【血糖値の基準値を覚えよう】糖尿病の検査【臨床検査技師・看護師必見】

臨床化学

糖尿病について

  • 糖尿病とはどんな病気か
  • 症状、3大合併症とは

ということについてこれまで記事を書いています

 

見てない方はこちらからどうぞ!

 

 

 

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糖尿病で行う検査とは

糖尿病の診断に必要な検査は

4種類があります

 

 

  • 早朝空腹時血糖値
  • 随時血糖値
  • 75gブドウ糖負荷試験(75gOGTT)
  • HbA1C (グリコヘモグロビン)

 

 この4つです

 

各検査の説明と

 

国試で狙われる

 

基準値について以下で解説していきます!

 

 

 

早朝空腹時血糖値:126 mg/dL

早朝空腹時血糖値とは

 

9時間以上の絶食を行った

早朝の血糖値をいいます

 

空腹のイラスト(男性)

基準値は 126 mg/dL 以上だと

糖尿病の疑いとなります

 

 

 

随時血糖値:200 mg/dL

随時血糖値とは

 

食事の時間と関係なく

普通に採血をした時の血糖値です

 

こちらは200 mg/dL 以上で糖尿病疑いとなります

 

 

 

75gブドウ糖負荷試験:2時間値 200 mg/dL

75gブドウ糖負荷試験(OGTT)とは

 

75グラムのブドウ糖が(溶けた水)

を摂取し(甘い炭酸水を飲むような感じ)

 

炭酸水のイラスト

30分、1時間、2時間後に採血をし

 

血糖値を測定します

 

 

2時間値が200 mg/dL 以上あると

 

インスリンが上手く働いていないわけですから

 

糖尿病の疑いとなる、というわけです

 

 

この検査は、すでに糖尿病と診断された人には禁忌です

 

 

 

 

HbA1c(グリコヘモグロビン):6.5%

こちらは血糖値ではなく

ヘモグロビン(Hb)に糖が結合した

 

ヘモグロビンと結合する酸素のイラスト
糖が過剰になるとヘモグロビンに結合する

HbA1c (別名:グリコヘモグロビン)

というものを測定し

 

糖の結合率が 6.5 % 以上で糖尿病の疑いとなります

 

この検査値の最大の特徴は

 

1~2ヶ月前の血糖状態を反映すること

 

すなわち、検査日前の1週間程度、

糖質を取らないようにしたところで

意味がないということです

 

 

 

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糖尿病の診断に必要な検査値

日本糖尿病学会 糖尿病治療ガイド2018-2019(抜粋)

http://www.jds.or.jp/modules/education/index.php?content_id=11/)

に詳しい診断の方法が書いてあります

※これは学会で診断の指標としているものですが

一般の方は自己判断をせず、医師や看護師にしっかりと診断結果を聞くようにしましょう

 

 

簡単にまとめると

血糖値項目のいずれか1つ

(随時、空腹時、負荷試験2時間値)

かつ

HbA1c 6.5%以上

 

 

を満たすと糖尿病という診断となります

 

 

随時血糖が200を超えていても

HbA1cが6.5%未満であれば

その場では確定診断にはならないということです

(糖尿病の疑いは残るため、再検査や詳細な検査を行います)

  

 

 

 

 

直ちに糖尿病と診断できるのはどれか【国試例題MT】

 

  1. 空腹時血糖120mg/dl、HbA1c 7.0%
  2. 空腹時血糖140mg/dl、HbA1c 6.7%
  3. 随時血糖190mg/dl、HbA1c 7.2%
  4. 随時血糖210mg/dl、HbA1c 6.0%
  5. 75gOGTT2時間値180mg/dl、HbA1c 6.6%

 

 

 

 

 

 

 

  1. 空腹時 :126以上
  2. 随時 :200以上
  3. OGTT :200以上
  4. HbA1c :6.5%以上

1,2,3 のいずれか

かつ

4の条件を満たすのは

 

  

 

 

2番です

 

 

随時血糖とOGTTは200なのですぐ覚えてしまいましょう

空腹時は126 これも意識して覚えてしまいましょう

 

 

 

 

 

糖尿病の長期血糖コントロールの指標となる検査値はどれか。【国試例題Ns】

  1. 総ビリルビン
  2. 総コレステロール
  3. グリコヘモグロビン
  4. グリコアルブミン

  

 

 

 

 

 

 

この問題は応用問題です

 

 

まずこの選択肢を見て素直に

3.グリコヘモグロビン

を選んだ人は正解です

 

 

 

グリコヘモグロビン=HbA1c は6.5% 以上が糖尿病疑いでしたね

 

 

そして、最近ではなく約2ヶ月前の血糖値を反映する でしたね

すなわち

長期血糖コントロールの指標になる というわけです

 

 

 

一方で

4.グリコアルブミン

これは何かというと

 

血液中に最も多く存在するタンパク質である

 

 

 

アルブミンに糖が結合したものです

 

 

グリコアルブミンは2週間程度の血糖値を反映します

 

 

そのため治療を開始してからの最近の血糖状態を見るなどに適しています

 

 

 

 

 

HbA1c と グリコアルブミンの違い

HbA1c

  • ヘモグロビンに糖が結合したもの
  • 6.5 % 以上が糖尿病の疑い (診断項目の1つ)
  • 2ヶ月前の血糖値を反映 (長期血糖コントロールの指標になる)

 

 

グリコアルブミン

  • 血中タンパク質のアルブミンに糖が結合したもの
  • 糖尿病の診断には用いられない(治療後のモニタリングなど)
  • 2週間程度前の血糖値を反映する

  

 

 

 

以上が糖尿病の診断のための検査のお話となります

 

臨床検査技師・看護師さんにとっては

 

かなり重要な項目になりますので、しっかり覚えましょう!

(もちろん国試にも出ます)

 

 

また、ご家族で血糖値を気にしている方がいる場合

 

糖尿病学会の診断基準を参考に見せてあげるのもいいかもしれません

※1番良いのは病院に行き、きちんと検査診断してもらうことです

※医療の免許を持っていない人が自己判断することは危険ですのでやめましょう

 

  

糖尿病について、3つの記事をまとめました

 

糖尿病は国家試験でよく出ます

そして現場でも患者さんに高確率で出会います

 

そのためにしっかりと知識をつけてほしいと思います!

 

ではでは!

 

 

他の記事はこちらからどうぞ!

 

 

 

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