【第69回臨床検査技師国家試験】PM2, 3, 4, 8, 9の問題をわかりやすく解説

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国試かけこみ寺です!

令和5年2月15日(水)に実施された

第69回臨床検査技師国家試験問題について

一部の分野をわかりやすく解説しています!

問題(+別冊)と解答は厚生労働省のHPで公開されています

※以下の問題の出典は全て、厚生労働省のホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp230524-07.html)で公開している問題を引用しています。

問題に対する解説は国試かけこみ寺のオリジナルとなります。

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MT69-PM2 結核性髄膜炎において、髄液の測定値が低値となるのはどれか。 2つ選べ。

1.圧
2.糖
3.蛋白
4.クロール
5. アデノシンデアミナーゼ

髄液の所見についてはポイントを絞ってしっかり覚えてしまいましょう!

覚えるべき所見は4種類ありますが、ポイントを絞ればそれほど難しくありません。

簡単にまとめた表を以下に示します。

髄液所見外観細胞数/μL細胞分画蛋白(mg/dL)糖(mg/dL)
正常透明0~515~4550~80
細菌性混濁1000以上多核球(好中球)大きく増加大きく減少
ウイルス性透明0~200程度単核球(リンパ球)微増変化なし
結核性透明200~500単核球(リンパ球)大きく増加微減
ギラン・バレー
症候群
透明正常増加変化なし

特に判別に重要な部分にマーカーを引いています

答えから言うと、結核性髄膜炎で低下するのは2.糖と4.クロールになります

髄液蛋白は結核を含め、細菌で特に上昇する特徴があります

糖は細菌や結核菌などが代謝するために消費してしまい低下します、一方でウイルス性髄膜炎では糖にあまり変化がないのが特徴です

ギラン・バレー症候群の髄液所見としては蛋白は増加しますが、他に変化がないという特徴があります

ちなみに、選択肢にある5.アデノシンデアミナーゼは結核性の髄膜炎や胸膜炎などで増加するものとして覚えておきましょう

MT69-PM3 PCR法の原理で正しいのはどれか。

1. 熱変性は60℃前後で行う。
2. 2種類のプライマーを用いる。
3. 増幅反応は50サイクル前後で行う。
4. 伸長反応は3’→5’方向に相補鎖を合成する。
5. 定量 PCR法では標的 DNA量が多いほど Ct値が大きい。

近年は新型コロナウイルス関連ということで、PCR検査の基本的な原理・トラブルシューティングなどが注目されます。

こちらの問題はPCRの基本的な知識ですが、ゼミの研究などで実際に行った経験がないとなかなか難しいかもしれません

1.熱変性は60℃前後で行う。→熱変性(デナチュレーション)は約96℃です

2.2種類のプライマーを用いる。→これが正解◯ PCRのプライマーは増やしたい領域を両側から挟むように2種類のプライマーを設計します

3.増幅反応は50サイクル前後で行う。→サイクルは通常35~40程度です、50サイクルは多すぎて非特異的な増幅が増えるため現実的ではありません

4.伸長反応は3’→5′方向に相補鎖を合成する。→伸長反応(エクステンション)は5’→3′方向です

5.定量 PCR法では標的 DNA量が多いほど Ct値が大きい

5の選択肢は定量的PCR法について触れられており、新型コロナウイルス検査にも関与する知識です

定量的PCRとは簡単にいうと、1サイクルごとに目的の配列がどれくらい増えたかを定量できる方法です

そしてCt値というのは、これも簡単にいうと、陽性判定となるサイクル数のことで、

Ct値が低いほど、少ないサイクル数で陽性になるため元のDNA量は多いということになります

Ct値が高いほど、多くのサイクルが必要になるので元のDNA量が少ないということです

PCR関連の過去問を集めた記事は以下をご参照ください!

MT69-PM 4 出生児における染色体異常のうち最も発生数が多いのはどれか。

1. 13トリソミー
2. 18トリソミー
3. 21トリソミー
4. 45, X
5. 47,XXY

最も発生数が多いのは3.21トリソミーのダウン症です

母体の年齢によって変わってきますが、30歳くらいまでは約1000人に1人

30歳後半ではさらに割合が上がっていきます

ちなみに選択肢から、国試でよく見かける染色体異常症としては

45, X→ターナー症候群

47,XXY→クラインフェルター症候群

は覚えておくとよいでしょう

覚え方として、クライン増えるター(→X染色体が多い)と覚えるのがおすすめ!

MT69-PM 8 真核生物における mRNAの開始コドンはどれか。

  1. AUG
  2. CUG
  3. GUC
  4. UAC
  5. UAG

開始コドンと終止コドンは暗記してしまいましょう

真核生物の開始コドンはAUG(メチオニン)になります

終止コドンは3つあります

UAA・UGA・UAG

うあー・うがー・うあぐ

と無理やり音で覚えてしまうのもよいかもしれません笑

頭がUで始まり、AとGが使われるので比較的覚えやすいとは思います!

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MT69-PM 9 尿定性試験紙法でアスコルビン酸による影響がないのはどれか。

  1. 潜血
  2. 蛋白
  3. 亜硝酸塩
  4. ブドウ糖
  5. ビリルビン

まず基礎知識として、アスコルビン酸とはビタミンCのことです。検査においてアスコルビン酸は反応を邪魔することがあり、よく問題に登場します。

アスコルビン酸には還元作用があり、酸化反応を阻害します

尿試験紙には酸化反応を利用したものが多くあり、いいゴロ合わせがあります!

まさにこのゴロ合わせで解ける問題でした!

アスコルビン酸の影響がないのは2.蛋白です

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