.0mg/dLである。

尿酸の基礎知識を問われることはあまり多くないので、忘れがちな知識かもしれません

1. 血漿中で酸化還元作用を持つ。

→尿酸には強力な還元作用があります

2. 血漿中濃度は朝より夜夜より朝に高い

→寝ている間に体内濃度が高まり朝に高くなると考えられます。痛風発作は深夜~朝に起きやすい。

3. 酵素法試薬ではウレアーゼウリカーゼが用いられる。

→ウレアーゼは尿素の分解酵素であり、尿素測定に利用されます

4. 核酸のピリミジンプリン塩基の最終代謝産物である。

→プリン体=プリン塩基のことです。プリン塩基はA:アデニンとG:グアニンです。

5. 血漿中の尿酸の溶解度は約7.0mg/dLである。 

これは基本知識です。7.0mg/dLを超えると、痛風発作のリスクがかなり高まります

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MT70-PM 36 血中薬物濃度測定で検体に全血を用いるのはどれか。2つ選べ。

1. ジゴキシン

2. タクロリムス

3. シクロスポリン

4. メトトレキサート

5. フェノバルビタール

これは定番問題です。TDMの測定(血中薬物濃度測定)で全血を用いるのは、免疫抑制薬である2. タクロリムス、3. シクロスポリンになります。免疫抑制薬は血球内移行度が高いため、全血を使用する必要があります。

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